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 私の思いと技術的覚え書き

歴史小説、映画、乗り物系全般、事故の分析好きのエンジニアの放言ブログです。

テスラ修理費と米国修理事情

2022-03-23 | 問題提起
テスラ修理費と米国修理事情
 テスラ修理費については、この程度の損傷でその修理費は信じがたいということを、今年1/11の当ブログ記事(下記リンク)でも記していたのだが、今度は米国「Clean Technica」というメディアの記事を見つけたので紹介してみたい。

【過去記事】
このテスラ事故修理が300万とは信じがたい!
2022-01-11 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険
https://blog.goo.ne.jp/wiseman410/e/a68c1fdc688b27d489fe5a84d77f58b5

【「Clean Technica」の記事ソースURL】
テスラモデル3での7,000ドルのダメージは次のようになる
https://cleantechnica.com/2018/05/20/heres-what-7000-of-damage-looks-like-on-a-tesla-model-3/


 この「Clean Technica」の記事を見ると、事故状況は後退時の不注意で左フロントフェンダーを何らかポール状の物(駐車場標識柱)に衝突(というか接触)させてしまったということが記してある。おそらく、ステアリングを右転蛇状態で後退時に、振り出された車体左前部を標識柱に接触された事故だろう。

 損傷写真は、修理前の全景と損傷部位拡大および修理完成後の3枚を添付する。これ見て、およそBP工場のそれなりの技術者なら、何だこの程度の損傷なら、フロントバンパー半脱着、ヘッドライト脱着して、インナーフェンダー外してフロントフェンダー板金できるよなと判断するだろう。また、私の様にボデーリペアのことを判っている者からしても、およそこの程度でフロントフェンダーを板金して新品とまったく遜色なく直せ、しかも塗装範囲として隣接パネルまで塗り込む必用ないことから修理品質上からも板金でやって欲しい(ただし十分な技術力があり取替と遜色なく直せる技量があることは前提となるが)と要請するだろう。




 ところが、当初の見積(プライマリーエステメイト)は、総合計 $6,790(日本円1$=¥118として、約80万円)だ。この内、部品代が$250(¥29,500程度)だから、フロントフェンダーを取替という見積なのは止むないところもあるとして、そのボデー工賃$3,862(約46万円)、塗装工賃$1,650(約20万)、塗装材料費$448(約53千円)とは驚くべき見積(添付図を参照)だ。



 記事によると、該当損保も異議を唱え、結果として$5,756(約68万円)になったというものの、呆れてしまう見積価格(添付参照)なのだ。

 ただ、ここで2つの当初見積と最終修理費見積を比べて見ると不可解なことが幾つかある。それを以下に列記してみたい。

1)部品代は当初の$250が$432に増えているが、おそらく左フロントホイールの取替が入っているのか?と想像した。

2)見積の作業工数も凄いものだと思うが、レートと記されているのが工賃単価(レバーレート相当)だと推察するが、当初が$125(¥14,750)で、最終が$49(¥5,782)と大きな格差があるが、解せないことだ。当初の$125の方が現在の日本の実態より高いが、およそ妥当性があると解釈している。

3)このフロントフェンダー取替にしても板金にしても、およそこのボデーリペア業界の様々な実態を知見する当方の見立てとしては、この総作業日数は2日(部品待ちとか間接時間を除く)という者だろう。実際、ボデーリペア工場の経営者の立場で考えても、最長でもその程度で完成させてくれないことには到底工場経営は成り立たないだろう。

4)前の項で2日(正味作業時間7h×2で14h)と想像するところだが、最終見積工数は43hと私の計るところの3倍の工数が記されているのには驚く。

5)最終見積にmiscellaneous(その他)として、$2,752(約32万円)もの計上がなされているが、何を指しているのかさっぱり理解できない。

6)しかし、工賃単価を約4割レスさせておきながら、総額で約58千円しか下がらない見積額というのも理解しがたい。


#テスラモデル3修理見積から見る不審


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