私の思いと技術的覚え書き

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あまりの戦前回帰思想の脅威

2022-12-06 | コラム
あまりの戦前回帰思想の脅威
 今般の岸田総理の、防衛費という戦争準備費の倍増だとか、トマホーク(長射程ミサイル)500本調達(米から)だとか、次々話しが出てきており、報道から伝え聞く論として、なから国会審議も終えたと聞こえるのだが、本当なのかと驚き、呆れ、脅威を感じているところだ。

 この件だが、頭脳なし口から言葉がただ流れる岸田総理が熟慮して仕切ったものでないことは確かだろう。それ以前の約10年前の安倍首相時代(以降安倍と呼び捨てにする)になってから、私は呆れつつ、ムチャクチャ云いやがると思い続けて呆れ果てていたのだが、当時のマスメディアも、多少は伝えるものの報じただけで後のフォローなしで、多くの国民は忘れ去っていると感じる。

 そんな次第で、本ブログでは、この辺りの当時の報道とか、天皇家と安倍の確執に類することを備忘録的にまとめておきたい。

 そもそも、安倍首相は、戦後レジームの脱却と俄に意味判じがたい言葉を何度も繰り返したのが、進めて来た実態、その言行から判じるに、戦争できる国要するに戦前の国家体制に戻したいということだと理解する。そのくせに、現在の日本が、日米安保というより日米地位協定という中で、実態として米国隷下の日本になっている実態については、一切触れないのだ。しかも、好戦的な米国は、先の大戦以後も、世界で戦争に何度も深く関わって来て、欧州諸国が二の足を踏みつつ米国を牽制する中、いち早く米国追認の意思表示をするなど、正にポチぶりをして来たのが、安倍なのだ。

 それとここでは、憲法9条絡みの戦争抑止のことに焦点を絞るが、戦後日本にとって一番の悲劇たる311原発災害だろう。この原子力災害は、憲政史上初という国会事故調を据えられ、同報告書(黒川清委員長)が提出され、同書の冒頭には「この災害は人災である」と結論されている。しかるに、事故後10年ですべてを忘れた如く否定し、既存原発の永久寿命化らしきことや、新規原発を作るなどと云い始めていることに呆れ果てるところだが、ほとんどのマスメディアでは、ただ伝えただけだ。

 さて、先の天皇と内閣の間には、10数年程前の小泉内閣の頃から、ギクシャク感が生じていた。それは、最初は天皇は男子一系だとされたのだが、近い将来にそれでは危機が生じる恐れもありとして、女系天皇もありという問題があった。
 この件は、取りあえず男系跡継ぎとなる方も確保されたことで、現状のままの皇位継承の方針となったと報じられたのが、つい最近(2021年7月)だ。
 何故、こんな話しを引いたというと、下記wikiとして引いた八木秀次というのが、この女系天皇に反対する言説を雑誌に発表していたことがある。その後、安倍の首相時代になって、安倍が憲法改正だとか、右寄り発言を繰り返す中、A級戦犯とされた者に対し「自らの魂を賭して祖国の礎となられた昭和殉難者のみ霊に謹んで哀悼の誠をささげる」などの明らかに異常な右寄り発言をした。この後、先の天皇、皇后は、それぞれ、以下に引用した様に、懸念の思いを伝える言葉を発している。そして、また八木某の「両陛下のご発言が、安倍内閣が進めようとしている憲法改正への懸念の表明のように国民に受け止められかねない」、「宮内庁のマネジメントはどうなっているのか」などとする意見が雑誌に掲載されたのだという。伝え聞くところによれば、八木某は安倍のブレーンだという。

 以上について、実のところ私の天皇観としては、およそ崇拝とか必須とかいう思いは希薄なのだが、その存在を否定しようとまでの思いはない。そういう中で思うのだが、およそ天皇の中で、安倍に限らず世の政治をまともに非難することは控えざるを得ないことは十分承知であろう。それでも、言葉の端々に、懸念が表れたということなのだろうと思う。
 だからではないが、大手マスメディアは、この10年前からの、あまりに異常な安倍発言に、まともに非難して来たかと云えば否だろう。一方、国民も、感心がない者が多いのは理解できるが、それでも危険だなぁとか、ヤバイなぁという思いを持ってマスメディアを見つめていたかとなれば否だろう。現岸田があそこまで、統一教会問題で追い詰められ、そのカウンターたる窮鼠猫を噛むではないが、安倍のテーゼを連続的にその行く末も考えずに口を突いて出たのだろうと思えている。

