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新たな測定具、果たしてその価値は?

2021-11-28 | 車両修理関連
新たな測定具、果たしてその価値は?
 整備、BP業界向けに、新たな工具や測定具などを見る機会は種々あります。そんな中で最近Netで知った測定具のことを記して評価してみたい。


 この測定具だが、添付写真の上3つに示すものだが、この様な使い方を想定していて、最近のいわゆる自動ブレーキ(衝突被害軽減ブレーキ)車などで、エーミング作業の前提となる、そもそもレーダーセンサーが装着されているフロントエンブレムが車体の中心にあるのかを点検するためのものと想像される。

 しかし、測定具は各種アタッチメントを接続して組み立てる様な構成だが、工具全体としての剛性はどうなんだろうと思ってしまう。しかも、この測定具だと、エンブレムのセンターは計れても、フロント骨格として左右どちらかに振っている様な、つまりアッパーボデーの対角寸法差とか、ロワボデーの対角寸法差は計測できない。それと、そもそもフロントエンブレムの寸法差は判じられても、実測の寸法値が計測できない。

 ここまで読んでくれた、特にBP作業の技能者なら、そんなの従来からある「トラムトラッキングゲージ」であれば総て対応できるし、例えばその寸法がメーカーのボデー修理書に掲載された直線寸法基準値が明確な部位であれば、数値として何mm狂っているか判るだろうに、なんていう下らない測定具だということが判るだろう。

 ちなみに、先の新方式ゲージは15万円(税別)だという。一方、トラムトラッキングゲージは、様々なメーカーから販売されていて、その剛性だとか使い勝手、最大計測寸法などの大きさにより価格差はあるが、一般的なBP工場で実用に耐えるもので5万円という程度のものだろう。

 ここからは想像を交えて記すが、こんな無価値の商品を買うのは、BP工場というより整備工場のしかも現場作業の実際を知らない経営者なんだろうと思ってしまう。


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