私の思いと技術的覚え書き

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プリウスPHVに関連して

2016-08-29 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険
 確か日経BPの情報だったと思うが、販売遅延となっているプリウスPHVについて、その理由がPHVで新たに採用される樹脂製バックドアの歩留まり悪化にありそうだという話である。

 バックドアの断面を示す写真まで付いていて参考になるので添付するが、この様な大面積外板パネルでの樹脂採用は、既にマツダMPVのバックドアとかダイハツウェイクのボンネットなどで採用済みだ。いずれも、樹脂のアウター、インナーそれぞれを金型で成形し、両パネルを接着し一体化し仕上げたものだ。

 今回のPHVでは、カーボンファイバー製だと記しているが、写真を観察すると、インナーパネルの内側表面のみカーボンで、内部樹脂には、少なくとも長尺繊維のカーボンが使用された形跡はない。カーボン短繊維を樹脂に練り込んで成形しているとも考えられる(R35ラジエータサポート等で採用)が、通常のPP基材の樹脂であろう。アウターパネルは、同じくPP基材樹脂であろう。以上の前提で、工法は、樹脂の凹凸型で挟み込むSMCもしくは類似の工法だとは想像するが、インナーパネル表面のカーボンシートにシワなどが生じて見栄えが悪く、商品化できないのではないか。

 そもそも、表面にカーボンシートを1プライだけ貼り込んでも、補強効果は僅かなものだろう。それが完成車となった際、「カーボン繊維で作り強くて軽くなりました」とでも宣伝するのであろうか。もし、トヨタがそんなCM出したら、誇大広告としてJAROに報告して欲しい。


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