つぶやき、遊び・仕事・日常

一日の出来事のあれこれを雑多に記録していきます

SM競合の最前線

2019-03-11 21:25:59 | 日記
平常時でのSM企業同士の競合は、さほど強烈なものではありません。
というのは、SMはブランドチェンジ(ストアチェンジ)がなかなか起きにくいからのようです。
主婦が買い物をするときに、売り場内のどこに何が陳列されているのかが重要で、熟知している買手は、これがために時間短縮が可能です。
つまり時間です、そして価格との見合いで店舗が選択されるようです。
そんな平常時に対し、他社のドミナント地域に新規出店すると苛烈な競合対策が繰り出されます。
今もっとも熱い競合状況の岐阜県東濃エリア&多治見市を観察してきました。

◆SM競合の最前線では今何が起きているのか
 東海エリアの雄であるこの企業の金城湯池である東濃地域に、関西地盤の企業がスーパーセンター業態で殴り込みです。
 この関西企業の店舗開発部門は結構優秀で、かってこの東海の雄も友好関係にあり担当者を研修出向させていたくらいです。
 いつしかそんな関係も薄れ今回の競合状況となったわけで、まあビジネスの世界は厳しいものです。 
 その師匠格が地盤の地域の人口減少に耐えかねて、新たなエリアに進出というわけで、どちらも負けられない一戦です。
 岐阜県関市・中津川市・瑞浪市ときて、今度は多治見市です。

 攻め手も結構大変です。こちらは、東海エリア企業のM&Aを想定して新規に物流センターを新設したものの、破談となり
 本来ベネフィットセンター(利益創出)となるはずのセンターがコストセンター(費用負担)となってしまっています。
 早く店舗を増やしてセンター通過高を上げなければ、自社が赤字を継続して背負ってしまいます。
 つまり、赤字の解消のためには、メーカー&問屋の物流フィーを上げる~センター通過高を増やす~前売りを上げる~店舗を増やす
 この道を続けるしかないのです。

 SMの競合は、守りよりも攻めが圧倒的に有利です。
 これは簡単な理由で、新規出店側は1店舗で安売り競争を掛ければ良く、ドミナント側は複数店舗での対抗が必要となり、
 値下額でみるとドミナント側(守り側)が大きくなり、ダメージも大きいからです。
 そんな厳しい状況でも守り側は、ストアチェンジを避けるための不毛な対策を取り続けます。
 ①冷蔵庫満杯作戦⇒出店側の目玉商品を事前に特売し先に買わせて冷蔵庫を満杯にして買えないようにする。
 ②値くぐり作戦⇒出店側のチラシ価格を下回る価格で販売する(開店チラシを折り込み販売店から入手)。 
 これらの対策はたしかに効果があります。
 しかし、値下げ額はうなぎ登りです。利益はどう?ブランドチェンジさせないためのコストとして適正?

 地頭の良い本部スタッフは、こういう対策を提起した。
 ①冷蔵庫満杯作戦はやめよう、値下げ額が大きすぎる。
 ②値くぐりもやめよう、値下げ額が大きすぎる。
 出店側の特別価格が終了するまで、(1か月~6か月くらい)放置し、やりたいようにさせる(彼らはマイナス粗利)。
 そして、彼らの特別価格が終了したときに(おおむね6か月後)、価格攻勢をかけ顧客を奪還する。
 何年もかけた棚割りや買い回りルートは、多少の価格差でひっくり返せるものではありません。
 彼らの特別価格(リベートを投入した値下げ価格)が終了したときが勝負で、
 この作戦は、非常に合理的です。というか当たり前の作戦です。ただひとつの危惧は・・・
 守り側の社長さんのヘンなプライドだけです。
 
 おい、キューピ-マヨネーズやカゴメソースやシーチキンやチキンラーメンが、相手の方が安いぞ!もっと安く売れ!」。
 そうです、相手の方に安く売らせ、疲弊させているのです。
 この社長さんの、こういったバカげた指示がなければ、特別価格の終了する6か月後からはドミナント側の逆襲が成功するはずです。
 そしてこの競合の最大の勝利者は、いうまでもなく地域の消費者です。
 まちがっても、1社寡占状態にしてはいけません。
 苦しいけれど、競合は競争を生み、消費者利益に繋がるのです・・・