人不足の整備業という言説への思い
下記の記事だが、運送業だとかさまざまな業種で、人不足という言説がある。
これら問題は給与が低いことが背景にあり、これを改善すれば人不足は解消するのは確かだ。しかし、経営という側面において、利益が出ていない以上、とても給与を上げることはできないというジレンマがあると感じる。
自動車整備業に間して云えば、自動車整備というカテゴリーの市場界規模は5兆ほどあるが、そこに92千工場、55万名(工員+間接員)という要員がいるのだが、一人当り売上で900万円となる。これでは給与年収400万円しか払えないのは当然だろう。
この理由は、原価として工員給与だけでなく工場費、間接員の給与を含めた一般管理費などを要するのだが、利益率が低すぎることにあると感じる。しかも、そこには整備士資格や一定の技能を有した工員が必要となるという宿命もある。
このことが、市場規模5兆あっても大手企業が、自ら大規模整備工場へ直接的な投資をすることが少ない要因で救われている部分もあるのだろう。これは自動車整備業がコンビニの店員みたいに、多くの派遣社員で短期間の教育で育成できる業種ではないことや、それでも利益率が十分見込めないというところにある様に感じる。
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このままだとクルマが直せなくなる! 街の修理工場にいたってはもはや絶望的な「整備士」不足の現状
WEB CARTOP 7/23(土) 7:01配信
ソースURL:https://news.yahoo.co.jp/articles/d232f55ff47136e580596f1fb7baff996ebaabb3
整備士不足が叫ばれて久しい。これは整備士に限ったことではなく、いわゆる体が資本の現場仕事全体に言えることではある。ただ一方で、ディーラーに行けばメカニックはちゃんといて、メンテや修理にも対応してくれるので、それほど深刻なのかとも思ったりする。なんだかんだ人手は足りているのではないか思ったりするが、実際のところはどうなんだろうか。
結論から言うと、超絶的に足りない。まずは単純に働き手となる若者人口が減っているというのがあるし、そのなかで汚れることを嫌う傾向は強い。とはいえ、まったく志望者がいなくなるわけではないし、整備専門学校はいくつもある。
そうなると、少ないパイを奪い合うことになって、大手企業であるディーラーに志望者が流れる。そのあおりを食うのは街の修理工場。よほどのことがない限りは新卒者が就職したいと門を叩いてくることはないし、入庫自体が減っていたり、最新整備への対応が難しいため、売上げが減っていることもあって、もしいたとしても満足な額の給料が払うのは難しかったりもする。
旧車専門店だと、ブームということもあって少しは人気があるようだが、「結局は長続きしないので、採用するのがバカバカしい」という声を聞くことも多い。どこを取って見てもいい話はない。
メーカーが運営する整備専門学校もあるので、比較的ディーラーは人手に関して有利ではあるが、それでも作業量に対して人手は少ない。また、現在は整備計画がち密に組まれていて、それに沿ってドンドンとこなさないとダメだし、メカでもノルマがある。また接客も求められるので、その際はわざわざきれいなつなぎに着替えるなど、手間も多い。そうなると、離職者も多く、残ったメカニックの負担は増えるばかりだ。
対策も取られていて、手間がかかる整備はセンターで行うようになっている。エンジンの積み替えや事故車の大規模な修理などは地域に設けられた整備センターで一括で行うことで、各ディーラー店舗の負担を減らすようにしている。板金塗装もしかりで、予算に合わせて使い分けてはいるようだが、フレーム修正にも対応したセンターが設けられていることが多い。
このように整備に対するフローを変えていくことで、人手不足に対応していこうという試みがなされている。それでも足りないし、何度も言うが街の整備工場レベルでは絶望的。安全装備など最新整備技術への対応もままならず、結局は廃業していくのみというのが現実だったりもする。
ディーラーでしか対応できないような整備が増えていきつつ、ディーラーも人手不足と、どこを取っても見ても明るい兆しはあまり感じられない。一部メーカーのディーラーでは外国人や女性メカの採用も進めているが、どこまで人手不足解消に効果があるのかは、未知数だけに今後の成り行きに注目したい。
