衆院補選、投票率は3選挙区とも最低 自民の擁立見送りも影響か
4/28(日) 22:52配信 毎日新聞
28日投開票の衆院3補選の投票率は、東京15区、島根1区、長崎3区いずれも過去最低となった。自民党派閥の裏金事件が発覚して初めての国政選挙だったが、自民が2選挙区で候補擁立を見送ったことも影響したとみられる。
【対立候補の当確の一報を受け、質問に答える乙武氏】
東京15区の投票率は40・70%で、これまで最低だった2017年の55・59%を下回った。
島根1区の投票率は54・62%で、14年の57・94%を下回り過去最低を更新した。
長崎3区の投票率は35・45%で、最低だった14年の51・58%を大幅に下回った。【深津誠】
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衆院東京15区補選 波紋広げた「選挙妨害」 識者の見解は
2024/4/28 20:27(最終更新 4/28 22:14) 毎日新聞
衆院東京15区補選の候補者の街頭演説で、周囲を警戒する警察官ら=東京都江東区で2024年4月21日、島袋太輔撮影
28日に投開票された衆院東京15区補欠選挙を巡っては、「つばさの党」の根本良輔候補の陣営が、他の候補者の選挙活動の妨害と受け取られる行為を繰り返したことが波紋を呼んだ。陣営が行ったことで、選挙妨害にあたるのか、自由な選挙活動にあたるのか、線引きする難しさが露呈した。
補選で問題視されたのは、根本候補の陣営がほかの複数の候補者の演説会場に押しかけ、マイクを使って至近距離から罵声を浴びせるなどの行為を繰り返したことだった。
異例の形の妨害行為
選挙取材を25年以上続け、既存政党と距離を置いて選挙に臨む候補者たちを見てきたフリーライターの畠山理仁(みちよし)さん(51)は、過激な内容の動画で再生回数を増やし動画の閲覧回数などを稼ぐ動画配信者を引き合いに、「大義は別にあるかもしれませんが、迷惑系ユーチューバーと同等と捉えられても仕方がありません」と説明する。
「長い取材経験を通じて、諸派(法律上の政党要件を満たさない小さな政党や政治団体)の苦労はよく分かります。マスコミにも相手にされないなかでいかに名前を売るかを考えます。そうなると、過激なことをやるのがどうしてもコスパが良くなってしまう」
畠山さんによると、これまでも特定の候補者のもとに対立候補者が訪れ、ヤジや質問をすることはあった。だが、ここまで組織的で長期間にわたって公然と行われるのは異例だという。
「選挙妨害との指摘が選挙妨害」
公職選挙法では「選挙の自由妨害罪」が定められ、候補者に暴行を加えたり、選挙の集会や演説を妨げたりすると4年以下の懲役もしくは禁錮、または100万円以下の罰金に処される。
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東京15区補選で「選挙妨害」と批判続出…警視庁が根本良輔氏陣営に「公選法抵触の可能性」と警告
4/28(日) 21:53配信 読売新聞オンライン
28日に投開票された衆院3補選は、自民党派閥の政治資金規正法違反事件など「政治とカネ」の問題が逆風となり、自民は、唯一候補を擁立した島根1区で敗れ、ほかの2選挙区の「不戦敗」と合わせ、全敗の結果に終わった。
衆院東京15区(江東区)補選では、ある諸派新人の陣営が、他の候補者の街頭演説中に大声を張り上げるなどし、「選挙妨害だ」との批判が続出した。この陣営は「候補者に認められた合法な行為だ」と主張するが、警視庁は公職選挙法に抵触する可能性があるとして警告を発出。国会で対策が議論される事態になっている。
問題となったのは、政治団体「つばさの党」の根本良輔氏(29)の陣営。告示日の16日には、JR亀戸駅前で行われた無所属の乙武洋匡氏(48)の第一声に現れた。選挙カーのクラクションを鳴らし、乙武氏らの演説にかぶせるように「どの面下げて立候補しているんだ」などと声を張り上げた。19日には、豊洲駅付近で諸派の飯山陽氏(48)に向かって「クズ」などと叫び、選挙カーを追いかけ回した。
各陣営は根本氏の陣営との接触を避けるため、演説日程の事前告知をやめたり、回数を減らしたりせざるを得なくなった。江東区の会社員女性(26)は、「各候補の政策を聞きたい有権者にとってマイナスでしかない」と非難した。
公選法は、候補者らに暴行したり演説を妨害したりする行為を「選挙の自由妨害罪」と規定。違反すると、4年以下の懲役か禁錮、または100万円以下の罰金が科せられる。警視庁は18日、聴衆が演説を聞けなくなったなどとして根本氏の陣営に警告を出した。
しかし、つばさの党の黒川敦彦代表は25日、報道各社の取材に「法律で認められている表現や選挙、政治活動の自由の中でやっている」と主張。7月の都知事選に自ら出馬し、同様の行為を行う考えを明らかにした。
こうした行動は、国会でも議論を呼び、22日の衆院予算委員会で岸田首相は「選挙制度の根幹に関わる事柄として、各党、各会派で議論するべき課題だ」と述べた。野党の一部も、公選法改正による規制強化に向けて議論を始める考えを示した。
選挙制度に詳しい白鳥浩・法政大教授は、「選挙活動が妨害されると、候補者の主張を知る権利が侵害される。脅迫や道路交通法違反に該当する行為があれば、警察は選挙期間中でも適切に対処すべきだ」と話した。
