丹沢秘密倶楽部

日々の記録、思いついたこと、昔話など。最近は、俳句のこと。
俳句は読み中心で、なかなか詠めない。

ふつうの未来

2022-09-23 10:27:33 | 俳句

近ごろ本を買うことは少なくなっているのですが、珍しく三冊買ってしまいました。

 

右「俳句再考」筆者は「林誠司」、当方も毎日チェックしている「俳句オデッセイ」というブログをつくっている方です。

もちろん俳人でもあり、句集出版事業、各地の句会指導、カルチャーセンターでの「芭蕉講座」など、芭蕉に傾倒研究している人です。

 

中央「超訳 芭蕉百句」嵐山光三郎著。芭蕉についての著書数冊、ざっくばらん、大胆なことを見てきたように書いてあります。

芭蕉の実生活を想像できる本です。

また、深沢七郎という作家の弟子だったようですが、何年か後には破門無視されてしまう経緯を書いた「桃仙人」という著書があります。

嵐山光三郎、とてもおもしろい人です。

 

 

左「ふつうの未来」越智友亮俳句集です。

作者は1991年、平成3年生まれの若い俳人です。日常語で俳句をつくるという信条らしいですね。

若くても多くの俳人は「古語旧仮名づかい」で俳句を詠んでいます。

 

思い出せば思い出多し春の風邪        越智友亮

 

当方も若い時は、思い出も鮮烈なものでした。

しかし、今は、その思い出も現実にあったような、なかったような、夢だったわけはないのですが、見た夢を思い出しているような気分でいるのであります。

ボケの始まりか、ではないと思っていますが。(念のため)

 

風鈴や昭和のことについて聞く        越智友亮

暇だから宿題をする蝉しぐれ         越智友亮

 

幸せな恵まれた少年時代を過ごしたようです。

 

帰宅即テレビを点けて牡丹雪         越智友亮

 

牡丹雪は春の雪ですから、雪の中を家に帰ってテレビで情報を得ようとしたのでしょうか。

「牡丹雪」当方のイメージは「ぼた雪」、暗い空から「ぼたぼた」落ちてくる雪なのあります。

 

春を暮らす固定電話のなき家に

 

生まれ育った家を出て、大学生生活、一人暮らしを始めたのでしょうか。

 

イチモンジセセリ、愛嬌のある雰囲気の蝶。この蝶も当方に居ついているようです。

一般的な蝶のようにひらひらとは飛びません。直線的な飛び方です。

 

城跡に市役所近し孔雀草           越智友亮

 

城、城跡と県庁、市役所などは全国的に付き物ですね。

当方も、城跡、市役所にヒントを得て、一句詠んでみました。

 

城跡のさくら静かに楽器店    今日水

 

当方の友人、ヤス君の「グルービン楽器店」は八戸市庁(市役所ではなく、なぜか市庁を名乗っています。)に隣接する城跡の三八城(みやぎ)公園直近にあります。八戸に行くと特に用がなくても、市庁前広場、三八城公園、グルービン楽器店などに行ってみるのです。

桜は満開でしたが、人の姿はほとんどありませんでした。

 

枇杷の花ふつうの未来だといいな        越智友亮

句集の最後に掲載されている句です。

コメント
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