ゆるい感じで。

「スレイヤーズ」のガウリナメインの二次創作ブログサイトです。原作者様、関係者様には一切関係ございません。

君を守るためなら(禁書/土御門兄妹)

2014-09-24 02:41:40 | その他版権小説
『とある魔術の禁書目録』の二次小説です。
土御門が好き過ぎて書いてしまった……。ピクシブにもいくつか載せてますが、こっちには一遍だけ。
いずれ禁書だけのサイトを作ろうかと画策中です。(土一とか好みなんだよなあ……。

暗部時代の土御門兄妹。兄妹愛。

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「んん……」
 土御門元春は目を覚ました。身体がだるい。背中のあたりが妙に痛かった。昨日の『仕事』の際、怪我を負ったのかもしれない。だが、病院に行くほどのものではないだろう。これくらいなら、自分の貧弱な能力でなんとかなるはずだ。
カーテンの隙間から洩れる朝日がまぶしく、思わず目を細める。
「良い天気ですにゃー」
 うんと伸びをしてから起き上がると、土御門は携帯をチェックした。なんの連絡も入ってはおらず、ほっと息をつく。いつもの自分の部屋には、呆れるほどの平和が満ちていた。

 適当な朝食を口に入れて、日課のジョギングに精を出す。今日は午後から舞夏が来るから、部屋を片付けなくてはならない。主にアダルトな本やらコスプレ用ミニスカメイドさん服の類などなど……。
 考えながら走っていると、自分の寮の方角から聞き覚えのある少年の叫び声と、少女の怒りの声が聞こえて来た。どう考えてもそれはお隣の上条当麻と禁書目録の声で、思わず笑ってしまう。朝から元気な事だ。
――今度は何をやらかしたんだ、上やん……。
「まぶしいぜよ。まったく」
 サングラスをしていても、上条当麻を見ていると時にどうしようもなくまぶしく感じるのは、自分が闇に染まりきっているからかもしれない。

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「兄貴ー! 夕飯作りに来たぞーっ」
 ばーん、と鍵の開いたドアを開けて、愛しい義妹が元気な声で入ってくる。幸せをひしひしと全身で感じながら、土御門は舞夏を迎え入れた。

「兄貴も、少しは家事を覚えたらどうだー?」
 スーパーで買いこんできたらしい食材を大量に冷蔵庫に入れながら、舞夏が何とは無しに言う。
「そんなことしたら、舞夏があんまり来なくなっちまうじゃないかにゃーっ!!」
 そんな恐ろしい事は想像したくもない、とばかりに全身を震わせる土御門に、舞夏は呆れたように肩を竦めて見せた。
「まったく、やれやれなんだな」
「それに、お兄ちゃんは忙しくて家事を覚えてる暇がないんだぜい」
「寝っ転がってゲームしながら言われても、説得力が無いんだぞー」
 じろり、と土御門を睨んでから、舞夏はふっと軽く笑う。
「しょうがない兄貴だなー。私がいなくなったら行き倒れちゃうんじゃないかー?」
「いやあ、しっかりした義妹を持てて、お兄ちゃんは幸せですたい」
 冗談めかして笑いながら、土御門は内心自嘲した。たぶん、舞夏がいなくなったら自分は本当に行き倒れるだろう。いや、それ以上だ。
義妹を失ったら、自分は生きる意味を失う。――義妹を失う事になった原因すべてに報復を、そしてその後は自分に死を。
まあ、万が一にも舞夏を危険な目に遭わせるつもりなどないのだが。

「兄貴、おかわりは?」
「お願いするぜい」
 茶碗を渡せば、舞夏は笑顔でそれを受け取った。二人で囲む食卓に、今自分は幸せだと思う。腹の内の探り合いなど必要のない会話は心地よく、改めて、土御門はこの何気ない日常を守ると決意する。
「しあわせだなあ」
 ぽろり、と聞こえて来た声に驚いた。自分の考えが口から出てしまったのかと思ったが、その声は舞夏のものだった。
「……どうした? 急に」
「いや、やっぱり家族と一緒に食べるご飯は美味しいよなーって。ありがとな、兄貴」
 にこにことそんな事を言う義妹に、胸の奥がぎゅっと音を立てた。不意に涙腺が緩みそうになって、それを押さえつけて笑う。
「礼を言うのはこっちの方なんだぜい」
 思わず義妹の頭を撫でた土御門に、舞夏は照れ笑いしながらその手を退けた。
「小さい子扱いするなよー」
「いやいや、愛しい女の子扱いなんだぜよ」
「それはそれで問題なんだぞ、兄貴」
 この幸せを守るためなら。この少女を守るためなら……。今までに何度だって考えて、揺るぎそうにも無い想いが土御門の胸の内でぐるぐると渦巻いていた。そして、それを顔に出す事は無い。いつものことだ。

