私の思いと技術的覚え書き

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この辺りがセダンとしての限界デザインか・・・

2020-03-04 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険
 先日見たマセラティクアトロポルテだが、特にマセラティに思い入れなんかないが、この手の4ドアセダンでスポーティ車を選択するとなると今や、セダンらしさを残した少ないモデルのなると感じられる。

 このことは、以前にも記しているが、現行のレクサスLSとか、もっと酷いのになると現行クラウン(S220系)なんざ、クーペかというデザインで、トヨタおかしいぜと思わざるを得ない。

 ところでセダンとしてのウンチクを記して見るが、クルマのボデー骨格は各種補強が施され一概には断定できないところはあるが、素の状態で考えるとセダンが一番捻り剛性という基本的な強度は高いと云える。その理由は、リヤシートとトランクの間にバルクヘッド(仕切り板)が入っており、これが車体後部の捻り剛性に関与するからだと思う。

 例えば、現在乗っているBMW325ツーリング(E46)だが、同型の325セダンと比べると、左右のワインディングなどで顕著に感じるのだが、車体後部が重いという感というか、極僅かなものだが、リヤタイヤの動きが一瞬遅延する様に感じられる。これは、軸重としてツーリングモデルの方が重いこともあるのだろうが、それより捻り剛性の差異から生じているのだろうと想像している。

 ところで、現在のセダンモデルのトランクリッドの開口部は、ほとんどリヤバンパー至近から開くクルマがほとんどだが、20年位前までだと、トランクリッドは、ほぼ水平面だけが開口し、垂直面となるリヤエンドパネルは溶接系パネルとしてモノコックに一体化されていた。これも車体最後部のバルクヘッドとして、捻り剛性上の配慮から、その様な構成にしていたのだが、利便性とかに配慮し、トランクリッドが垂直面まで伸びる構成に変更されたのだ。なお、リヤエンドパネルを、バンパー高さまで低めたことによる剛性低下は、リヤエンドパネル自体を平断面(ボックス)構造にするとかで、従来以上に剛性は上げているのだが、重量増加は避けられないだろう。ツーリング(ワゴンタイプ)では、バックドアの開口部に当たる周辺部をロの字型に平断面構造とすることで、捻れ剛性を確保している。しかし、リヤサスペンション支持付近にはバルクヘッドがないため、セダンに比べると、この付近での捻り剛性は低下せざるを得ないのだろう。



 以下は従前きしたセダン考の関連記事。

セダンよ何処に行った・・・ 2018-07-03
https://blog.goo.ne.jp/wiseman410/e/844267922882ebd1df649876021c6166

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