【大親友・幸子さんとの再会】
前回記事(→・江美さん編『明日カノ』言いたい放題・その2。)の続きです。
読み返してみると、実家に帰ってきてからの江美さんは解釈によっては見事に引き寄せ成功物語を体現したといえるんだなー…としみじみ。
(レターのおかげじゃないよ、江美さんが願って行動したから叶えたんです)
だって、辛い体験かもしれないけど
「仕事の面接8件落ちた」
がなくては大親友の幸子さんとの友情は復活しないから。
江美さんの“なりたい自分ノート”に書かれた“身も心も若い気持ちを忘れずに!”はぜったいに幸子さん無しでは叶えられない夢ですからね。
面接の帰りにコンビニでお酒飲んでいたら(笑)結婚してお母さんになった親友と再会…の流れは、コメント欄読むかぎり多くの読者が不幸描写?と予想したようです。
でも実際はそうでもなくて、再会したら二人はなんの違和感もなくあの頃の友情が大復活します。
エミーもサチコもほんっとうに良い子なんですよー
幸子は素直に
「相変わらずエミーは綺麗だね」
と思って伝えるし、江美も心から
「サチコだって何も変わらないよ、すぐわかったもん」
と返す。
二人が親友なのわかるなあ…。
(なぜそこにうっすらシッチィ=雪さんの虐待母。が入ってこれるのか…外面いいタイプ?)
「結婚とか出産とかすごい、安心できそう」
「あたしからしたらエミーこそ自由でうらやましいよ。
旦那は毎日飲み歩いてるし、子どもたちは反抗期で、お母さんみたいになりたくないなんていうし。
“妻”でも“母親”でもないサチコだった頃、楽しかったなあ」
いくらでも“女同士の醜い争い”“マウントバトル”に持っていけそうな要素を爽やかに、しかし現実的にものともせず二人が解消していく描写が鮮やか!
をのさん(作者)は同性間の友情を本当に美しく描くなあ…。
(若き日のエミー&サチコが矢沢あいさんの『ご近所物語』に出てくるリサとピイちゃんにそっくりなのもまた感慨深い…物語の主人公であり、後に売れっ子デザイナーからブランド社長へと駆け上がるミカコじゃないってのを意識してるのかな?)
かといって理想的にだけ描くんじゃないのが、をのさんの良いところ。
大好きな親友が相手でも
「サチコには家族がいるんだ、いいなあ」
とふと悲しくなるところが省かれず描くのいいよねー。
【合わないバイトから、ホステスへ】
9社目にして、清掃のバイトになんとか合格させてもらえた江美さん。
この仕事は全く合わずに失敗ばかりやらかします。
どんな仕事でもそうですが、容易い仕事も誰にでもできる仕事もこの世にはありません。
それぞれ大変な仕事であり“できる”人しか続けられないもの。
清掃の仕事は江美には“できない”仕事でした。
この合わない仕事を無理やりやってことごとくダメ、な展開に
「もしかしてエミー、発達障害グレーゾーンとかだったりする…?」
と指摘する読者さんがけっこういた記憶。
過集中とか遅刻とか紛失とかね。
その可能性もありますが、人間ストレスがかかる環境にいるとそういうストレス反応は出やすいと言われています。
起きられないのしかり、仕事中なのに頭でぐるぐる考え事してるから全然仕事がすすまない、など。
つくづく、もっと早くにちゃんと辞めますと伝えてから辞められたのなら…と思いますね。
合わない仕事は、仕方がない。
でもそこで連絡無し退職しちゃうと本当に相手は困るじゃないですか。
そうなって当然のブラック会社も世に溢れてるんだけど、ここは連絡して辞めてほしかったなあ
レターももっと言い方あるだろうよ。
つーかそんなこと言うなら、こうなる前にアドバイスしたれや。
江美が仕事辛いって言ってる時点で
「それは仕事を変えてもいいんじゃないでしょうか?」
ってさ。
使えないのに偉そうな言葉で…ぶつぶつ。
このときの言葉選びが界隈あるあるすぎて、ちゃんとア○ブロや教祖系漫画を参考にしたんだなーとしみじみ(笑)。
「ホステスの仕事ならきっと成功します」
というレターのアドバイスを受けて江美自身が探し・応募し・採用されたお店こそ、素晴らしいちえママのお店“スナックちえみ”でした。
江美、レターのおかげなんかじゃないよ…あんたの運と実力だよ…レターのおかげなんて言わないで…って思うけどそれが洗脳。
【江美にとっての三人の女神】
私は、江美物語には江美を助けてくれる三人の女神がいると思っている。
一人はもちろん幸子さん。
「身も心も若い気持ちを忘れずに」
は幸子さんがいてこそ叶えられる夢。
「ウソをつかない自分になる!」
「人に言えない仕事はしない!」
を叶える助けをしてくれるのが、スナックちえみで出会うちえママと先輩年下ホステス・未来ちゃんなのだ。
ちえママと未来ちゃんは、寄る辺なくレターに依存して不安定になっていた江美を現実で生きられるように助けてくれます。
ちえママは第6章まで…どころか、おそらく完結してもこの作品で一番敬愛され尊敬される女性キャラクターかもしれません。
それくらい海千山千で懐が深い良い人なの。
そして未来ちゃんもすごく大切でね、江美はそれまで
「ウソをつかない=バカ正直に全部話す」
としか考えられなくて、仕方がないんだけど嘘をまぜる癖がついていました。
変わりたいと思いつつね。
でも未来ちゃんに
「菜々美さん、素直すぎませんか。
そういうことは言わない方がいいですよ!」
と真っ直ぐに向き合い教えてもらい
「話さないっていう道もあるんだな」
と賢くなった感じ。
けっこう大事なポイントだと思うなー。
ちえママと未来ちゃんの場面はどこをとっても私大好きで、美しいなーって思います。
ぜひ読んでみてほしいな!
