自動ブレーキの光りと影(誤検出)
以下のニュースはテスラのことで自動ブレーキが何の前触れもなく突然効くという現象を述べているのだが、実は国産車でも、自動ブレーキ(最近は誤解を怖れ衝突被害軽減ブレーキと呼ぶ)が装着されだした10年近く前から問題にされていた案件だ。
筆者も、そういう機能が装備された複数以上の人物から、そういう話しを聞いているし、ウワサの話しだが阪神高速である地点で、大型車を中心として、その様な自動ブレーキの誤認識が生じることがあると聞く。また、最近スバルのレヴォーグでサプライヤイーを変更した新しいアイサイトシステムに変更されたが、道路標識などを誤認識して自動ブレーキが作動すると云うことでリコール公示がなされている。
筆者は、自動ブレーキが装備されている様な新しい車両に乗ることは滅多にないが、もし走行中に何の前触れもなく、突然急制動が掛かり、停止する様な経験をしたら、何時また同様の情状が現れるかと思うと、そのクルマに乗り続けることが苦痛どころか怖くて乗れなくなると思える。
しかし、この問題、車両製造企業に取っては、自動ブレーキの制御範囲を広げ、様々な事故に対応したいという要求は常にある訳で、裏腹にこの誤検出の問題は何時までも続く様にも感じられてしまう。
--------------------------------------------------------------
テスラ車を突然襲う「ファントムブレーキ」、米NHTSAが調査に本腰
ギズモード・ジャパン 2/24(木) 19:00配信
原因不明の急ブレーキ…噂はかなり前からありました。
暴走カーは後ろにピタッとつかれるのが恐怖だけど、テスラ車は前にいるのも恐怖。なんの前触れもなく勝手に自動で緊急ブレーキがかかっちゃうことがままあります。これがいわゆる「ファントムブレーキ」。
主にオートパイロット使用時に見られる誤認緊急停止ですが、ここ最近は特に多くて、米運輸省道路交通安全局(NHTSA) のサイトにも9か月でのべ354件もの苦情が殺到。とうとう同局は17日木曜、原因究明の調査に正式に乗り出すことを明らかにしました。
調査の対象となるのは、2021年と2022年に発売されたすべてのModels 3とModel Y、計41万6000台です。要するにレーダーがデリートされた後の全車両ですね。
ファントムブレーキという怪現象
ファントムブレーキの問題は、テスラオーナーの間では割とよく知られた現象で、日本でもオンラインのラフなアンケートで過半数が経験済みと回答していますし、「今日はファントムブレーキもなく快適なAP(オートパイロット)でした」な~んて報告が当たり前のように交わされています。
ただ、心の準備はあっても慣れるということはないようで、ITMediaの昨年11月のオーナーレポートにも次のような記述があり、皆さんwithファントムブレーキで頑張っていることがわかります。
とにかく優秀で、この調子でいけば自動運転の実現も間近かと思わせてくれます。
ただし、それが甘い考えであることを思い知らされる場面もあります。たとえば、運転中特に問題ないにもかかわらず、突然強めのブレーキがかかる場合があります。テスラコミュニティーでは、クルマが幽霊を認識したという意味で「ファントムブレーキ」として有名です。筆者は3回経験しました。危機感はありませんでしたがドキッとします。
この問題が外向けにクローズアップされたのは昨年10月のことでした。 自動運転ソフトウェア「Full Self-Driving(FSD)」 をバージョンアップ後、前方警告とファントムブレーキなどの問題が多々判明して、旧バージョンに急遽戻したのが最初。
このようにイーロン・マスクCEOはTwitter上で手短に発表したのですが、「安全にかかわる差し戻しは発生から5日以内にちゃんとリコールの届け出しなきゃダメでしょ!」とNHTSAにお叱りを受けて、リコール申請しました。
10.3ベータ版は問題ありすぎて、ロールバック(旧版に戻すこと)を決断した直接の原因がなんだったかは不明ですが、このリコールを境に、急に苦情が増えたことは事実としてあります。NHTSAにオーナーから寄せられる苦情は、それまで22か月で34件というローペースだったのに、昨年11月には51件に突出。11~1月の3か月だけで107件にも達していますしね。苦情殺到については調査の発表に先立ち、Washinton Postが今月2日付けの記事で報じていました。騒ぎになった以上、安全を管理する当局としても放置しておけなくなったんでしょうか…。
レーダー削除の影響?
