私の思いと技術的覚え書き

歴史小説、映画、乗り物系全般、事故の分析好きのエンジニアの放言ブログです。

職人のオリンピック(技能五輪のこと)

2016-10-27 | 沼津そして伊豆周辺
 今から9年前、2007年11月に、技能五輪・世界大会が我が国で開催されたのを、ご記憶の諸兄も多いだろう。当時、開催会場が、静岡県沼津市と至近のこともあり、極めて関心高く開催期間中、数度に渡って訪れた思い出をメモする。

 競技ジャンルは非常に多く、配管工やレンガ積み溶接といった如何にも職人という種目もあれば、コックやパン職人、レストランサービス(ウェイター)から、旋盤やマシニングセンターでの課題製作、電子基板の故障探求やWebデザインまでがあるというぐらい、とてもすべてを見切れないものだった。

 私が熱心に見つめたのは、クルマ関係となる、自動車工、ボデーリペア、ボデー塗装の3競技でした。複数日に及ぶ見学で、副次的に得られたものも多かったと感じている。

 今回は、自動車工の競技風景を写真(001-011)と、若干の勝手な解説を以下に付してみる。

001 自動車工の競技会場の表示プレート。オフィシャルサプライヤーは「バイザイ」。しかし、使用テスターや工具類は、外国製が多く目に付く。 なお、本の競技より、鈑金および塗装の競技に感心が向き、あまり長時間見ていない。

002 多分エンジン系のトラブルシュートを行う使用車両の一つ、フェアレデイZ。各車両共4台づつ並んでいた。

003 ヒュンダイですが車名は知らぬ。パワーウインドウ等のボデー電装系のトラブルシュートの競技が行われている様。

004 フィットですが、4輪アライメントテスター&リフトに乗っていたので、サスペンション系のトラブルシュート競技でしょう。なお、アライメントテスターのメーカーは見逃しましたが、多分ですが独バイスバース社製だろうかな思う。

005 ルノーメガーヌ。リフト上にセットされていますが、どうやらブレーキ系のトラブル競技の様。キャリパーのシールキットの交換等をしていましたので。

006 エクストレイルの海外用車。やはりエンジントラブルでの競技の様だ。なお、写真に写ってる貫禄ある方は、選手ではなく審査員の方で、ダイムラーベンツのガウンを着ていたので、ドイツ人の方らしい。

007 MTミッションのオーバーホールの競技風景。ギヤやシンクロナイザーリングやベアリングを交換していた。遙か昔、結構MTの分解もしたことがありますが、現在の国産乗用車ではATがほとんどだから、あまりお目に掛からない光景かもしれない。

008 エンジン分解と内部の計測を行っているところ。マイクロメーターでピストンの外径を計測しているところ。これら計測も、現在の日本の一般工場では、まずお目に掛からない作業。

009 シリンダー内径をシリンダーボアゲージで計測している風景。ダイヤルゲージの指針を見ながら、最小の指針位置で計測する必要がある作業。

010 ストラットのスプリングコンプレッサーですが、縦型で如何にも作業性が良さそうな工具を使用していた。

011 PCでDVD記録されたマニュアル内容を表示している風景です。今や日本メーカーでも同様のシステムがもちろんあるし、Web上から閲覧する方式も多い。しかし、一般工場にとっては多車種を取りそろえるにはコストを要すから、多車種を揃えるのは難しいものがある。なお、日整連ではファイネスというインターネットを利用した類似の情報提供(有料)を行っている。しかし、メーカーは鈑金整備業に対しても、各車別のボデー修理書を発行している訳ですから、同様のシステムが欲しいもの。












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