私の思いと技術的覚え書き

歴史小説、映画、乗り物系全般、事故の分析好きのエンジニアの放言ブログです。

艶やかなオールドカー

2012-02-05 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険
 クルマが好きで映画も好きな方と話していると、昔、それは1960~1980年頃のクルマがカッコイイということで意見が一致するのです。このカッコイイですが、何とも個性的で、艶やかで魅力を感じると云うことでもあります。

 これら年代のクルマを、エンジニアリング面(技術的)で眺めれば、衝突安全ボデーでもないし、それでなくてもボデー剛性は不足気味だし、現代のような電子制御とはまるで縁もなく、全てか機械式の荒い制御で動いていたものでした。絶対性能も、およそ現代のクルマに劣ること甚だしく、キャブレターとか電子進角制御や電子的な吸排気バルブの位相制御もなしです。従って、低速トルクも不足気味ですし、トルクカーブは急峻で、速く走るには的確なギヤを選択し、一定回転以上にエンジン回転を保たねばならぬというドライビングスキルを要求されます。冷間加速時に息付きするのも当然のこと。高速安定性だって、エアロダイナミックスが追求されておらず、車高も高めでタイヤの摩擦係数も低いですから劣ります。制動性能も、前輪ディスクもしくは後輪ディスクもありましたが、現代の高性能カーに比べればディスクの径も厚みも貧弱で、熱容量的に不足しており、超高速からの一気のブレーキングではフェードが甚だしいものだったことは確かなことでしょう。

 それでも、先のオールドカーが魅力あるカッコイイイものと写るのは、決して私ばかりでなく多くの方に共通するものなのです。それは現代乗用車に失われてしまった個性があるからなのでしょう。



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