私の思いと技術的覚え書き

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【パーツ研究】アクセルセンサー

2021-03-13 | BMWミニ
 数年前にエンジン始動不能のBMWミニ(R56)を入手していた。始動不能の原因は、当初の狙いと完全に一致しており、カムタイミングのズレ(正確にはチェーンの外れ)であった。

 ということで、該当のカムドライブトレーン関連の最小限の交換必要なパーツとして、各チェーンガイドなどを交換し、カムタイミングも正規の手順に従って調整し組み上げた。

 ところが、クランキングすれども、僅かな初爆感はあれどもエンジンは始動しないのである。エンジンの基本通り、良い圧縮、良い混合気、良い火花の三要素を思考しつつ、見れる限りの場所を点検するも原因確定には至らず。ちなみに、エンジンチェックランプも消灯するし、OBDスキャナでも、DTCエラーはない。

 ということで、特段の在庫車で早急な手当が必用という訳でもなく、そのまま放置していたのだった。ところが、パーツ取りのために購入した同型事故車を入手したこともあり、この事故車の部品を利用して数年ぶりに何とかなるだろうと、関係のありそうな各種部品を付け替えて行ったのだが、エンジン始動不能は解決しない。

 関係のありそうな、直噴用の高圧ポンプや、クランクやカムのセンサー類も交換したが変化がない。そんな中、OBDスキャナのリアルモニター項目で、ペダルセンサーの項目を点検すると、アクセル開度と出力電圧1および2共に出力がないということに思い至った。ただし、現在所持しているOBDスキャナがそもそもリアルモニターが信用しかねるもので、この後アクセルペダル(センサー共)を交換してエンジンは正常に始動して解決したが、それでもアクセル開度などは表示しないのだ。

 詳しくは、添付写真で見比べてもらいたいが、写真の上のものが当初現車に付いていたアクセルペダルで、下がより新しいペダルだ。センシングの原理などは同様の様で、ペダルに連動して動く導体の位置を非接触で検出している様だ。現車のものは、ペダル上部に位置する導体が、ペダルの踏み込みに応じて水平方向に移動する。新しい方式のものは、ペダルの踏み込みに応じて、根元近くの回転式導体が回転することで移動する。

 どちらの方式もセンサー本体は、プリントされた誘導コイル状の部分で、導体の位置を検出している様だ。それぞれ2つのICが使われているが、信頼性確保のため、踏み込み量1と2の別出力を出す方式が取られている様だ。

 ちなみに、概念としては、図のグラフの様に出力電圧1と2は別の値となるが、一定の定数を乗じた相関性がある値になっている様だ。ここで、仮に出力1が2の1.5の係数が正規だとアルゴリズム上で規定していると、それを外れる出力はエラーとして、アイドル回転に持って行くなどの処理になると想像する。何れにしても、出力1および2の相関性が確保された状態で、アクセル開度を検出しているのだろう。







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