私の思いと技術的覚え書き

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ゼロ戦のこと

2017-08-14 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険
 先の大戦直前に完成し量産された単座戦闘機である「零式艦上戦闘機」であるが、だいぶ昔読んだ吉村昭氏の同著を再読しているところだ。機体は三菱航空機(重工)、エンジンは中島飛行機だが、機体の高性能は設計リーダーたる三菱の堀越二郎氏の天才的なコンセプトに負うところが多い様だ。当時の海軍が望んだのは、高い航続距離と同じく高い空戦性能だった。エンジンは高い出力性能を求めたいが燃費の点もあり千馬力級の中島製となった様だ。となると、空力と機体の重量軽減の追及が問題になってくる。これはレーシングカーの設計と共通する内容だろう。

 ちなみに大戦直前の中国戦線から大戦初旬までは、向かうところ敵なしの空戦性能と、爆撃機を援護する遠距離攻撃での運用で活躍した。大戦の中頃、不時着したゼロ戦が米軍により徹底的に分解調査され、修復し飛行性能をテストされたという。そして、機体重量が3トンに満たない軽量さとか、エンジン馬力はそれほどでなくとも、高い上昇力とか運動性能は米軍調査者を驚嘆させたという。しかし、ゼロ戦の弱点も見極められたのだ。それは、機体強度からくる問題だろうが、高速での急降下に弱いこと、エンジンの出力および加給能力にも関係するのだろうが、上昇限度高度が比較的低いこと、およそ防弾防御たる装甲が一切ないことだったという。クルマでいえば、テクニカルサーキットでのライトウェイトスポーツカーみたいな感じだろうか。


ゼロ戦のこと

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