車種を見てピンとくる人はピンとくると思いますが、調査の対象となる去年と今年の北米市場版Model 3とModel Yは8つのカメラオンリーです。前方の障害物を認識するレーダー(競合EVの間では自動運転に不可欠というのが常識)は装備されていません。「カメラの方が部品コストが安いのはわかるけど、そんなんで暗がり走れるの?」、「前方車との距離を測る性能が下がって緊急ブレーキに影響出るよ?」と物議を醸した仕様変更でしたので、その辺のことも調べてみるんでしょう。
ずっとGoogle系列WaymoなどのLIDARをこき下ろしてきたイーロン。2019年春のイベントでは自動運転業界すべてを敵に回してこうも語っていました。
「LIDARなんて頼ってるやつは終わってる。あんなセンサ、高いばかりで要らないでしょ。今にわかるよ」(The Verge)
どっちの言うことが正しいのか。綱引きも佳境ですね。Sources: ITMedia, Washinton Post, The Verge, NBC Nw
#自動ブレーキの光りと影(誤検出)
以下のニュースはテスラのことで自動ブレーキが何の前触れもなく突然効くという現象を述べているのだが、実は国産車でも、自動ブレーキ(最近は誤解を怖れ衝突被害軽減ブレーキと呼ぶ)が装着されだした10年近く前から問題にされていた案件だ。
筆者も、そういう機能が装備された複数以上の人物から、そういう話しを聞いているし、ウワサの話しだが阪神高速である地点で、大型車を中心として、その様な自動ブレーキの誤認識が生じることがあると聞く。また、最近スバルのレヴォーグでサプライヤイーを変更した新しいアイサイトシステムに変更されたが、道路標識などを誤認識して自動ブレーキが作動すると云うことでリコール公示がなされている。
筆者は、自動ブレーキが装備されている様な新しい車両に乗ることは滅多にないが、もし走行中に何の前触れもなく、突然急制動が掛かり、停止する様な経験をしたら、何時また同様の情状が現れるかと思うと、そのクルマに乗り続けることが苦痛どころか怖くて乗れなくなると思える。
しかし、この問題、車両製造企業に取っては、自動ブレーキの制御範囲を広げ、様々な事故に対応したいという要求は常にある訳で、裏腹にこの誤検出の問題は何時までも続く様にも感じられてしまう。
--------------------------------------------------------------
テスラ車を突然襲う「ファントムブレーキ」、米NHTSAが調査に本腰
ギズモード・ジャパン 2/24(木) 19:00配信
原因不明の急ブレーキ…噂はかなり前からありました。
暴走カーは後ろにピタッとつかれるのが恐怖だけど、テスラ車は前にいるのも恐怖。なんの前触れもなく勝手に自動で緊急ブレーキがかかっちゃうことがままあります。これがいわゆる「ファントムブレーキ」。
主にオートパイロット使用時に見られる誤認緊急停止ですが、ここ最近は特に多くて、米運輸省道路交通安全局(NHTSA) のサイトにも9か月でのべ354件もの苦情が殺到。とうとう同局は17日木曜、原因究明の調査に正式に乗り出すことを明らかにしました。
調査の対象となるのは、2021年と2022年に発売されたすべてのModels 3とModel Y、計41万6000台です。要するにレーダーがデリートされた後の全車両ですね。
ファントムブレーキという怪現象
ファントムブレーキの問題は、テスラオーナーの間では割とよく知られた現象で、日本でもオンラインのラフなアンケートで過半数が経験済みと回答していますし、「今日はファントムブレーキもなく快適なAP(オートパイロット)でした」な~んて報告が当たり前のように交わされています。
ただ、心の準備はあっても慣れるということはないようで、ITMediaの昨年11月のオーナーレポートにも次のような記述があり、皆さんwithファントムブレーキで頑張っていることがわかります。
とにかく優秀で、この調子でいけば自動運転の実現も間近かと思わせてくれます。
ただし、それが甘い考えであることを思い知らされる場面もあります。たとえば、運転中特に問題ないにもかかわらず、突然強めのブレーキがかかる場合があります。テスラコミュニティーでは、クルマが幽霊を認識したという意味で「ファントムブレーキ」として有名です。筆者は3回経験しました。危機感はありませんでしたがドキッとします。
この問題が外向けにクローズアップされたのは昨年10月のことでした。 自動運転ソフトウェア「Full Self-Driving(FSD)」 をバージョンアップ後、前方警告とファントムブレーキなどの問題が多々判明して、旧バージョンに急遽戻したのが最初。
このようにイーロン・マスクCEOはTwitter上で手短に発表したのですが、「安全にかかわる差し戻しは発生から5日以内にちゃんとリコールの届け出しなきゃダメでしょ!」とNHTSAにお叱りを受けて、リコール申請しました。
10.3ベータ版は問題ありすぎて、ロールバック(旧版に戻すこと)を決断した直接の原因がなんだったかは不明ですが、このリコールを境に、急に苦情が増えたことは事実としてあります。NHTSAにオーナーから寄せられる苦情は、それまで22か月で34件というローペースだったのに、昨年11月には51件に突出。11~1月の3か月だけで107件にも達していますしね。苦情殺到については調査の発表に先立ち、Washinton Postが今月2日付けの記事で報じていました。騒ぎになった以上、安全を管理する当局としても放置しておけなくなったんでしょうか…。
レーダー削除の影響?
車種を見てピンとくる人はピンとくると思いますが、調査の対象となる去年と今年の北米市場版Model 3とModel Yは8つのカメラオンリーです。前方の障害物を認識するレーダー(競合EVの間では自動運転に不可欠というのが常識)は装備されていません。「カメラの方が部品コストが安いのはわかるけど、そんなんで暗がり走れるの?」、「前方車との距離を測る性能が下がって緊急ブレーキに影響出るよ?」と物議を醸した仕様変更でしたので、その辺のことも調べてみるんでしょう。
ずっとGoogle系列WaymoなどのLIDARをこき下ろしてきたイーロン。2019年春のイベントでは自動運転業界すべてを敵に回してこうも語っていました。
「LIDARなんて頼ってるやつは終わってる。あんなセンサ、高いばかりで要らないでしょ。今にわかるよ」(The Verge)
どっちの言うことが正しいのか。綱引きも佳境ですね。Sources: ITMedia, Washinton Post, The Verge, NBC Nw
#自動ブレーキの光りと影(誤検出)