カーボンニュートラルとZEV
最近聞かれるカーボンニュートラルの意味を改めて記してみたい。
これは、すなわち温室効果ガスであるCO2(二酸化炭素)の排出量を、森林など植物はCO2を吸収する効果があるので、合わせてニュートラル(中立)させようということだ。
ここで、強調しておきたいこととして、自然エネルギーを100%にするなどと軽はずみなことを宣う政治家がいるが、そもそも太陽電池を増やすために、森林伐採をしてまで行うことの無意味さを知れと思うところだ。何れにしても、自然エネルギーを高めることを否定はしないが、太陽光発電は早晩限界が来るし、むやみに増やすと自然環境の破壊に至ると考えられる。
ここで、従来の石油系燃料はガソリン、軽油、プロパンガスなどがあるが、何れもHC(炭化水素)であると云うことで、カーボン(C)を含むので排出ガスとしてCO2を出してしまう。
そこで、ZEV(ゼロエミッションビークル:排出ガスなし自動車)という思想が、EUではなく米カルフォルニアで生まれた訳だが、排出ガスゼロだとEVかFCVとなると云うことで、ECはそれに習ってイギリスを先頭に政府が切り替えを宣言した訳なのだ。
しかし、冒頭に記した様に、CO2削減のために、カーボン由来の燃料を燃やしたとすれば、CO2は排出されないことが判る。これが水素(H)だけを燃やす水素燃料エンジン(内燃機関)なのだ。ただ、水素エンジンは、潤滑油のオイルが燃焼することで微量のCO2と高温燃焼することでNOxは生成されるので、その対策は必要となるが、従来の炭化水素(HC)由来の燃料と異なり、排出ガスのほとんどはH2O(水)となる。
今次、トヨタが水素エンジンを改めて開発したかの様に喧伝されているが、このことはかなり以前から知られており、BMWとかベンツ、我が国でもマツダが、水素エンジン(ハイドロジェンエンジンなど)という名称で、実験的に研究とその公表がなされてきた。
しかし、水素は自然界に単体として存在するものではなく、水素単体化の燃料を作るには、水や炭化水素を電気分解するなどして、別途のエネルギーを使用して生成することが必要となる。
それと、エネルギー密度を高めるためには、液体水素化するのは、水素の沸点は-253℃と極めて低く、その保管には断熱性を高めた特殊な容器が必用になるし、沸点を超えると極めて高い蒸気圧が生じるので、断熱構造を持たない通常の高圧ボンベ(
タンク)に保管することはできない。従って、自動車用などとして使う水素タンクは、できるだけ高い圧力で気体として圧縮保管するが、現状トヨタのFCV用に開発されたもので70MPa(713kg/cm^2)と云うところの様だ。
ということで、容易に液化保存できないと云うことはエネルギー密度が、HC由来の液体燃料に比べ小さく、持続運転時間(航続距離)が小さいということになる。
ちなみに、宇宙ロケットの燃料としては、液体水素と液体酸素が使用されるが、極めて危険で、発射直前に充填し、比較的短時間の大量燃焼により高出力を得て、ロケットを大気圏外まで加速する。
最後に、ZEVとかEUの規制において、本来目的としてCO2の削減であるのにも関わらず、水素エンジンが除外されているのは、誠に不思議と云ってよい分類のしかただと思える。
さらに追記すれば、非原潜しか作れない日本の潜水艦において、燃料電池の燃料として、液化水素と液化酸素を使用した燃料電池の使用が検討されたという経緯があるらしいが、極めて危険過ぎて、断念されたと云う経緯があるらしい。
最近聞かれるカーボンニュートラルの意味を改めて記してみたい。
これは、すなわち温室効果ガスであるCO2(二酸化炭素)の排出量を、森林など植物はCO2を吸収する効果があるので、合わせてニュートラル(中立)させようということだ。
ここで、強調しておきたいこととして、自然エネルギーを100%にするなどと軽はずみなことを宣う政治家がいるが、そもそも太陽電池を増やすために、森林伐採をしてまで行うことの無意味さを知れと思うところだ。何れにしても、自然エネルギーを高めることを否定はしないが、太陽光発電は早晩限界が来るし、むやみに増やすと自然環境の破壊に至ると考えられる。
ここで、従来の石油系燃料はガソリン、軽油、プロパンガスなどがあるが、何れもHC(炭化水素)であると云うことで、カーボン(C)を含むので排出ガスとしてCO2を出してしまう。
そこで、ZEV(ゼロエミッションビークル:排出ガスなし自動車)という思想が、EUではなく米カルフォルニアで生まれた訳だが、排出ガスゼロだとEVかFCVとなると云うことで、ECはそれに習ってイギリスを先頭に政府が切り替えを宣言した訳なのだ。
しかし、冒頭に記した様に、CO2削減のために、カーボン由来の燃料を燃やしたとすれば、CO2は排出されないことが判る。これが水素(H)だけを燃やす水素燃料エンジン(内燃機関)なのだ。ただ、水素エンジンは、潤滑油のオイルが燃焼することで微量のCO2と高温燃焼することでNOxは生成されるので、その対策は必要となるが、従来の炭化水素(HC)由来の燃料と異なり、排出ガスのほとんどはH2O(水)となる。
今次、トヨタが水素エンジンを改めて開発したかの様に喧伝されているが、このことはかなり以前から知られており、BMWとかベンツ、我が国でもマツダが、水素エンジン(ハイドロジェンエンジンなど)という名称で、実験的に研究とその公表がなされてきた。
しかし、水素は自然界に単体として存在するものではなく、水素単体化の燃料を作るには、水や炭化水素を電気分解するなどして、別途のエネルギーを使用して生成することが必要となる。
それと、エネルギー密度を高めるためには、液体水素化するのは、水素の沸点は-253℃と極めて低く、その保管には断熱性を高めた特殊な容器が必用になるし、沸点を超えると極めて高い蒸気圧が生じるので、断熱構造を持たない通常の高圧ボンベ(
タンク)に保管することはできない。従って、自動車用などとして使う水素タンクは、できるだけ高い圧力で気体として圧縮保管するが、現状トヨタのFCV用に開発されたもので70MPa(713kg/cm^2)と云うところの様だ。
ということで、容易に液化保存できないと云うことはエネルギー密度が、HC由来の液体燃料に比べ小さく、持続運転時間(航続距離)が小さいということになる。
ちなみに、宇宙ロケットの燃料としては、液体水素と液体酸素が使用されるが、極めて危険で、発射直前に充填し、比較的短時間の大量燃焼により高出力を得て、ロケットを大気圏外まで加速する。
最後に、ZEVとかEUの規制において、本来目的としてCO2の削減であるのにも関わらず、水素エンジンが除外されているのは、誠に不思議と云ってよい分類のしかただと思える。
さらに追記すれば、非原潜しか作れない日本の潜水艦において、燃料電池の燃料として、液化水素と液化酸素を使用した燃料電池の使用が検討されたという経緯があるらしいが、極めて危険過ぎて、断念されたと云う経緯があるらしい。