さまよえる天神さん

てくてく てくてく 風景と

疾風怒涛

2021-11-22 | 日記・エッセイ・コラム

わが地方紙に元「天井桟敷」の劇団員だった関さんという人の回想が連載中です。秋田の農家の娘が地方の国立大に進み、20歳の時友人のバイクの後ろに乗って東京までデモにいったこととか、その後「天井桟敷」の講演に衝撃を受け、学校もやめ親にも言わず家出同然に上京し、劇団員の試験を受け舞台に立つことになったこととかが語られています。「書を捨てよ、町へ出よう」とはこのころの寺山修司の評論ですが、全国の少年少女たちが、家を出たくてうずうずしていたのかもしれません。「邪宗門」という渋谷公会堂で行われたその講演は、他の劇団の劇団員や観客の中で小競り合いや乱闘が発生するような挑発的な舞台だったようです。今の時代からは想像もできませんが、そこから少し遅れた時を過ごした私たちの世代にはその雰囲気がわかるような気がします。


まさに、疾風怒濤の時代だったんでしょうか。寺山修司と唐十郎、つげ義春や永島慎二のいる時代、もちろん高橋和巳も。

  
                    (吹浦海岸の夕暮れ)

「 人の一生かくれんぼ あたしはいつも鬼ばかり 」 昔誰かが唄っていたと