今回も前回の続きです
夢の診療支援システムとは?との問いに
実は、沖縄県立中部病院にいたときに「MAJUN」という電子カルテ開発プロジェクトに参加していました。3年ぐらいの短期間のプロジェクトでした。これは電子カルテの中にAI(人口知能)のような仕組みを入れて、患者データを入力するとガイドラインのどの項目を使ったら良いかということを電子カルテが自動的に考えて、推奨項目がポップアップメニューとして出てくるというものです。
利用できる疾患は尿路感染症と高血圧と咽頭炎の3つだけだったのですが、電子カルテ自体が医師の脳になることをイメージした実験的なプロジェクトです。当時、ITを医療に応用したプロジェクトを公募していたので、それに応募して予算がもらえた時期だけやりました。その後は断念してしまったのですが・・・。
昨年、米国のDEM(Diagnostic Error in Medicine)という学会に参加する機会があったのですが、その時に「イザベル」というCDSS(clinical decision support system)を知りました。これは日本人でもネット上で登録すれば、有料ですが、導入できます。データは米国のものですが、色々な先生が使っているように電子カルテとリンクさせることもできて、症状を入れるだけで鑑別診断ができ、あとは見逃すと危険な診断も出るようになっています。
ただ、米国の疫学データがバックグラウンドになっているので、日米でまったく逆の疫学パターンを示しているものもあってすぐには使えません。ですから、他の先生方が使っているような、ご自身のコミュニティの疫学データがそのまま入っている診療支援システムというのは、すごいなと思います。
本もよろしくです。
今回は以上です、話変わって、22日大阪府立体育会館で行われた、WBA世界フライ級タイトルマッチは、井岡一翔選手が2-0で8度防衛していたアルゼンチンのファン・カルロス・レベコ選手に判定勝ちし、世界最速の三階級制覇を成し遂げました、すばらしいですね、これからも防衛に頑張って下さい、では次回に。