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787、主翼と胴体接合部の検査不正か FAAがボーイング調査

2024-05-08 | コラム
787、主翼と胴体接合部の検査不正か FAAがボーイング調査
5/8(水) 17:25配信 Aviation Wire

 ボーイング787型機の品質問題で、主翼と胴体の接合部分に対する必要な検査が一部の機体で完了していない可能性があるとして、FAA(米国連邦航空局)は現地時間5月6日から調査を始めた。FAAは、ボーイングの検査状況や従業員による記録改ざんの可能性を調査している。

 当紙が入手したボーイングの社内メールによると、787の最終組立工場があるサウスカロライナ州ノースチャールストンの「BSC(ボーイング・サウスカロライナ)」で問題が発覚。787の主翼と胴体の接合部の適合性検査で、不正とみられるものを従業員が発見して上司へ報告したことにより、経営幹部が事態を把握したという。

 787プログラムの責任者であるスコット・ストッカー氏は、「何人かが必要な検査を実施せず、作業を完了したと記録し、会社の方針に違反していた」と、BSCの従業員へ宛てた電子メールで内部通報があったことを説明。「監督官庁に報告し、是正措置を講じている」としている。

 ストッカー氏は「我々のエンジニアリング・チームは、今回の不正行為が飛行の安全性に関わる問題をただちに引き起こすものではないと評価している。しかし、製造工程にある機体は、順番に検査を実施する必要があるため、私たちの顧客や従業員に影響を与えることになる」と、今後の787の納入に影響が及ぶ可能性を示唆した。

 FAAは「ボーイングは製造中のすべての787を再検査し、運航中の機体への対応計画も策定しなければならない」とコメントした。

 787の最終組立工場は、現在はノースチャールストンのBSCのみ。かつては2拠点あり、ワシントン州シアトル近郊のエバレットでも製造していたが、2021年3月にBSCへ集約した。2007年にエバレット、2010年に第2工場となるノースチャールストンが稼働。787は標準型の787-8、長胴型の787-9、超長胴型の787-10の3機種で構成され、2拠点時はエバレットで787-8と787-9、ノースチャールストンでは3機種すべてを製造する体制だった。2017年3月31日に初飛行した787-10の製造は、当初からノースチャールストンのみ。

 3月末時点の787の受注残は、787-9が586機でもっとも多く、787-10が168機、787-8が35機の計789機。納入済みの787は計1123機で、787-9が半数以上を占める629機、787-8が396機、787-10が98機となっている。Tadayuki YOSHIKAWA


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