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木村忠吾の魅力・鬼平犯科帳

2023-04-06 | 論評、書評、映画評など
木村忠吾の魅力・鬼平犯科帳
 木村忠吾と聞いて、ああ鬼平犯科帳の登場人物の1人と判るのは、池波正太郎ファンの方だろう。
 鬼平犯科帳こと江戸時代の火付盗賊改(あらため)という、江戸町奉行が正規警察機構とすれば、特別警察遊撃隊というべき組織で、凶悪重要犯罪を取り締まるために設立された組織だ。その長官は鬼平こと長谷川平蔵であり、その配下に同心こと警察官に相当する役人がいる。その登場人物たる同心の1人として木村忠吾が存在する設定となっている。

 著者の池波正太郎描く木村忠吾は、色白でぽっちゃりした30才手前の青年で、うさぎまんじゅう似ていることから「兎忠」とか「うさぎ」と呼ばれている。剣の腕も決して褒められるものではなく、結構臆病でもあり、女に対する関心も人一倍強くH好きなのだが、憎めない性格で平蔵に怒り飛ばされながらも可愛がられるというキャラクターで鬼平犯科帳でも数多く登場する同心の一人だ。かといって、忠吾が同心として能力とか正義感が欠落しているということはない。

 木村忠吾の女好きだが、決して美形女を好むのではなく、色黒で顔も到底美形とはいえない女を好むというところが面白い。なお、忠吾の性向はストレート性向であって男色の気はまるでなく、男色浪人に拉致されて、その嫌悪感に辟易する姿が描かれる。


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