保管してあった EDBeta と U-matic テープの取り込みと仕上げ、アップロードが完了しました。
EDBeta の YouTube 用 MP4 ファイル
U-matic のファイル一覧
元は BGV (Back Ground Video) を作成するために据えっぱなしのカメラで撮影したもので、全編ワンカット。
BGM を含めて音声は入れてありません。
前にも書きましたがこの映像資産は絵を描く素材としてなら生きるのではないかと考え、絵画のための素材として作成しました。
今は写真を素材に絵を描くことは普通の方法になっています。それに異論はありません。
でも風景を描くなら現場で生の姿、状況と対面して取り組むのが本来の方法だと思うのです。
写真も撮る身としては写真で描くなら写真のままでいいのではないかと割り切れないものがあります。
私の提案は写真から一歩進んで映像を素材に絵を描いたら面白いのではないかということ。
これは山麓の草原ですが
雲が激しく流れて青空がのぞいたかと思えば
再び厚い雲が上空を被い
雲の隙間から落ちた光が道を照らして向こうに這っていきます。
私自身この映像で絵を描いていませんが動画で再生しながら描くことを考えるとわくわくします。
一見何も変化しないように見える映像もあります。
緩い谷間の田んぼです。
ほぼ無風、人物がいるわけじゃないし軽トラックが走るわけでもありません。
でも20分テープのトップとエンドでははざかけの支柱の影の方向が変わっています。
最も「変化」が激しいのが海の映像。
これを映像で見て描くのは至難の業でしょう。
でも映像は再生、停止、時間軸の移動が自由にできますからここぞという所で停止すれば可能です。
もうひとつ、言いたいことがあります。「画質」についてです。
今回のシリーズは HD ではなく SD ですから、画素数でいうと 640x480pixel 。
単純計算で30万画素に過ぎません。(まあ Full HD だって計算上200万画素ですが)
スマホなら結構きれいな映像ですが PC の Full HD モニターで全画面にすると寝惚けた映像です。
しかし、例えば透明水彩で描く素材と考えると何の支障もありません。この映像は下絵、イメージですから。
特に古い3管カメラと U-matic のコンビで撮った映像は一見甘いけれど細部を省略した潔さがあります。
これは水彩画と、あまり知りませんが油彩とも共通する物だと思うのです。
あくまでも映像は下絵で目安、昨今のデジカメによる超鮮明な写真は逆に絵を描く場合具合が悪いのではないでしょうか。
常々思うのですが「画質」って、何なんでしょう。
" こんな細かいところまで見えます " って、絵画の世界では一部のカテゴリー意外ではあり得ない概念です。
記憶の中の風景を考えてみてください。
記憶している風景って、鮮明ですか?。木の葉1枚一枚、海の波はどんな感じですか?。
記憶の風景は曖昧なパターンに昇華していて、木の葉は理屈で「葉っぱがあったはずだ」と補完しているだけでしょう。
夢は更に曖昧で、時系列も滅茶苦茶でしょう。
そのあたりは今後自分なりに研究の課題です。
ホワイトワトソンの紙とホルベインの絵の具は準備してあるのでそろそろ透明水彩に挑戦しましょう。
追伸:私がアップした「映像による絵画のためのフリー素材」シリーズを使って描いた絵は公開しても構いません。