【当然のように、邪魔したいレター】
三女神の助けを得て、新しい視点を持ち良く変わっていく江美。
「嘘をつかないって色んなやり方がある」
「若さだけが絶対正義じゃないのかもしれない、年を取ってもいいのかもしれない」
「幸せそうに見える幸子だって、大変なんだから私だけが辛いわけじゃないんだ」
…ってなると、もちろんレターへの依存=重課金×魂吸い取られ。が薄くなっていくもの。
それは断固阻止したいであろうレターは
「運命の男があなたを幸せにしてくれる」
「ちえママに生霊がついてるから、私をちえママに紹介しろ」
などと江美に持ちかけます。
レターのスピリチュアル商法や依存されは同じスピリチュアル好きとしてぜひ単独記事で考察したいんで今はしませんが、江美に幸せになってもらっちゃ困るんだな、とバレバレですね
レターのこしゃくな所業がなければエミーはメガネともタケちゃん(幸子の夫)ともなんら問題が起きなかったのに…!
しかし、江美が“なりたい自分ノート”に書いた夢を叶えるには、レター依存に底付きして一回どん底まで落ちて強く強く
「変わりたい!」
と思う転換点が必須…。
とすると、メガネもタケちゃんと幸子の間で板ばさみ事件も、江美が願いを叶えるための必須イベントだったのかもしれません。
次回でそのへんの話も!
今回はここまで。
読んでくださってありがとうございます
続き書きました!
↓
・江美さん編『明日カノ』言いたい放題・その4。
前回記事(→・江美さん編『明日カノ』言いたい放題・その2。)の続きです。
読み返してみると、実家に帰ってきてからの江美さんは解釈によっては見事に引き寄せ成功物語を体現したといえるんだなー…としみじみ。
(レターのおかげじゃないよ、江美さんが願って行動したから叶えたんです)
だって、辛い体験かもしれないけど
「仕事の面接8件落ちた」
がなくては大親友の幸子さんとの友情は復活しないから。
江美さんの“なりたい自分ノート”に書かれた“身も心も若い気持ちを忘れずに!”はぜったいに幸子さん無しでは叶えられない夢ですからね。
面接の帰りにコンビニでお酒飲んでいたら(笑)結婚してお母さんになった親友と再会…の流れは、コメント欄読むかぎり多くの読者が不幸描写?と予想したようです。
でも実際はそうでもなくて、再会したら二人はなんの違和感もなくあの頃の友情が大復活します。
エミーもサチコもほんっとうに良い子なんですよー
幸子は素直に
「相変わらずエミーは綺麗だね」
と思って伝えるし、江美も心から
「サチコだって何も変わらないよ、すぐわかったもん」
と返す。
二人が親友なのわかるなあ…。
(なぜそこにうっすらシッチィ=雪さんの虐待母。が入ってこれるのか…外面いいタイプ?)
「結婚とか出産とかすごい、安心できそう」
「あたしからしたらエミーこそ自由でうらやましいよ。
旦那は毎日飲み歩いてるし、子どもたちは反抗期で、お母さんみたいになりたくないなんていうし。
“妻”でも“母親”でもないサチコだった頃、楽しかったなあ」
いくらでも“女同士の醜い争い”“マウントバトル”に持っていけそうな要素を爽やかに、しかし現実的にものともせず二人が解消していく描写が鮮やか!
をのさん(作者)は同性間の友情を本当に美しく描くなあ…。
(若き日のエミー&サチコが矢沢あいさんの『ご近所物語』に出てくるリサとピイちゃんにそっくりなのもまた感慨深い…物語の主人公であり、後に売れっ子デザイナーからブランド社長へと駆け上がるミカコじゃないってのを意識してるのかな?)