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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%AB%E6%9C%A8%E7%A7%80%E6%AC%A1_(%E6%B3%95%E5%AD%A6%E8%80%85)
八木秀次 (法学者) wiki
憲法を巡る天皇・皇后の発言に対する発言
 2013年(平成25年)10月20日、美智子皇后は、誕生日にあたってのコメントで五日市憲法草案に言及した]。さらに同年12月18日、明仁天皇が、やはり誕生日にあたってのコメントで「戦後、連合国軍の占領下にあった日本は、平和と民主主義を、守るべき大切なものとして、日本国憲法を作り、様々な改革を行って、今日の日本を築きました。戦争で荒廃した国土を立て直し、かつ、改善していくために当時の我が国の人々の払った努力に対し、深い感謝の気持ちを抱いています。また、当時の知日派の米国人の協力も忘れてはならないことと思います」と述べた。
 これに対し、八木は「両陛下のご発言が、安倍内閣が進めようとしている憲法改正への懸念の表明のように国民に受け止められかねない」「宮内庁のマネジメントはどうなっているのか」と正論2014年4月号で非難している。
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https://rief-jp.org/ct12/46334
安倍首相、A級戦犯含む戦犯追悼の高野山法要で「哀悼の書面」奉納 戦犯を直接追悼 「靖国」より踏み出す(AFP) 2014-08-27
 安倍晋三首相が、4月に和歌山県で行われた第2次世界大戦のA級、BC級戦犯の法要に哀悼の意を伝える書面を送っていたことを27日、法要の主催団体が明らかにした。
 安倍首相が書面を送ったのは、和歌山県の高野山奥の院にある「昭和殉難者法務死追悼碑」での法要。元将校らが主催して4月29日に行われ、約220人が参列した。碑は第2次世界大戦の戦犯とされた約1180人を追悼しており、靖国神社に合祀(ごうし)されているA級戦犯14人も含まれている。
 朝日新聞の報道や参列者2人の話によると、安倍首相は書面で「今日の日本の平和と繁栄のため、自らの魂を賭して祖国の礎となられた昭和殉難者のみ霊に謹んで哀悼の誠をささげる」と述べている。
 この法要は、戦犯としてフィリピンで拘束されながら後に無罪となった故・築野政次氏の呼び掛けで1994年に建立されて以降、毎年行われている。
 菅義偉官房長官は27日の会見で「自民党総裁ということで、総理大臣ではなく、私人としてのメッセージだと思っている」と述べ、政府としてのコメントを差し控えた。また菅官房長官は、東京裁判(極東国際軍事裁判)の結果については、1951年の「サンフランシスコ平和条約において(わが国は)裁判を受諾している」と付け加えた。
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https://www.kunaicho.go.jp/okotoba/01/kaiken/kaiken-h25e.htm
天皇陛下お誕生日に際し(平成25(2013)年)
天皇陛下の記者会見
会見年月日:平成25(2013)年12月18日
 戦後,連合国軍の占領下にあった日本は,平和と民主主義を,守るべき大切なものとして,日本国憲法を作り,様々な改革を行って,今日の日本を築きました。戦争で荒廃した国土を立て直し,かつ,改善していくために当時の我が国の人々の払った努力に対し,深い感謝の気持ちを抱いています。また,当時の知日派の米国人の協力も忘れてはならないことと思います。
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https://www.kunaicho.go.jp/okotoba/01/kaiken/gokaito-h26sk.htm
皇后陛下お誕生日に際し(平成26(2014)年)
宮内記者会の質問に対する文書ご回答
問2 皇后さまは天皇陛下とともに国内外で慰霊の旅を続けて来られました。戦争を知らない世代が増えているなかで,来年戦後70年を迎えることについて今のお気持ちをお聞かせ下さい。
皇后陛下
 今年8月に欧州では第一次大戦開戦から100年の式典が行われました。第一次,第二次と2度の大戦を敵味方として戦った国々の首脳が同じ場所に集い,共に未来の平和構築への思いを分かち合っている姿には胸を打たれるものがありました。
 私は,今も終戦後のある日,ラジオを通し,A級戦犯に対する判決の言い渡しを聞いた時の強い恐怖を忘れることが出来ません。まだ中学生で,戦争から敗戦に至る事情や経緯につき知るところは少なく,従ってその時の感情は,戦犯個人個人への憎しみ等であろう筈はなく,恐らくは国と国民という,個人を越えた所のものに責任を負う立場があるということに対する,身の震うような怖れであったのだと思います。
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https://www.nippon.com/ja/japan-topics/c06110/
上皇陛下と安倍首相:10年越しの「すれ違い」
公益財団法人ニッポンドットコム 2019.05.07
 新天皇の即位とともに「令和」の時代が始まった。 メディア報道は奉祝ムードでいっぱいだが、ここへ至る道は決して平坦ではなかった。上皇陛下が譲位の意向を周囲に語り始めたのは、かなり早い時期だった。その切なる願いの成就までに、長い年月を費やした。安倍晋三首相率いる現政権が、陛下のご意思をせき止めていたからだ。陛下と安倍首相の間には10年越しの「すれ違い」とも言える深くて暗い河があった。
 その歴史的スクープがNHKによって放たれたのは、自民党が参院選圧勝に沸いた直後の2016年7月13日のことだった。当時天皇だった上皇陛下が「生前退位の意向」を示しているという衝撃的なニュースが流れた。宮内庁はすぐさま否定したが、翌日新聞各紙の一斉フォローによって既成事実化し、8月8日には陛下ご自身がビデオメッセージを発表する極めて異例の展開になったことは周知の通りだ。
 これが、上皇陛下サイドが周到に用意した「作戦」だったことは明らかだ。陛下は、第2次安倍政権発足直後から宮内庁を通じて譲位のご意向を伝えていたと言われている。少なくとも15年秋までには宮内庁から官邸にはっきり情報は届いていた。ところが、安倍官邸はこのご意向を棚上げし、公務負担が重いというなら摂政を置いて肩代わりさせることでかわすよう宮内庁に言い含めていたという。「憲法上、譲位は難しい」という理屈も付けられていた。これが安倍官邸の“第1次回答”だった。
 内々に意向を伝えるだけではらちが明かないと判断した上皇陛下サイドが、非常手段に出る。官邸を飛び越え直接国民に訴えることで、譲位への世論をつくる道を選んだわけだ。

