金融庁への意見をWeb上から意見提出
金融庁(と云うか現在のIT社会では何処の省庁および地方自治体にも同様の受付窓口がある)には、金融サービス利用者相談室ウェブサイト受付窓口(以下リンク)があり、意見、要望、質問などが行えることになっている。
https://www.fsa.go.jp/opinion/
実のところ、このところ先月から今回を入れて4回の意見を述べているのだが、今回は今日本日(6/25)送信した内容を公開するものだ。
なお、この文書は、本ブログ記事6/24「金融庁が修理工賃へ独自アンケートを出状した件」の内容に準じたものとして記すものだ。
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表題:金融庁が事故車の修理単価の実態調査を行うと云う報に思う その4
本文:
従前、私は5/24、6/5、6/19と貴省へ損害保険会社と整備工場の問題に関わる事項として意見を記して来ていまして、今回で4回目の意見となります。
近日、貴省が日車協連経由で、個別単組(県別の車体共同組合)に対して、個別工場向けのアンケート形式への記入と提出を求めているという情報を得ております。このアンケート内容および出状団体様などについて、いささか感じる懸念について記させて戴きます。
これは私の想像とはなりますが、今次の貴省発のアンケートですが、6/21の日刊自動車新聞などで報じられた日車協連が損保と30年ぶりに団体交渉を申し入れたに対する反応としては、あまりにも拙速と感じられます。従いまして、失礼ながら貴省の思惑としては、世の様々な業種において、諸物価高騰する中、損害保険会社が中小零細の保険金受け取り者に対し適切な保険金として物価高騰に際し適切な値上げなど配慮をしているかの視点であろうかと想像します。また、前回のその3でも記しましたが、本来当事者損保で解決すべき問題を自主解決できずに推移しているビッグモーター保険金過剰請求支払い問題への解決への方向付けという性格も含んでいるのかとも想像します。
そこで、今般のアンケート内容を眺め意見させてもらいますが、個別修理工場と損保間にはどんな問題があるのかという、主に料金関係の不満として質す設問となっていることは理解できるところです。ただし、うがった見方かもしれませんが、貴省としては、個別工場の料金不満だけをもって、例えば昨年対比で今年4月以降の値上げ率のグラフを作り、どのような値動きになっているかを明示し、損保には物価高騰に対する配慮が欠けているじゃないかとか、工場にはそこそこ損保の配慮もなされているじゃないかなどと、結論付け終局を狙うと云う方向付けなのではないのかとも想像されてしまいます。ここで、同アンケート眺め、気になる点を3点に絞り以下に記してみます。
問題1
アンケート項目として、料金の不満というものを工賃単価(対応単価)だけに注目している様に見えるが、料金とは指数(もしくは工数)×工賃単価で決まるもので、日本の実情としては、8、90%も普及してしまった指数の問題があまり意識されていない様に感じる点は、思考として抜け落ちている様にも感じるところです。つまり、ここで云いたいのは、料金問題は単価の問題だけでなく、指数の値が、妥当性や合理性に適っているかという問題を意識する工場も多いことを知って戴きたく思うのです。
ちなみに米国では、指数に相当する工数策定機関が民間会社(ミッチェル社とモーター社)として存在するのですが、これらの企業は損保資本とは関係ない企業です。日本の指数策定機関は、(株)自研センターという企業となりますが、全額損保の出資で創業され運営されている企業です。さらに、私は過去に、指数と米ミッチェル社工数の同一作業について、その乖離を試算集計していますが、サンプリングした全項目平均で、指数と米ミッチェル社工数は、2.1倍ミッチェル社工数が大きな値となっていることを確認しています。
問題2
