一次予防をどう行うか
沖縄県男性の平均寿命順位が急落した主な要因として、欧米型食生活、運動不足、大量飲酒、喫煙、そして自殺の増加などがあげられています。
これに対する効果的な対策として、一次予防としてのポピュレーション戦略を導入することが有効です。
これは、国民全員がその生活習慣を改善するための施策を導入することです。
具体的な例として、以下のことがあげ . . . 本文を読む
ポピュレーション戦略
これまでの古い概念では、「健康人と病人との境界線は明瞭である」とされ、この境界線により、病気(危険因子)のある病人にのみ焦点を絞り、治療や予防介入がなされてきました。
そして「健康」といわれる大多数の人々には責任はないとされていました。
それに対して、この新しい「ポピュレーション戦略」は、社会全体に対しての予防的対策をおこなう . . . 本文を読む
新しい予防医療
従来の予防医療では、病気の予防のために、患者個人に対して医療が行われてきました。
これは通院治療を意味し、高血圧症患者に対する降圧療法、高脂血症(脂質異常症)患者に対するコレステロール低下療法、糖尿病患者に対する血糖低下療法やカロリー制限などがあります。
病気が発症する前に行われる予防的な医療を一次予防、病気を発症しているが未だ「無症状の時期 . . . 本文を読む
腰痛の大部分を占める非特異的腰痛。
これは腰部の筋肉から起こる腰痛です。
内臓の病気や椎間板ヘルニアや、脊柱管狭窄症などによる原因ではありません。
このような腰痛でも、一度発症すると、3人に1人が半年以内に再発します。
腰痛に再発が多いことは腰痛患者にとって大きな負担です。
何とか腰痛の再発を予防する方法はないのでしょうか。
これまで腰痛予防に関しては様々な臨床研究がなさ . . . 本文を読む
医療を受けた結果がどうなるかをアウトカムといいます。
患者さんにとって切実で最重要なのは、①死亡、②病気、③不快、④機能障害、⑤不満足の5つの悪い結果が減ることで、これらは「患者中心のアウトカム」と呼ばれます。
特に総合診療の領域では、患者さんの満足度も病気が治ることや死亡が減ることと並んで重要視されています。
最近、米国で患者集団を、 . . . 本文を読む
一般に老化は、一部の臓器だけに起こるのではなく、その個人の全ての臓器が同じように進んでいくことはよく知られています。
また、炎症が老化を促進するということも分かっています。
炎症反応と「全身臓器のコンダクター」としての脳(実は脳にあるホルモン分泌の調整センターである視床下部)の関係を示す研究データがあります。
Nature という著明な . . . 本文を読む
ビタミンEはアンチエイジング効果があるとされ人気のあるサプリメントです。
最近まで、大量に摂取しても害はないと考えられてきました。
しかし、2005年にメタ分析という手法を使って19のランダム化比較試験研究をまとめた研究(患者数135,967人)が発表され、ビタミンEを1日400IU(600mg)以上摂取する人はそうでない人に比べて、死亡率が上昇する可能性 . . . 本文を読む
多くのサプリメントが商品として巷にあふれる現代です。
身体に良いだろうと考え、または人に勧められてサプリメントを使用する方も多いのではないでしょうか?
サプリメントはすべて身体に良いのでしょうか?悪いのはないのでしょうか?
サプリメントの中には含有成分がはっきりしないもの、製造過程で品質の管理が充分でないもの、認可されていない物質が混入し . . . 本文を読む
痛みの感じ方の強弱は、陽性感情(元気、幸せなど)、陰性感情(緊張、神経質など)と関連することが既に知られていましたが、最近かゆみについても同じような傾向が科学的に証明されました。
英国皮膚科学会誌(British Journal of Dermatology) 2012, 167:262 – 269 によると、健康な59名の女性を2群に分け、陽性・陰性感情をフィル . . . 本文を読む
肺炎は日本人死亡原因の第3位。最近の高齢者入院理由でも、肺炎がかなり多い印象があります。
老健施設入所者に対する肺炎球菌ワクチン接種は、肺炎球菌性肺炎を予防し、肺炎球菌性肺炎による死亡率を低下させるという研究結果が発表されています。
しかもこれは、日本で行われた研究です。
老健施設入所者1006人で肺炎球菌ワクチンを接種したグループ50 . . . 本文を読む