見送られた皇室典範改正による「制度改革」
 不意を突かれた官邸の怒りは尋常ではなかった。宮内庁長官の風岡典之氏を更迭し、官邸の内閣危機管理監だった西村泰彦氏を宮内庁次長に送り込む報復人事を行った。だが、直後に行われた各社の世論調査では「ご意向」を支持する意見が軒並み8〜9割に達した。官邸は譲位を認める方向にかじを切らざるを得なくなる。陛下サイドの作戦は見事に功を奏したわけである。
 ビデオを通じて伝えられた上皇陛下のおことばに多くの国民が胸を打たれた。自らが象徴天皇として拓いた道を振り返り、高齢になったことで大切な象徴としての務めを「全身全霊をもって」果たしていくことが困難になるのではという危機感を率直に話された。そして、それは単に公務負担を縮小したり、摂政を置いたりすることでは解決できないとも述べ、「象徴天皇としての務めが常に途切れることなく、安定的に続いていくことをひとえに念じ、ここに私の気持ちをお話しいたしました。国民の理解を得られることを、切に願っています」と締めくくられた。
 憲法を逸脱しないよう注意深く検討されたこの真摯(しんし)なメッセージに対する官邸の“第2次回答”は、「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」を設置して、一代に限り「特例法」で譲位を認めるというものだった。上皇陛下がビデオであれほどかんで含めるように、皇室を将来にわたって安定的に存続させるための恒久的な制度改革としての「譲位」を提起したにもかかわらず、安倍官邸はまたしても「ご意向」を退けたのだ。陛下がビデオメッセージに込められた思いが「公務の負担軽減」などではないのは言うまでもない。

小泉政権下で進んだ「女性・女系天皇」容認論
 官邸の主人(あるじ)である安倍首相と陛下の間に大きな「溝」があることは、もはや誰の目にも明らかだった。「行き違い」の原点は10年以上前にさかのぼる。
 小泉純一郎政権当時、皇位継承問題に危機感を深めた上皇陛下は、今回と同じように宮内庁を通じで内々に「女性・女系天皇」の可能性について打診した。これを受けた当時の小泉官邸は2004年に「皇室典範に関する有識者会議」を設け、女性・女系天皇を認める報告書を出させ、皇室典範改正の準備を整えた。あるベテラン宮内庁記者によると、美智子さまは当時、親しいご友人らに「これで私たちの気持ちも少し楽になりました」と話されていたという。
 ところが、当時官房長官だった安倍氏の周辺から「男系男子による万世一系を守れ」と反対の声が次々と上がった。安倍氏自身もテレビ番組に出演して「ずっと男系できた伝統を変えるのはどうか」といった意見を述べた。結局、06年に秋篠宮家に悠仁さまが生まれたこともあって、小泉政権は皇室典範改正法案の提出を断念し、直後に発足した安倍政権(第1次)が報告書自体を白紙に戻してしまう。
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