リレーアタック初検挙報道に思う

　昨日(7/1)報道（下記）により、リレーアタックによる盗難犯人が初検挙されたと云う。このリレーアタックとは、いわゆるキーレスエントリーと呼ばれる、キーを使用しないでもクルマから離れるだけでキーロックし、近づくとアンロック可能となり、プッシュボタンによりエンジン始動が可能という現代車が当たり前の様に付け出したシステムだ。

　つまり、車両とキーに相当するリモートキー（いわゆる印籠）との間では、絶えず微弱電波によりネゴシエーション（通信動作の確立）動作が繰り返されている。もし、ネゴシエーションが成立すると、車両側は正規のリモートキー保持者がクルマを判断するという判断をし、ドアをアンロック可能にし、プッシュボタンでのエンジン始動が可能になってしまう。しかし、これだけ、WiFiだとかBluetoothなどのネットワーク機器製品が普及し、WiFi電波の延長機器（中継器）までが販売されている時代にあって、幾ら微弱電波で、信号は暗号化されているといっても、実信号をある程度の至近で捉え中継されれば、本人になりすますことが可能だということぐらい開発設計者は判っていたと思える。とんでもない脆弱性を持った機器を、あたかもハイテク機器だと称して搭載していた車両メーカーの責任は大きいと思う。

　それと、これは従前のコラムでも記しているが、プッシュボタンによるエンジン始動と停止だが、ダイレクトな電流断続でなく、ＰＣとかスマホと同様のソフトウェアを介したものであろう。特に停止動作は誤操作防止の意味もあり、走行中などはある程度の長押し動作を行っていると想像させるが、この遅延は暴走事故における回避の妨げにもなる可能性があると想像させる。
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全国初『リレーアタック』検挙…レクサス等を車の鍵の“微弱電波”悪用し盗んだか 47歳男逮捕
7/1(月) 19:04配信 東海テレビ
　自動車のスマートキーの微弱電波を悪用して車を盗む「リレーアタック」で全国初の検挙です。
　逮捕されたのは名古屋市中区の会社役員・南部栄二容疑者（４７）で、今年５月、他の男と共謀し愛知県常滑市の駐車場から、会社員の男性（３５）の高級車レクサスなどを盗んだ疑いが持たれています。
　警察は南部容疑者と共犯の男を逮捕した際、共犯の男が乗っていた車から「リレーアタック」で使われる特殊な機械を見つけたということです。
「リレーアタック」は車のスマートキーから出る微弱電波を悪用して、ドアロックの解除やエンジンを動かす自動車盗の手口で、愛知県警によりますと「リレーアタック」による自動車盗の検挙は全国初だということです。
　警察は南部容疑者の認否を明らかにしていませんが、警察は組織的な犯行も視野に余罪を調べています。
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