第110回医師国家試験についての緊急座談会
司会T:来年以降の受験者のために、今回の国家試験の傾向を分析してみましょう。座談会形式で進めます。受験者Aさん(関西の大学6年生)と、国試分析で著名な総合系指導医のS先生をお招きしています。まずは、Aさんに感想をお願いします。
受験者A:今年の問題は臨床の現場で考えられるかを問う問題が目立ったと感じました。肺炎球菌性肺 . . . 本文を読む
高血圧は内科、腰痛は整形外科、白内障は眼科、とたくさんの診察券を財布に入れて病院を掛け持ちしている方もいらっしゃると思います。
健康を維持するのも大変ですよね。
最近見つけた老人川柳でこんなのがありました。
「病院を三ヶ所回れる程元気」
確かに元気でなければ複数の病院にかかることはできませんね。
しかし、複数の病院にかかるデメリット、みなさんはご存知でしょうか?
例えばお . . . 本文を読む
専門医の診断に納得がいかないときは、患者はどうしたらよいでしょうか?
もちろん、もう一度説明を求めるような話し合いや、他の医師に相談をすることも重要です。
でもなかなかはっきりしないことはありませんか?
医師は患者の背景や症状から、3Cと言って、最もあり得るような診断(Common : よくみられる)を選び、また見逃すと危険な疾患(Critical : 致死的な)や、治療が可能な(C . . . 本文を読む
かゆみや発疹の原因には様々な病気が隠れていることがあります。
毎日飲む薬の副作用の可能性もあれば、ウイルスなどの感染症が原因のこともあります。
また、ひょっとしたら肝臓の病気が隠れているかも知れません。
一時的なかゆみでしたら、ほとんどの場合は心配ありません。
しかし、かゆみが慢性化したときには、かゆみを取ることだけ . . . 本文を読む
縁起でもないと思われる読者もおられるかも知れません。
でも、人間はいつか必ず死を迎えます。
自分自身や大切な家族がどういった死の迎え方をするのが望ましいのか、考えてみることも必要ではないでしょうか。
現代の医学は肉体(臓器)を治す方向に専門分化し進歩してきました。
その結果、平均寿命も延びました。
しかし、どんな状況でも延命しさえす . . . 本文を読む
日本では人間ドックなどの健診がよく行われています。
しかし、コクラン共同計画という多数の研究論文を評価して総合的判断をする国際的なプロジェクトから、健診の効果を疑問視する結果が報告されています(BMJ 2012,345 e7191)。
ランダム化比較試験16件を対象に、成人の一般健康診断の有益性と有害性を評価しています。
健診未受診群と健診群の全死亡、心血管死、がん死のリ . . . 本文を読む
発熱の原因の多くは比較的簡単にわかります。
のどが痛ければ、咽頭炎、下痢がひどければ腸炎など、熱に体の特定の部分の症状が伴っている場合は、症状がある部位が原因であることが多いのです。
しかし、熱があるだけで、他の症状がはっきりしない、熱の原因の見当がつかないことがあります。
現在の病院は、内科でも呼吸器内科、消化器内科など細かく専門科に分かれていますので、どの科で診てもら . . . 本文を読む
今までに扱った体重減少の中でも、深刻な病気が悪性腫瘍、つまり「がん」です。
がんが発見される時は、健康診断であったり、たまたまの検査で見つかったりと色々なのですが、時にがんに対する強い不安を感じておられる患者さんに出会い、検査を相談されることがあります。
一般的な総合病院にそうした訴えで受診する際は、多くの場合、一通りの血液検査、消化管の内視鏡検査、CTや . . . 本文を読む
2012年1月に米国内科学会が、費用に見合わない価値の少ない検査のリストを公表しています。
例えば、無症状でリスクの低い人に対しての負荷心電図のスクリーニング、
胸部の病気の可能性のない時の術前胸部X線検査、
診察で異常所見のない通常の失神に対する脳CT/MRI検査、
診察正常でレッドフラグの無いいわゆる非特異的腰痛症患者の画像診断などです。
基本的には、1)検査結果 . . . 本文を読む
現在では、少し大きな病院だと、内科でも呼吸器内科、消化器内科、循環器内科など細かく専門科に分かれています。
たとえば、「咳」であれば、気管支や肺が悪いのではないかとある程度の見当がつくので呼吸器内科へ行けばよいかなとわかります。
しかし、「だるい」、「体重が減る」、「熱だけで他にはっきりした症状がない」などの症状の場合、どの科の専門の病気なのかよくわかりませんね。
いろい . . . 本文を読む