クルマの国内販売が落ち込んでいます。このことは、私が日頃訪問する国産および外車ディーラーや中古車販売店における声からも顕著に感じられることです。そんな中、トヨタは今年に入り立て続けに多数の新型車の発売を連発し、新車販売低迷への回復を図っています。しかし、トヨタ以外の他メーカーでは、その体力差もありトヨタの様に新型車を連発することは不可能であり、新車販売の低迷から抜け出すのは容易なことではありません。これでは、益々トヨタの一人勝ちとなってしまい、正直いって面白いことではないと感じられます。自動車産業は間違いなく日本の基幹産業であり、この浮沈が日本の国力を左右しかねないと思われるからでもあります。
さて、ニッサン自動車のことを記します。かのカルロスゴーンの経営手腕によりV字回復を果たしたニッサンですが、ここに来て低迷が目立っている様です。やはり魅力あるクルマが少ないということが根本原因だと思われます。そんなニッサンですが、ここに来て、クルマ好きにとって魅力を感じる1台として新型GT-Rが発表されました。このクルマ自体は販売台数を稼げる車種ではないでしょうが、その性能はポルシェ911ターボを凌ぐものでもあり、世界にニッサンの技術力を象徴するクルマであると感じます。
先日、テレビ東京系の「ガイアの夜明け」という番組で新型GT-Rの開発記のことが放映されていました。発表に先立つ1年前より取材して来たと云います。4年前より開発をスタートした同車へのカルスゴーンの開発への指示は、「欧州の名だたるスポーツカーより早いクルマを作れ」であったと伝えられています。そして、開発総責任者の「水野和敏」は、それに答えるべく情熱を傾け、開発に当たったことが記録されています。その結果として、欧州の名だたるスポーツカーがそのラップライム競う、世界一走行環境が厳しいと云われる独ニュルブルクリンクサーキット(全長20.8km)で、ポルシェ911GT-2(旧型、でも911ターボより早い)のラップタイムを上回るに至ったのです。東京モーターショーの発表式でカルロスゴーンは高らかに云います。「このクルマは日産の情熱の極み」であると。このクルマを象徴として、ニッサンの発展を願いたく感じます。
追記
新型GT-Rの発表により同じく発表されて発売待ちのレクサスIS-Fが早くもチープに感じられます。これだけのスペック差で、GT-Rより10万円しか安くないというのは、IS-Fは高過ぎでありトヨタは儲け過ぎとも感じられます。