みなさん、こんにちは。
旅行は日常化している。
我々の周りの人々や我々自身は普通に国境を越えて地球上を移動している。
そのため、帰国者や渡航予定者、そして外国人を診察する機会は増えてきている。
2014年10月、米国テキサス州において、米国内で初のエボラ出血熱を発症した男性は、西アフリカからの渡航者であり、ダラス市内の病院の救 . . . 本文を読む
みなさん、こんにちは。
性行為歴の聴取は性感染症(sexually transmitted diseases:STD)を疑う場合には必須である。
原因不明の間質性肺炎として紹介された若年男性が、性行為歴よりMSM(men who have sex with men)であることが判明し、ニューモシスチス肺炎を伴うAIDSであることが迅速に診断さ . . . 本文を読む
みなさん、こんにちは。
人間は性的な動物である。
80歳代の高齢者や10歳代前半の若年者であっても、性行為はありうる。
日本では、性行為歴を取る訓練が医学教育でなされてきていなかったため、性行為歴が十分に取られていないという現状がある。
まず、患者の気分を害さないように「淡々と」聞く。
これが大事である。
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みなさん、こんにちは。
先進国のうちで、日本はまだまだ結核の発症頻度の高い国である。
日常診療でも、「結核患者は忘れた頃にやってくる」という格言もあるくらいだ。
つまり、常に結核の可能性を考えるべきである。
特に、肺の空洞病変を持つ排菌陽性患者は「感染力」が強い。
免疫抑制患者(糖尿病や透析患者、ステロイドや . . . 本文を読む
みなさん、こんばんは。今回はこの時間にお届けします。
最初のSはシック・コンタクトのSである。
国内では、インフルエンザや風疹の患者との接触などは重要な感染ソースである。
保育園などで多数の小児との接触があれば、かぜ症候群を代表とする様々なウイルス感染症の感染ソースになる。
今回の症例では、特にそのようなシック・コンタクトはな . . . 本文を読む
みなさん、こんにちは。
前回ケースのバイタルサインで注目すべきは「比較的徐脈」であろう。
39℃以上で脈拍110/分未満がその定義である。
感染症では、結核やリステリア、リケッチアなどの「細胞内寄生病原体」を考える。
感染症以外では、薬剤熱、膠原病、腫瘍熱を考える。
今回の症例のように、「 . . . 本文を読む
みなさん、こんにちは。
急性熱性疾患では、まず感染症を考える。
ここで、悪寒戦慄があると、菌血症の可能性が約10倍になる。
悪寒を訴える患者をみたら、悪寒の「程度」に注意して問診を取るとよい。
悪寒戦慄では、あまりに悪寒がひどく、患者自身が体の震えを止めることができないほどになる。
「患者が悪寒戦慄を訴えたら . . . 本文を読む
みなさん、こんにちは。
感染症を疑う患者での病原体との接近遭遇をチェックするリストを紹介する章を始める。
では、症例をみてみよう。
症例
35歳、男性、会社員。
主訴:発熱。
生来健康。
3日前より悪寒と発熱、頭痛、倦怠感、関節痛あり。
体幹部の紅斑も認める。
待合室にて悪寒戦慄あり。
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みなさん、こんにちは。
病歴の達人であるMISIAの助けを借りて、「内服薬+飲酒+過換気による失神」であることが示唆された。
救急救命士の現場到着時に血圧が低めであったことも、これを裏づける状況証拠であったのだろう。
実際に来院の直後、救急室で起立性低血圧を確認した。
PIMの4剤も含め、内服薬の調整を行った。
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みなさん、こんにちは。
外傷や手術で一定の期間が経過した後に合併症を発症するということは、しばしばみられる。
腹部手術後の腸閉塞、頭部外傷後の慢性硬膜下血腫などである。
前回の症例では、特に外傷や手術歴はなかったとのことであった。
アレルギー性疾患は増加傾向にある。
受診後の治療薬や食物に対す . . . 本文を読む