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現代損害保険業における不審事案の傾向

2021-09-06 | 事故と事件
現代損害保険業における不審事案の傾向
 元損害保険調査員であり、退職して自営業として過ごしているが、その世間一般の事故だとか、保険金支払についての動向については、様々な報道だとか、Netメディアの論評などから、情報の端緒を見出し、それら事案に内在する潜在的危険という視点で見つめている。

 そもそも、現在は保険会社に直接的に所属している訳ではないので、ロス内容は、損害保険協会の資料などから読み取るしかできないが、長引くデフレ経済不況下で、国内車両登録台数も8200万台をピークに低下する傾向になる中、収入保険料に伸び悩みがある中で、支払保険金は増えつつある傾向の中に、不正事案の内在は増えていると考えて間違いなかろう。

 ここでは、損害保険で云う車両、対物、対人、そして火災保険について、感じていることを記してみたい。

1.車物保険における事例3つ

①車両、対物、対人の関わる保険記詐欺報道例

保険金目的で交通事故を偽装 詐欺未遂で男女4人逮捕【熊本】
8/27(金) 12:40配信 TKUテレビ熊本
 おととし、熊本市中央区で故意に交通事故を起こし保険金をだまし取ろうとした疑いで男女4人が逮捕されました。
詐欺未遂の疑いで逮捕されたのは、熊本市東区西原の飲食店従業員、宮津龍生容疑者(24)と合志市野々島の塗装業、松江祐昌容疑者(25)ら男女4人です。
警察によりますと、4人は共謀し、おととし8月から10月までの間に、熊本市中央区出水で松江容疑者ら3人が乗った軽自動車を停車中の軽自動車にわざと追突させ、
保険金をだまし取ろうとした疑いです。
 保険加入から数日後の事故だったことなどを不審に思った警察が捜査し、逮捕しました。警察は「捜査に支障がある」として4人の認否を明らかにしていません。暴力団関係者が関与しているとみて調べています。テレビ熊本

→このいわゆる作り事故は、私が保険会社の現役調査員だった10年以上前から続いているものですが、昨今巷で僅かに見掛けるアジャスターだとか保険会社担当者の、この種の不正事案を排除しようという職業的正義という意味で、いささか熱意がなくなって来ていることを感じる。

②レッカー費用特約を利用した保険記詐欺事例

車が故障しレッカーで搬送したなどとウソの保険請求 男女3人を逮捕 
7/19(月) 14:45配信 TeNYテレビ新潟

車が故障しレッカーで搬送したなどとウソの保険請求をしたとして自動車販売業の男ら3人が、詐欺の疑いで警察に逮捕されました。

逮捕されたのは新潟市北区の自動車販売業、高橋英雄容疑者(51)、新潟市北区の自動車修理販売業、池田義明容疑者(56)、石川県野々市市の看護師、嶋村桃世容疑者(29)のあわせて3人です。
高橋容疑者は2017年7月、池田容疑者と共謀し自分の使用している車が石川県で故障し、池田容疑者が新潟県内までレッカー搬送したなどと損害保険会社に対し嘘の請求をしてレッカー搬送費用や納車費用の保険金あわせて25万円をだまし取った疑いです。

2人は仕事上付き合いのある業者同士で、2017年10月にも同じ手口で保険金25万円をだまし取った疑いも持たれています。
また、高橋容疑者は嶋村容疑者とも共謀し同様の手口で保険金あわせて40万円をだまし取った疑いでも逮捕されています。警察は捜査に支障があるとして3人の認否を明らかにしていません。

→このいわゆるレッカー費用特約は、私が現役調査員を去った後、保険会社の大合併と、追加担保特約として、対物超過支払い、弁護士費用特約、代車費用特約、そして、このレッカー費用特約などとして、各社が新たに追加したものです。このレッカー費用特約は、使用してもいわゆる等級ダウンがないという性格を持っており、一事故の平均損害額も車物に比べれば低いだろうと思える。しかし、契約者と、レッカー業もしくは整備業とが、グルになって繰り返し行っているだろう氷山の一角として露呈した報道だろうと見ている。

③車両の触媒コンバーターだけが盗まれる盗難事件
なぜトヨタ「プリウス」は狙われる? 日本人気の影であえてプリウスを盗難する世界的理由とは
7/13(火) 7:10配信 くるまのニュース

アメリカやイギリスでとくに多いトヨタ「プリウス」の被害、なぜ?
 盗難されやすいクルマとしてトヨタ「プリウス」が有名ですが、実は日本だけではなく世界中でプリウスの盗難被害が多発しているといいます。

→これについては、私のブログで以下リンク2つで、想定できることを記しています。

・現代の個人的貴金属鉱山業?
https://blog.goo.ne.jp/wiseman410/e/aad199f09b88419b676e8447f0fb3f3a

・触媒コンバーター盗難事件(続記)
https://blog.goo.ne.jp/wiseman410/e/76b57f203423d21da91cd87f42a05a71

 なお、これら部品盗難車両に車両保険が付保されている場合、当然において保険金支払が生じる訳で、車物ロスの悪化を招いているだろう。

2.火災保険の疑義を感じる多数のNetCM
 正直云って、この火災保険において「給付金(実際は保険金)を受けられます。平均給付額100万円、持ち家で築後10年以上の方が対象です。」などというNetCMは、ここのところやけに増えつつあると感じている。

 このことは、国民生活センターの以下リンクページでも、住宅修理のサービスのトラブル事案として報知されている。
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20201001_1.html

 ところが、私が最近の不審業者のNetCMを見ると、最近は不意の訪問販売ではなく、予めNetCMで「新車が買えちゃった」などと顧客の欲得を惹起して釣り、そこで有望顧客宅に出向き、火災鑑定人相当の知識のある者が、住宅のあらゆるカ所を調べ、瑕疵を撮影記録し、見積を積算し、保険会社への保険金請求の仕方を指導する姿が浮かび上がる。

 このことは、火災保険の風水害はあくまで偶然外来性があるものが対象だが、自然損耗と云うべき老朽化した損害をあたかも風水害として、しかも例え風水害に該当するとしても、その状態の経時変化から同時に生じたとは考えられないものまで、一緒に生じたと理由付けした積算見積書が用意されるのだろうと思える。

 また、火災保険は瑕疵発生から3年の時効があるが、そのことも熟知していて、なんやかんやとコメント付けして積算見積は作られるのだろうと思えてくる。

 なお、最近のNetCMでは、損傷診断(査定)までは無料と記しているので、想像だが保険金を受け取った後、成功報酬という形で、その金額にもよるのだろうが、20%~50%程度の請求を行っているのだろう。

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※上記社の中には、担当弁護士が名前と自画像を表し、請求の法的代行も出来る正当性を表しているものまである。添付として、2社のNetCM内容などを付す。


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