かといって理想的にだけ描くんじゃないのが、をのさんの良いところ。
大好きな親友が相手でも
「サチコには家族がいるんだ、いいなあ」
とふと悲しくなるところが省かれず描くのいいよねー。
【合わないバイトから、ホステスへ】
9社目にして、清掃のバイトになんとか合格させてもらえた江美さん。
この仕事は全く合わずに失敗ばかりやらかします。
どんな仕事でもそうですが、容易い仕事も誰にでもできる仕事もこの世にはありません。
それぞれ大変な仕事であり“できる”人しか続けられないもの。
清掃の仕事は江美には“できない”仕事でした。
この合わない仕事を無理やりやってことごとくダメ、な展開に
「もしかしてエミー、発達障害グレーゾーンとかだったりする…?」
と指摘する読者さんがけっこういた記憶。
過集中とか遅刻とか紛失とかね。
その可能性もありますが、人間ストレスがかかる環境にいるとそういうストレス反応は出やすいと言われています。
起きられないのしかり、仕事中なのに頭でぐるぐる考え事してるから全然仕事がすすまない、など。
つくづく、もっと早くにちゃんと辞めますと伝えてから辞められたのなら…と思いますね。
合わない仕事は、仕方がない。
でもそこで連絡無し退職しちゃうと本当に相手は困るじゃないですか。
そうなって当然のブラック会社も世に溢れてるんだけど、ここは連絡して辞めてほしかったなあ
レターももっと言い方あるだろうよ。
つーかそんなこと言うなら、こうなる前にアドバイスしたれや。
江美が仕事辛いって言ってる時点で
「それは仕事を変えてもいいんじゃないでしょうか?」
ってさ。
使えないのに偉そうな言葉で…ぶつぶつ。
このときの言葉選びが界隈あるあるすぎて、ちゃんとア○ブロや教祖系漫画を参考にしたんだなーとしみじみ(笑)。
「ホステスの仕事ならきっと成功します」
というレターのアドバイスを受けて江美自身が探し・応募し・採用されたお店こそ、素晴らしいちえママのお店“スナックちえみ”でした。
江美、レターのおかげなんかじゃないよ…あんたの運と実力だよ…レターのおかげなんて言わないで…って思うけどそれが洗脳。
【江美にとっての三人の女神】
私は、江美物語には江美を助けてくれる三人の女神がいると思っている。
一人はもちろん幸子さん。
「身も心も若い気持ちを忘れずに」
は幸子さんがいてこそ叶えられる夢。
「ウソをつかない自分になる!」
「人に言えない仕事はしない!」
を叶える助けをしてくれるのが、スナックちえみで出会うちえママと先輩年下ホステス・未来ちゃんなのだ。
ちえママと未来ちゃんは、寄る辺なくレターに依存して不安定になっていた江美を現実で生きられるように助けてくれます。
ちえママは第6章まで…どころか、おそらく完結してもこの作品で一番敬愛され尊敬される女性キャラクターかもしれません。
それくらい海千山千で懐が深い良い人なの。
そして未来ちゃんもすごく大切でね、江美はそれまで
「ウソをつかない=バカ正直に全部話す」
としか考えられなくて、仕方がないんだけど嘘をまぜる癖がついていました。
変わりたいと思いつつね。
でも未来ちゃんに
「菜々美さん、素直すぎませんか。
そういうことは言わない方がいいですよ!」
と真っ直ぐに向き合い教えてもらい
「話さないっていう道もあるんだな」
と賢くなった感じ。
けっこう大事なポイントだと思うなー。
ちえママと未来ちゃんの場面はどこをとっても私大好きで、美しいなーって思います。
ぜひ読んでみてほしいな!
【当然のように、邪魔したいレター】
三女神の助けを得て、新しい視点を持ち良く変わっていく江美。
「嘘をつかないって色んなやり方がある」
「若さだけが絶対正義じゃないのかもしれない、年を取ってもいいのかもしれない」
「幸せそうに見える幸子だって、大変なんだから私だけが辛いわけじゃないんだ」
…ってなると、もちろんレターへの依存=重課金×魂吸い取られ。が薄くなっていくもの。
それは断固阻止したいであろうレターは
「運命の男があなたを幸せにしてくれる」
「ちえママに生霊がついてるから、私をちえママに紹介しろ」
などと江美に持ちかけます。
レターのスピリチュアル商法や依存されは同じスピリチュアル好きとしてぜひ単独記事で考察したいんで今はしませんが、江美に幸せになってもらっちゃ困るんだな、とバレバレですね
レターのこしゃくな所業がなければエミーはメガネともタケちゃん(幸子の夫)ともなんら問題が起きなかったのに…!
しかし、江美が“なりたい自分ノート”に書いた夢を叶えるには、レター依存に底付きして一回どん底まで落ちて強く強く
「変わりたい!」
と思う転換点が必須…。
とすると、メガネもタケちゃんと幸子の間で板ばさみ事件も、江美が願いを叶えるための必須イベントだったのかもしれません。
次回でそのへんの話も!
今回はここまで。
読んでくださってありがとうございます
続き書きました!
↓
・江美さん編『明日カノ』言いたい放題・その4。