goo blog サービス終了のお知らせ 

 私の思いと技術的覚え書き

歴史小説、映画、乗り物系全般、事故の分析好きのエンジニアの放言ブログです。

なやましいブレーキダスト

2016-11-01 | 車と乗り物、販売・整備・板金・保険
 欧州車に多いことだが、ホイールをきれいに洗っても、ものの100キロも走れば黒ずみ、200キロではかなり酷く汚損してくる。これはディスクブレーキのダスト(摩耗粉)がなしているのだが、欧州車ではパッドだけでなく同時にディスクローターを摩耗させているため、ダスト量が多いことによるのだろう。
 走り込んだ欧州車のディスクローターを見ると、パットの当たる部位との段差で摩耗量が確認できる。酷いものでは、片面で2mm以上も摩耗していることも珍しくはない。そうすると、ローターの表裏両面で4mmも薄くなっている訳だから、熱容量的にも繰り返しの急制動時に昇温し易く苦しくなって来るであろう。
 過去にこのダストを嫌い、国産の社外ノンダストタイプのディスクパットを装着したこともあったのが、絶対制動力が低下する訳ではないが(十分ロック相当の制動力は出せる)、同じ踏力での減速感が劣る(つまり効かなく)感じるものであった。特に高速から急減速する様な局面において、純正パットの食い込む様に効くという感覚が、かなり薄れてしまうというのが感想だった。
 国産車では、ディスクローターの摩耗から交換するケースはそれ程多くはないだろうが、欧州車ではパット交換2回に1回は交換しなければならないという話も聞く。また、ディスクローターの摩耗量がそれ程大きくない場合でも、平滑さが悪化しますから、パット交換時に交換しないまでもローター研磨機で平滑さを取り戻してから新しいパットに交換するのがベストと思う。でないと、初期当たりが付くまで、ブレーキペダルが深いというか、スポンジー感(ペダルの踏力剛性感が低下)を生じる場合があるということになる。
 これは私見だが、欧州車のディスクローターを摩耗させるという思想は、パットの摩擦係数を増すと共に、FC鋳鉄の高熱ダストをローター本体から引きはがすことで、耐フェード性能を上げることにある様に思える。また、パットと共にディスクローターは消耗部品と考えているのは確かだ。
 パットだけを摩耗させる国産方式が良いのか、パットとディスクプレートの両方を摩耗させる欧州方式が良いのか、日頃の洗車などのメインテナンスや美観の保持と維持費を低減させるなら国産方式となるが・・・。しかし、鉄粉主体で特段の有害物質でないにせよ、ダストを飛散させるということは、誉められることではないだろう。どちらが良いとは、決めかねるがブレーキ性能から選択すれば、欧州方式となろう。

※写真は5年くらい前に載っていたE46のフロントディスクローターを研磨後、ノンダストタイプのパットを装着後のもの。写真は右前輪だが、4輪すべてを行った。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。