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【再掲】疑義事案との闘い(その8)

2021-10-23 | 賠償交渉事例の記録
【再掲】疑義事案との闘い(その8)
初稿2008-09-18
 今回紹介する案件は、保険請求そのものが不正という案件ではないが、対物事故の調査を進める中で、相手車両が盗難車両であったというものだ。その上で、被害者と称する者の請求を拒絶し、正規の所有車へ賠償することとなった。

 車両盗難事故は、この十数年で顕著に増加したが、関係官庁や保険会社の重点的な取り組みもあり近年は減少傾向を示している。しかし、それでも2007年の車両盗難認知件数は約32千件/年間もあるのだ。

 なお、2020年の盗難認知件数(下記参照)は5200件/年と減少しているが、特定の車種が多く盗まれる傾向があり、相変わらず組織的なうごめきが感じられるものだ。
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【参考ブログ】
今、何度目かの盗難車の話
2021-09-12 | 事故と事件
https://blog.goo.ne.jp/wiseman410/e/1aaf242b5022956e319a9b5f05e8e1a2

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 本案件は、対物事故として調査を進める 中、以下のような不審点が見られたのだった。

①事故の相手者は、事故後に被害車両を事故現場近くに置いて置き、カーステレオやナンバーを盗難されたと申告していた。

②相手人物は、暴力団関係者である様子が伺えた。

③相手車損害は80万円以上と大きな事故であるのに、警察への届け出がなされていない。この点を契約者より聴取した所、事故直後に相手方より届けないでくれとの要請があったとのこと。

④契約者より報告のあった相手車の登録番号について、陸運事務所に登録証明を申請したが、未登録の番号とのことであった。

 以上の内容より、現車の車体番号を他損保に契約照会を行い、某損保社に自賠責保険契約の存在を確認できたのだった。登録番号は不明であったが、ユーザー名と車体番号を基に扱い代理店より聴取し、正規の登録番号も判明した。直ちに正規の所有者宅へ連絡聴取した所、3ヶ月程前に自宅にて盗難されていた事実が確認されたのだった。

 以上の事実関係から、正規の登録番号について登録証明を取り付け内容確認の後、所轄警察署へ出向き、盗難車発見の事実と本件経緯等を届け出た。

 その後、正規の所有者に対しては、本件事故による損害に限定して修理費相当を賠償することで決着したのだった。


追記
 本件で感じたこととして警察の対応がある。盗難発生場所と盗難発見場所は県が異なったのだが、まずどちらの県警が担当するのかで一悶着した。また、盗難車の該当警察署までの移送費用を保険会社として負担して欲しいとの発言を受けたこともある。県警別の組織構成となっていることからある程度は理解すことではあが、こんなことで犯罪は取り締まり切れるものかと思う。しかし、民間組織であってもテリトリーの問題絡みで類似のことはありがちな訳だが・・・。


#損害保険#疑義事案


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