産業廃棄物処理費用ですが、近年修理工場側の実負担として高騰化しつつ、修理工場経営に影響を与えていることは修理業界としては意識されている問題です。この件ですが、損保は自動車修理以外の建築土木工事に対しては同損害請求に目くじら立てませんが、自動車修理工場に対しては、産業廃棄物処理費用は単価に含まれるという理由付けで決して認めようとない問題のことは、今回のアンケートにはありません。これについては、自由記入欄に記せば書けるのでしょうが、記入する工場の意識の問題もあり何処まで工場側の不満を汲み取れるのだろうかとも思えますので、ここで同問題があるということを知って戴きたく思います。
問題3
アンケート設問の中に、「同じ作業を行った場合に、保険利用と個人負担で料金に差がありますか?」という様な設問があります。これついては、アンケート回答者として、修理の受託とか実務を知らない者が集計するという意識を十分持ち回答しなければならない問題だと思えます。
一般論として一定のモラルを持つ工場なら、保険だろうが個人負担だろうが、同じ修理なら料金は同じが当たり前だろうと回答する場合もあるのかもしれません。しかし、これは工場側と云うよりユーザー感情が大きく影響を与える問題を内在していることを、多くの工場なら理解することでしょう。つまり、自己負担のないユーザーは、得てして最高の修理品質を求めるという極当たり前の心情があると考えるべきです。その点、修理を受託する工場も、あまり極端な場合は、諫めたり説得するのですが、やはり顧客の希望を無視はできかねるということになりがちな点はあるでしょう。従って、この設問を集計し、修理工場は保険修理で実費修理より高い報酬を得ているかの様な結論付けは意味をなさないと想像できます。
まとめ
今回の金融庁発のアンケートですが、現在のところ、日車協連を通じて傘下の個別単組に降ろされており、その提出先は金融庁だと聞いておりますが、そもそもアンケート設問に日車協連は関わっていないように見えてしまいます。
それと、アンケートは日車協加入工場には基本的に流れることと思いますが、実のところ日車協の組織率は低く、全国あまたの未加入工場とか、もっと端的に記せば、板金工場でなく整備工場にもアンケートが流れる工夫を是非して戴きたいと思えます。
金融庁(と云うか現在のIT社会では何処の省庁および地方自治体にも同様の受付窓口がある)には、金融サービス利用者相談室ウェブサイト受付窓口(以下リンク)があり、意見、要望、質問などが行えることになっている。
https://www.fsa.go.jp/opinion/
実のところ、このところ先月から今回を入れて4回の意見を述べているのだが、今回は今日本日(6/25)送信した内容を公開するものだ。
なお、この文書は、本ブログ記事6/24「金融庁が修理工賃へ独自アンケートを出状した件」の内容に準じたものとして記すものだ。
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表題:金融庁が事故車の修理単価の実態調査を行うと云う報に思う その4
本文:
従前、私は5/24、6/5、6/19と貴省へ損害保険会社と整備工場の問題に関わる事項として意見を記して来ていまして、今回で4回目の意見となります。
近日、貴省が日車協連経由で、個別単組(県別の車体共同組合)に対して、個別工場向けのアンケート形式への記入と提出を求めているという情報を得ております。このアンケート内容および出状団体様などについて、いささか感じる懸念について記させて戴きます。
これは私の想像とはなりますが、今次の貴省発のアンケートですが、6/21の日刊自動車新聞などで報じられた日車協連が損保と30年ぶりに団体交渉を申し入れたに対する反応としては、あまりにも拙速と感じられます。従いまして、失礼ながら貴省の思惑としては、世の様々な業種において、諸物価高騰する中、損害保険会社が中小零細の保険金受け取り者に対し適切な保険金として物価高騰に際し適切な値上げなど配慮をしているかの視点であろうかと想像します。また、前回のその3でも記しましたが、本来当事者損保で解決すべき問題を自主解決できずに推移しているビッグモーター保険金過剰請求支払い問題への解決への方向付けという性格も含んでいるのかとも想像します。