4/28(日) 22:52配信 毎日新聞
28日投開票の衆院3補選の投票率は、東京15区、島根1区、長崎3区いずれも過去最低となった。自民党派閥の裏金事件が発覚して初めての国政選挙だったが、自民が2選挙区で候補擁立を見送ったことも影響したとみられる。
【対立候補の当確の一報を受け、質問に答える乙武氏】
東京15区の投票率は40・70%で、これまで最低だった2017年の55・59%を下回った。
島根1区の投票率は54・62%で、14年の57・94%を下回り過去最低を更新した。
長崎3区の投票率は35・45%で、最低だった14年の51・58%を大幅に下回った。【深津誠】
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衆院東京15区補選 波紋広げた「選挙妨害」 識者の見解は
2024/4/28 20:27(最終更新 4/28 22:14) 毎日新聞
衆院東京15区補選の候補者の街頭演説で、周囲を警戒する警察官ら=東京都江東区で2024年4月21日、島袋太輔撮影
28日に投開票された衆院東京15区補欠選挙を巡っては、「つばさの党」の根本良輔候補の陣営が、他の候補者の選挙活動の妨害と受け取られる行為を繰り返したことが波紋を呼んだ。陣営が行ったことで、選挙妨害にあたるのか、自由な選挙活動にあたるのか、線引きする難しさが露呈した。
補選で問題視されたのは、根本候補の陣営がほかの複数の候補者の演説会場に押しかけ、マイクを使って至近距離から罵声を浴びせるなどの行為を繰り返したことだった。
異例の形の妨害行為
選挙取材を25年以上続け、既存政党と距離を置いて選挙に臨む候補者たちを見てきたフリーライターの畠山理仁(みちよし)さん(51)は、過激な内容の動画で再生回数を増やし動画の閲覧回数などを稼ぐ動画配信者を引き合いに、「大義は別にあるかもしれませんが、迷惑系ユーチューバーと同等と捉えられても仕方がありません」と説明する。
「長い取材経験を通じて、諸派(法律上の政党要件を満たさない小さな政党や政治団体)の苦労はよく分かります。マスコミにも相手にされないなかでいかに名前を売るかを考えます。そうなると、過激なことをやるのがどうしてもコスパが良くなってしまう」
畠山さんによると、これまでも特定の候補者のもとに対立候補者が訪れ、ヤジや質問をすることはあった。だが、ここまで組織的で長期間にわたって公然と行われるのは異例だという。
「選挙妨害との指摘が選挙妨害」
公職選挙法では「選挙の自由妨害罪」が定められ、候補者に暴行を加えたり、選挙の集会や演説を妨げたりすると4年以下の懲役もしくは禁錮、または100万円以下の罰金に処される。
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東京15区補選で「選挙妨害」と批判続出…警視庁が根本良輔氏陣営に「公選法抵触の可能性」と警告
4/28(日) 21:53配信 読売新聞オンライン
28日に投開票された衆院3補選は、自民党派閥の政治資金規正法違反事件など「政治とカネ」の問題が逆風となり、自民は、唯一候補を擁立した島根1区で敗れ、ほかの2選挙区の「不戦敗」と合わせ、全敗の結果に終わった。
衆院東京15区(江東区)補選では、ある諸派新人の陣営が、他の候補者の街頭演説中に大声を張り上げるなどし、「選挙妨害だ」との批判が続出した。この陣営は「候補者に認められた合法な行為だ」と主張するが、警視庁は公職選挙法に抵触する可能性があるとして警告を発出。国会で対策が議論される事態になっている。
問題となったのは、政治団体「つばさの党」の根本良輔氏(29)の陣営。告示日の16日には、JR亀戸駅前で行われた無所属の乙武洋匡氏(48)の第一声に現れた。選挙カーのクラクションを鳴らし、乙武氏らの演説にかぶせるように「どの面下げて立候補しているんだ」などと声を張り上げた。19日には、豊洲駅付近で諸派の飯山陽氏(48)に向かって「クズ」などと叫び、選挙カーを追いかけ回した。
各陣営は根本氏の陣営との接触を避けるため、演説日程の事前告知をやめたり、回数を減らしたりせざるを得なくなった。江東区の会社員女性(26)は、「各候補の政策を聞きたい有権者にとってマイナスでしかない」と非難した。
公選法は、候補者らに暴行したり演説を妨害したりする行為を「選挙の自由妨害罪」と規定。違反すると、4年以下の懲役か禁錮、または100万円以下の罰金が科せられる。警視庁は18日、聴衆が演説を聞けなくなったなどとして根本氏の陣営に警告を出した。
しかし、つばさの党の黒川敦彦代表は25日、報道各社の取材に「法律で認められている表現や選挙、政治活動の自由の中でやっている」と主張。7月の都知事選に自ら出馬し、同様の行為を行う考えを明らかにした。
こうした行動は、国会でも議論を呼び、22日の衆院予算委員会で岸田首相は「選挙制度の根幹に関わる事柄として、各党、各会派で議論するべき課題だ」と述べた。野党の一部も、公選法改正による規制強化に向けて議論を始める考えを示した。
選挙制度に詳しい白鳥浩・法政大教授は、「選挙活動が妨害されると、候補者の主張を知る権利が侵害される。脅迫や道路交通法違反に該当する行為があれば、警察は選挙期間中でも適切に対処すべきだ」と話した。