9月27日に長野県と岐阜県にまたがる標高3064mの御嶽山が噴火し多くの被害者を出してしまった。
俺もたまにしか山に登らないけど、山の上にいて突然噴火が起こったらと思うと恐怖を感じる。
4日たった現在も懸命な救助活動が続いているが、無事でいてくれる人が多くいることを祈りたい。
福島県にも常時観測対象になっている「活火山」が3山ある。
「活火山」は現に噴火などの活動がある火山だけを指すのではなく、
「おおむね過去1万年以内に噴火した火山および現在活発な噴気活動のある火山」を活火山と定義しているそうです。
千年、1万年単位で再活動する火山は「長い目」で警戒しないと安心できないという訳です。
福島県の活火山でいうと、
磐梯山は1888年(明治21年)7月15日に水蒸気爆発により噴火し、小磐梯が山体崩壊を起こし、
発生した爆風と岩屑なだれにより北麓の集落が埋没するなどの被害を及ぼし477人の死者を出している。
ほんとうの空がある安達太良山は、
1900年7月17日に沼の平で水蒸気爆発による噴火。
沼の平火口を形成し火砕サージが西側斜面の沼尻鉱山を襲い、死者72名、負傷者10名の被害者を出している。
1996年9月に沼尻登山口から安達太良山に登ったことがあったが、その数日前に沼の平で泥の噴出が見られたとテレビ放送された。
その噴出口は登山道付近にあり、噴出口を覗いて行ったが付近は火山性ガスの臭気が強かったのを覚えている。
この噴出口の近くでは大きな狐が死んでいたので、常時火山性ガスが噴き出ていて危険な場所だったんです。
その一年後の1997年9月15日に安達太良山頂を目指す登山グループが、
登山道から外れて窪地を進んだ時に硫化水素ガスによりグループ4人全員死亡する遭難が起きている。
俺も会社で硫化水素ガスを扱っているので、その恐ろしさは身を持って体験している。
硫化水素の恐ろしさは、濃度が低いときには腐卵臭といって卵の腐ったような臭いがするが、濃度が高くなると臭気を感じなくなり即死する。
ガスは空気より重いので窪地のようなところに滞留し、風が無いときには危険性が増大する。
活火山の山に登るときには火山性ガスの予備知識が必要だと思う。
その遭難が起きてから沼の平を通る登山道は閉鎖された。
俺が愛する吾妻山は、
噴火の恐れがあるのは一切経山に限られている。
一切経山の東南には江戸時代の爆発と言われる旧火口があり、北に隣接する大穴火口では今も噴気活動を続けている。
この大穴火口は1893年(明治26年)に爆発を起こし、
火山調査を担当していた農商務省・地質調査所の技師三浦宗二郎氏と技手西山惣吉氏の二人が、噴出した火山岩に打たれて遭難死している。
その遭難碑を通り一切経山に登っていたが、噴煙が大きくなり火山性ガスが噴出していることから登山道が閉鎖されている。
いつも吾妻に登るときは、浄土平駐車場の車の中に泊まっているが、夜の静かな時に噴煙の噴出する音が大きく響いている。
もしここで噴火が起こったらと思うとぞっとする。
御嶽山でも火山性微動が続いていたというが直前まで噴火の兆候はなかったという。
山はいつも静かなままだということはないだろう。
登山は火山性ガスや噴火だけでなく、地震や気象の急変、登山道の迷いによる生死にかかわる危険性がある。
安易な気持ちで山に登ってはいけないと思う。
いざ、山の中で何かのアクシデントに見舞われたらどうするか?
いつも一人登山の俺も注意しなければならないですね。