私の思いと技術的覚え書き

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不安定水温トラブル直る

2020-01-14 | 車両修理関連
 マイカーのBMWミニ(R50・前期型)だが、昨年末に何時もはエンジン始動後に走り始め10分もしないで適温に上がる水温が何時までも上昇しないというトラブルを生じた。その後、数日、業務のことなどもあり行き帰りと運転するが、アイドリングで5分も停止していると上昇するし、軽負荷走行では低下気味になったり、ちょっと高負荷では僅かに定常値を超えた指示値になったり目まぐるしく水温が変わるというトラブルを生じた。ここまでの症状を聞き。サーモスタットの不良と云うことは、一定のメカ知識があるものなら想像が付くことだろう。

 ということで、サーモスタットおよびサーモスタットハウジングが樹脂製のこともあり、大事を取って同時交換することで部品の手配をした。ハウジングにはラジエータキャップも付属して来たので、同時注文は正解だった。これはfebi(フェビ、ビルシュタイン)というドイツのサードメーカーだが、今まで各種メインテナンスパーツを利用しているが、品質的にもまったく純正に劣る感じはない。しかも、今回の注文部品2点合計で税込み6千円程と安い。

 部品は注文の翌日には配送されたが、作業が面倒とそのままになっていたのだが、何時までも水温の上がりが遅く、変動も激しいというのは不安であり、意を決して取替作業を行った。本作業を行うためには、付随作業として、バッテリーおよびバッテリーケース、エアクリーナーを外す必用がある。このR50は過去に、何かに付けて、この辺りは何度も分解しているので、約1時間ほどで作業は完了した。エンジン始動後、約10分のアイドリングで水温は適温となり、サーモスタットは開き始めたことが確認できた。

 なお、取り外したサーモスタットの状態は、新旧写真を見て戴きたいが、スプリングを押さえるBKT部が破損(疲労破壊の一種である応力腐食割れと云われる現象だろう)していた。これでは、スプリングが弱まることで早期に開いたり、そもそも弁の着座が不正で閉じなくなったりし、しかもヒートした場合に、弁の開度が不足するという現象が起こることから、冒頭に記した現象に完全に一致するトラブルが生じていた訳だ。なお、今回破損したBKT部は新品では幅が大幅に拡大されており、同様のトラブル多発を認知して、設計変更がなされていると思える。





補足
 今回のトラブルであるが、水温計が付いていたから早期に現象を発見することができた訳であるが、これが次作のR56とか現行のF56だと、純正仕様では水温計がないので、発見は大幅に遅れたことだろう。実際、今回のトラブルでエンジンチェックランプ(DTC)は検出されていない。つまり、検出アルゴリズムに、オーバーヒートとか、水温センサーの断線とかショートは検出するだろうが、適温でないという検出は織り込んでいないことによるのだろう。しかし、冷却水温が低いまま、長期間の運転を継続すると、そもそもヒーターの効きが悪いこともあるが、水温で燃料増量される訳だから、燃費が悪くなる可能性もあるし、燃焼室のスラッジの堆積問題など、種々の問題を生む可能性もあるだろう。やはり水温計は必用な装備だろう。


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