私の思いと技術的覚え書き

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阪神大震災とシャブコン

2021-09-20 | コラム
阪神大震災とシャブコン
 今から振り返って考えてみれば、26年前となる1995年が、日本の下り坂となる分水嶺となった年だったと思える。この年、1月17日に阪神地域を襲った直下型地震は、被害の範囲こそ神戸地区に集中したが、およそ考えられない巨大コンクリート構造物が破壊する現実を露呈した日だった。それまで、他国での地震による高速道路の高架橋などコンクリート構造物が破壊するニュースを見ても、日本は地震多発国だから、それなりに強度を考えて作られているから大丈夫というのは、正に神話に過ぎないということを証明した。

 そして、続く3月20日の地下鉄サリン事件だ。まさか、首都の地下鉄で、あれほど凶悪なテロ事件が起きるとは、治安の良いと云われる日本で、あの様な怪物集団が生まれ増長していたとは、驚愕すべき出来事だった。

 さて、最近、日本の国家司法(警察、検察、裁判所)を上げて、関西生コン支部という労働組合への弾圧が行われているという事実を、各種資料を見ていく中で、正に不当な弾圧であると確信をますます強めている。

 そんな中で、関西生コンは、労働組合運動として、組合員の処遇改善だけでなく、生コン事業者が世から信頼を受けなければならぬとして、コンプライアンス活動を進めている。その一つに、元請けゼネコンからの料金引き下げ圧力もあり、その手軽な対策として過去からジャブコンという手法が使われている場合があり、その監視活動などもあることを知る。

 シャブコンとは、「コンクリートに適切な量を超えた水を加えたものを指す俗語。いわゆる「シャブコン」については、明確な定義はないが、一般には、工事請負契約において定められた品質に適合するものとして製造された後に加水が行われた生コンクリートを指すものと考えられる。」とされている。

 ここで、生コンクリートは、コンクリート材に用途に応じた骨材(砂利や砂)を加え、そこに適切な水を加えて攪拌することで生コンクリートが作られるが、添付図の通り、C/W比(C:コンクリート、W:水)の比率は、生コンが乾燥硬化した後の強度に直線的に影響することが判る。すなわち、正規の生コンに加水して量を水増しすると、強度の低いコンクリート構造物となると云うことで、関西生コンの主張としては、1970年前後の高度経済成長時代に、元請けゼネコンからの強い値下げ圧力だとか、競合他社間の行き過ぎた料金競争によって、シャブコンが乱造された時代があるとしている。そして、その影響が阪神大震災の悲劇の一因となっていると主張しているのだ。

 この1995年のコンクリート神話の崩壊により、以後の10年近くを掛けて全国の高速道路や鉄筋コンクリート建物の対戦補強工事が進められた。





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【書評】労働組合やめろって警察に言われたんだけどそれってどうなの?(憲法28条があるのに…)
2021-09-12 | コラム
https://blog.goo.ne.jp/wiseman410/e/41f34b2f859f697baaf583b017a3cbac


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