高齢者フィジカルのピットフォールその4
「体温が摂氏1度(℃)上昇毎に心拍数が20/分以上増加する場合→細菌感染症の可能性大」という「デルタ心拍数20ルール」がある。
例えば、普段のバイタルサインでHR 70、BT 35.5の高齢者の場合、発熱を来す疾患でHR 130、BT 37.5のときはHR60上昇/BT2.0上昇=30(⊿HR/⊿BT> . . . 本文を読む
高齢者フィジカルのピットフォールその3
バイタルサイン
高齢者では動脈硬化症があるため、聴診ギャップauscultatory gapを有する患者が多い。
そのため、血圧を測定する場合には、まず触診法で収縮期血圧のみを一度測定してから、聴診法で測定するとよい。
聴診ギャップが大きい患者では、収縮期血圧を低く . . . 本文を読む
高齢者フィジカルのピットフォールその2
脱水の評価
救急室へ来院した高齢者では、脱水の有無をつねにチェックするようにする。
高齢者の総体内水分量は成人に比べてその割合は低く、口渇中枢の機能も低下しており、容易に脱水となりやすい。
体位性低血圧、眼のくぼみ(ヒポクラテス顔貌)、口腔粘膜の乾燥、舌表面の縦走するしわ、皮膚のツルゴール、毛細血管血流回復時間延長、腋 . . . 本文を読む
高齢者フィジカルのピットフォールその1
はじめに
高齢者の身体は単に成人の延長としてとらえると思わぬピットフォールに陥ることがあり、その特有の身体的特徴を理解したうえで身体診察を行う必要がある。また一般に、高齢者の身体診察では多くの有意な所見(陽性所見)を認めることが多く、高齢者の身体診察は豊富な臨床情報が得られる貴重な機会であるといえる。
全 . . . 本文を読む
徹する性質
知的生産の方法として前回は「方法の美徳 」について述べた。
オスラー先生があげた第3番目の方法は「徹する性質quality of thoroughness」、すなわち物事を徹底して行う姿勢である。
臨床医学においては、その土台である基礎科学に関する知識を深めるべきである。
これを見につける努力を行うと判断能力が養われる。
すなわち、優れたものと . . . 本文を読む
方法の美徳
知的生産の方法として前回は「超然の術」をあげた。
今回は「方法の美徳 virtue of method」すなわち知的生産の「システム」についてみてみる。
これは自分自身の毎日の行動の中に知的生産活動をシステムとして組みこむ方法である。
これも100年以上前にオスラー先生が提唱したものである。
約10年前に私は聖路加国際病院に勤務していた。
その頃、日野原重明先生の知 . . . 本文を読む
超然の術
「超然の術」(art of detachment)とは約100年前にウィリアム・オスラー先生が提唱した知的生産術である。
どんな環境の中におかれても、雑念に煩わされることなく、自己を抑制する習慣を持つこと。
どのような状況にあっても、絶えず物事に集中できるという能力。
これにより娯楽や快楽から自らを隔離することが可能になる。
オスラー先生は医学生に対する講演 . . . 本文を読む
知的作業のヒント~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~今回は、効果的な知的作業のための戦略を紹介する。
最新脳理論によって、脳が最高レベルで機能できるような環境と時間設定が重要である。
とくに雑音や中断を避けることが必要。
次のような状況では、生産的な高度知的作業は困難だろう。●飲酒後●睡眠不足●仕事後での夜遅くの作業などで脳が疲れた状態●ノイズが多い環境(電話がガンガン鳴り . . . 本文を読む
【総合的診療を学ぶ特訓ゼミ第3シリーズ】のお知らせです。趣旨:茨城県地域医療支援センター特別講師(JCHO本部顧問)である徳田安春の総合監修により、「臨床推論8番勝負」と題して”実践志向”であり、かつ”グローバルな視点”から、”徹底した臨床推論能力の習得”をテーマとする講義・グループ討議・ケースカンファレンスを行います。概要期 . . . 本文を読む
【総合的診療を学ぶ特訓ゼミ第3シリーズ】のお知らせです。趣旨:茨城県地域医療支援センター特別講師(JCHO本部顧問)である徳田安春の総合監修により、「臨床推論8番勝負」と題して”実践志向”であり、かつ”グローバルな視点”から、”徹底した臨床推論能力の習得”をテーマとする講義・グループ討議・ケースカンファレンスを行います。概要期 . . . 本文を読む