私の思いと技術的覚え書き

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入力デバイスのこと

2018-07-04 | 技術系情報
 完全自動運転車が普及する未来には、入力デバイスとしてのステアリングもブレーキペダルもなくなるのかもしれない。しかし、そこ至る過程で、バイワイヤ化は更に進み、入力と出力の間はソフトウェアが介在する制御が増えていくのは間違いないだろう。

 このことは、既にプリウスの回生制動と実制動をミックスするがためのブレーキバイワイヤーでも使用されているし、今後電動パーキングだけでなく、更に高度なスタビリティコントロールなどとして電動式ブレーキ(ブレーキパットをモーター加圧するもの)も近い将来市販化される様子だ。ステアリング系も、すでのスカイラインV36で採用済みで、限界的な操作において評論家の清水和夫に「クルマが何処行くか判らないムチャクチャだ。こういうものが市販されることが信じられぬ」とまで言わしめている。

 しかし、航空機においては、いわゆる機体の姿勢を制御する根本機能である操縦桿(操縦輪)のバイワイヤ化は極当たり前の機能となってる。そもそも戦闘機など、機体自体の自律安定性が著しく低く、バイワイヤ機能を持つが故に、安定して飛べるのだということ書見を読む。大型クレーンなどの操作レバーも、従来だと各スプールバルブを機械的連結で動かしていたのを、バイワイヤ化して操作するのが当然となっている様だ。

 ところで、こういう主装置のバイワイヤ化であるが、反力というのが欠かせないと思ってる。通常のPSでも、よく仕上げられたクルマは、ただ軽いだけでなく、路面との反力をインフォーメーションとして伝えてくれる。これがあるから、前輪がどういう状態であるか判り、安心して飛ばせるのだろうし、自然なフィールを感じ取れるのだろう。先の航空機(ちょっと前に記したハドソン川の奇跡のエアバスA320)でも、サイドステックというバイワイヤ操縦桿で単なる入力デバイスだが、擬似的な反力を生み出す機能が内蔵されているハズだろう。

 さて、つい先日新型レクサスLSの解説駄本のことを記したが、そこで見たシフトレバー付近のタッチパットについて感じることを記して見たい。なお、この駄本には、このことは写真だけで一切触れていない。

 この位置にある入力デバイスとしては、BMWがE60で初採用したiドライブと呼ばれる入力デバイスがある。いわゆるゲームなどに使用されるジョイステックと同様で、円形ノブを前後左右に押したり、左右に回したり、押し下げたりして、モニター上のカーソルを動かしたり決定すのに使用する機能である。これは、類似のものがベンツとか普及している。ところで、この入力デバイスは、日本のアルプス電気という会社の製品だ。BMWの場合、ナビゲーションやオーディオもアルパインという日本メーカーの製品だが、アルパインはアルプス電気の子会社なのだ。

 ところで、新型レクサスのタッチパットだが、指で前後左右や丸書いたり、ポンと押してiドライブと同様の機能を持つと想像するのだが・・・。ノートPCを使ったことがある者なら、同様意見を持つと思うが、あんなモノはマウスが使えない環境で止むなく使うモノで、およそデリケートな操作に馴染まない入力デバイスであると感じるのは同様ではないだろうか。この様な点でも、新型LSをネガティブに眺めてしまう。



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