#自整業人不足の要因
下記の記事だが、運送業だとかさまざまな業種で、人不足という言説がある。
これら問題は給与が低いことが背景にあり、これを改善すれば人不足は解消するのは確かだ。しかし、経営という側面において、利益が出ていない以上、とても給与を上げることはできないというジレンマがあると感じる。
自動車整備業に間して云えば、自動車整備というカテゴリーの市場界規模は5兆ほどあるが、そこに92千工場、55万名(工員+間接員)という要員がいるのだが、一人当り売上で900万円となる。これでは給与年収400万円しか払えないのは当然だろう。
この理由は、原価として工員給与だけでなく工場費、間接員の給与を含めた一般管理費などを要するのだが、利益率が低すぎることにあると感じる。しかも、そこには整備士資格や一定の技能を有した工員が必要となるという宿命もある。
このことが、市場規模5兆あっても大手企業が、自ら大規模整備工場へ直接的な投資をすることが少ない要因で救われている部分もあるのだろう。これは自動車整備業がコンビニの店員みたいに、多くの派遣社員で短期間の教育で育成できる業種ではないことや、それでも利益率が十分見込めないというところにある様に感じる。
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このままだとクルマが直せなくなる! 街の修理工場にいたってはもはや絶望的な「整備士」不足の現状
WEB CARTOP 7/23(土) 7:01配信
ソースURL:https://news.yahoo.co.jp/articles/d232f55ff47136e580596f1fb7baff996ebaabb3
整備士不足が叫ばれて久しい。これは整備士に限ったことではなく、いわゆる体が資本の現場仕事全体に言えることではある。ただ一方で、ディーラーに行けばメカニックはちゃんといて、メンテや修理にも対応してくれるので、それほど深刻なのかとも思ったりする。なんだかんだ人手は足りているのではないか思ったりするが、実際のところはどうなんだろうか。
結論から言うと、超絶的に足りない。まずは単純に働き手となる若者人口が減っているというのがあるし、そのなかで汚れることを嫌う傾向は強い。とはいえ、まったく志望者がいなくなるわけではないし、整備専門学校はいくつもある。
そうなると、少ないパイを奪い合うことになって、大手企業であるディーラーに志望者が流れる。そのあおりを食うのは街の修理工場。よほどのことがない限りは新卒者が就職したいと門を叩いてくることはないし、入庫自体が減っていたり、最新整備への対応が難しいため、売上げが減っていることもあって、もしいたとしても満足な額の給料が払うのは難しかったりもする。
旧車専門店だと、ブームということもあって少しは人気があるようだが、「結局は長続きしないので、採用するのがバカバカしい」という声を聞くことも多い。どこを取って見てもいい話はない。
メーカーが運営する整備専門学校もあるので、比較的ディーラーは人手に関して有利ではあるが、それでも作業量に対して人手は少ない。また、現在は整備計画がち密に組まれていて、それに沿ってドンドンとこなさないとダメだし、メカでもノルマがある。また接客も求められるので、その際はわざわざきれいなつなぎに着替えるなど、手間も多い。そうなると、離職者も多く、残ったメカニックの負担は増えるばかりだ。
対策も取られていて、手間がかかる整備はセンターで行うようになっている。エンジンの積み替えや事故車の大規模な修理などは地域に設けられた整備センターで一括で行うことで、各ディーラー店舗の負担を減らすようにしている。板金塗装もしかりで、予算に合わせて使い分けてはいるようだが、フレーム修正にも対応したセンターが設けられていることが多い。
このように整備に対するフローを変えていくことで、人手不足に対応していこうという試みがなされている。それでも足りないし、何度も言うが街の整備工場レベルでは絶望的。安全装備など最新整備技術への対応もままならず、結局は廃業していくのみというのが現実だったりもする。
ディーラーでしか対応できないような整備が増えていきつつ、ディーラーも人手不足と、どこを取っても見ても明るい兆しはあまり感じられない。一部メーカーのディーラーでは外国人や女性メカの採用も進めているが、どこまで人手不足解消に効果があるのかは、未知数だけに今後の成り行きに注目したい。
#自整業人不足の要因