そこで、今般のアンケート内容を眺め意見させてもらいますが、個別修理工場と損保間にはどんな問題があるのかという、主に料金関係の不満として質す設問となっていることは理解できるところです。ただし、うがった見方かもしれませんが、貴省としては、個別工場の料金不満だけをもって、例えば昨年対比で今年4月以降の値上げ率のグラフを作り、どのような値動きになっているかを明示し、損保には物価高騰に対する配慮が欠けているじゃないかとか、工場にはそこそこ損保の配慮もなされているじゃないかなどと、結論付け終局を狙うと云う方向付けなのではないのかとも想像されてしまいます。ここで、同アンケート眺め、気になる点を3点に絞り以下に記してみます。
問題1
アンケート項目として、料金の不満というものを工賃単価(対応単価)だけに注目している様に見えるが、料金とは指数(もしくは工数)×工賃単価で決まるもので、日本の実情としては、8、90%も普及してしまった指数の問題があまり意識されていない様に感じる点は、思考として抜け落ちている様にも感じるところです。つまり、ここで云いたいのは、料金問題は単価の問題だけでなく、指数の値が、妥当性や合理性に適っているかという問題を意識する工場も多いことを知って戴きたく思うのです。
ちなみに米国では、指数に相当する工数策定機関が民間会社(ミッチェル社とモーター社)として存在するのですが、これらの企業は損保資本とは関係ない企業です。日本の指数策定機関は、(株)自研センターという企業となりますが、全額損保の出資で創業され運営されている企業です。さらに、私は過去に、指数と米ミッチェル社工数の同一作業について、その乖離を試算集計していますが、サンプリングした全項目平均で、指数と米ミッチェル社工数は、2.1倍ミッチェル社工数が大きな値となっていることを確認しています。
問題2
産業廃棄物処理費用ですが、近年修理工場側の実負担として高騰化しつつ、修理工場経営に影響を与えていることは修理業界としては意識されている問題です。この件ですが、損保は自動車修理以外の建築土木工事に対しては同損害請求に目くじら立てませんが、自動車修理工場に対しては、産業廃棄物処理費用は単価に含まれるという理由付けで決して認めようとない問題のことは、今回のアンケートにはありません。これについては、自由記入欄に記せば書けるのでしょうが、記入する工場の意識の問題もあり何処まで工場側の不満を汲み取れるのだろうかとも思えますので、ここで同問題があるということを知って戴きたく思います。
問題3
アンケート設問の中に、「同じ作業を行った場合に、保険利用と個人負担で料金に差がありますか?」という様な設問があります。これついては、アンケート回答者として、修理の受託とか実務を知らない者が集計するという意識を十分持ち回答しなければならない問題だと思えます。
一般論として一定のモラルを持つ工場なら、保険だろうが個人負担だろうが、同じ修理なら料金は同じが当たり前だろうと回答する場合もあるのかもしれません。しかし、これは工場側と云うよりユーザー感情が大きく影響を与える問題を内在していることを、多くの工場なら理解することでしょう。つまり、自己負担のないユーザーは、得てして最高の修理品質を求めるという極当たり前の心情があると考えるべきです。その点、修理を受託する工場も、あまり極端な場合は、諫めたり説得するのですが、やはり顧客の希望を無視はできかねるということになりがちな点はあるでしょう。従って、この設問を集計し、修理工場は保険修理で実費修理より高い報酬を得ているかの様な結論付けは意味をなさないと想像できます。
まとめ
今回の金融庁発のアンケートですが、現在のところ、日車協連を通じて傘下の個別単組に降ろされており、その提出先は金融庁だと聞いておりますが、そもそもアンケート設問に日車協連は関わっていないように見えてしまいます。
それと、アンケートは日車協加入工場には基本的に流れることと思いますが、実のところ日車協の組織率は低く、全国あまたの未加入工場とか、もっと端的に記せば、板金工場でなく整備工場にもアンケートが流れる工夫を是非して戴きたいと思えます。