山本洋三ブログ
全米をフィールドに年間500店以上のレストランを視察する外食コンサルタント



ウォルマートによる10年ぶりの新業態、
「マーケットサイド」がアリゾナ州に4店同時オープンしました。
『小型化』の潮流に放つ、ウォル流・ミニスーパーマーケットです。

*マーケットサイド@Tempe, AZ



店員さんによると
10月2日(木)にソフトオープン。
グランドオープンは10月4日(土)とのこと。

・・小売のソフトオープンて短いんですね



*アマレット・チーズケーキ($2.88)


さて見学中、何度もまぶたの奥にチラチラと浮かんでは消えたのが
意外にもダラスの「イーチーズ」。
シカゴの「フォックス&オベール」、
LAの「ゲルソンズ」、「ブリストルファームス」、
そしてホールフーズ。
食品小売業における上位業態の色調や断片でした。

極論かもしれませんがマーケットサイドは、
イーチーズの大衆バージョンではないでしょうか

実は、常々わたしが業態開発マンに訴えていることのひとつに、
「真似をしても、真似した相手は超えられない」という原則が
あります。とくに同業態同士でベンチマークをしあうと、
「矮小化」のスパイラルに陥り、
どんどん価値が薄まってしまうのです。
なぜなら同業態とはすでに「省かれたあとの姿」だからです。

そういう意味で、
マーケットサイドには「矮小化」を感じませんでした。
上位業態のエッセンスをトレードオフした結果が
コンパクトな店内に新たな価値として溢れています

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一方、今後比較され続けるであろう
テスコが開発した小型スーパー
フレッシュ&イージーは、
ファーマーズマーケットを無機質な倉庫に落としこんだような店です。
倉庫は倉庫でも、コストコのように
倉庫をモチーフにしたかのような楽しさはなく、
本当の倉庫のような無味乾燥としたスペースです。
ただし、「裸になるまでのトレードオフ」という意味では、
相当に思いきった店ではあります

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両社、表現法が違っていておもしろいですね。
でも狙いどころ(用途と客層)は一緒かな。
方法論が違うということだと思います。

両店の比較は、
外食マンにとっても、参考になる点がたくさんありますね


*ユーチューブから画像をひろってきました:

※FINANCIAL TIMES - Big box stores go small - October 6 2008

---≪テスコ社の小型フォーマット、フレッシュ&イージーの過去記事≫------
*2008-3-23  フレッシュ&イージー

※11年10月21日、マーケットサイドは看板をおろしました。