 その時、耳障りな機械音が自分のポケットから聞こえてきて、思わず舌打ちしそうになった。携帯が鳴っている。番号を確認すれば、案の定それは暗部の人間のものだった。
「なんだにゃー。せっかく舞夏との団らんを楽しんでいるというのにーっ!」
 ピリリ、と高い音を鳴らし続ける携帯に文句をつけると舞夏が苦笑する。
「出てあげなよ。急ぎかもしれないぞー?」
「……すまないにゃー」
 内心急ぎの電話では無いことを祈りつつ、立ち上がって電話に出る。
『ようやくつながりましたね』
 出たのは丁寧な男の声だった。『グループ』の「上」の男だ。通称「電話の男」。『グループ』に仕事の指示が下るときは大抵この男から土御門に連絡があった。
「もしもし? 今忙しいから後にしてほしいにゃー」
『……おや、家族団らん中でしたか。これは失礼しました』
 申し訳なさなど微塵も感じていないであろう声で言われて、土御門は肩を竦めた。義妹と一緒だと見抜かれている。それでも、相手は特にためらいなどしない。
『「グループ」に仕事が入りました。今夜9時に集合をかけてください。仕事内容は後で詳しく』
 土御門は部屋の掛け時計に目をやると嘆息した。今午後7時。舞夏との時間はあと二時間も無い。隣人のヒーローよろしく、「不幸だ」と叫びたい衝動に駆られる。

「……了解なんだにゃー」
 あくまでも日常での口調を保ったまま電話を切れば、土御門は舞夏に笑ってみせた。
「今日これから深夜バイトが入っちまったにゃー」
「兄貴、バイトなんか始めたのかー?」
「最近金欠なんですたい。やっぱりあの攻略対象全員メイドさんのギャルゲーを買っちまったのがいけなかったかにゃー」
「私はドン引きなんだぞ兄貴ー……」
 心なしかちょっと自分から離れた義妹に涙しつつ、土御門は『グループ』の他の構成員にメールを回す。
――内容は、後で詳しく……か。
どうせロクでもない内容なのだ。破壊工作、情報操作、……人殺し。
舞夏は知らなくて良い。知る必要もない。
「じゃあ、今日は早めに寮に戻るとするかなー」
「それじゃあ下まで送るぜよ」
 立ち上がりかけた土御門を、しかし舞夏は押しとどめた。
「舞夏?」
「兄貴、背中怪我してるだろー。今見てやるから、ちょっと待ってなー」
 言って、部屋の救急箱を取りに行く。
「よく……分かったな」
 自分でもあまり気にしていなかった怪我を指摘されて、土御門は思わずぽかんとしてしまう。促されてアロハシャツを脱げば、舞夏が後ろに回って土御門の背中をぺたぺた触った。
「ふふふ、私の目はごまかせないからなー……あ、やっぱり切り傷がある!」
 手際良く手当てをしてくれる義妹に感心する。さすがメイドさん見習いエリートである。しかし、せっかく手当てしてもらっても、今日また新たな傷が増えるかもしれない。申し訳ない気分である。そんな土御門の内心を知ってか知らずか、舞夏はガーゼを張り付けた傷の上を優しく撫でた。
「あんまり、無理とかするんじゃないぞー」
 ぽつり、と呟かれた言葉。思わず振り向いて義妹を抱きしめそうになって、土御門は
 そんな自分を無理やり押さえつけた。
「大丈夫ですたい。舞夏は心配性だにゃー」
「兄貴は信用ならないからなー」
「舞夏ひどいにゃー! 舞夏の愛さえあれば俺はいつでも元気百倍ですよ!?」
 軽口を叩きながら、土御門は笑う。義妹に少しでも心配させてしまったことを内心反省しつつ、これからはもっと上手く立ち回らなければと考える。
――舞夏のためなら、どんな闇でも浸かってみせる。その中で立ち回って、誰を裏切ろうが守ってみせる。それが俺の行動指針だ。


「それで、今日のお仕事ってェのは?」
 アジトのドアを開け放ち、開口一番不機嫌そうに言い放った一方通行(アクセラレータ)に、土御門は肩を竦めてみせた。
「いつもと同じだよ。くだらねえ残飯処理だ」
 読んでいた雑誌を机の上に放り、寝転がっていた身体を起こす。土御門はいつもより不敵に笑う。
「テロリストの皆殺し。……な、いつもと同じだろ?」


溜め息(ロンハー)

2014-08-18 23:59:21 | その他版権小説
子世代連載の途中ですが、違うジャンルで失礼します。(息抜き( ̄∇ ̄))
久しぶりにハリポタのロンハーです!原作四巻のダンスパーティー後の辺り。

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──腹が立って仕方がない。
ロンは、訳の分からない怒りに自分でも困惑していた。
問題点は明白だ。ハーマイオニーがクラムとダンスパーティーに参加したこと。これだ。
これはハリーに対する裏切りで、ホグワーツに対する裏切り行為だ。敵対する学校の選手とベタベタするなんて......!

ただ、それだけでこんなに腹が立っているわけではないのだと、ロンは自分でも薄々気がついていた。
──ハーマイオニーは女の子だ。紛れもなく。
そして、クラムと並んで微笑むハーマイオニーは、とても綺麗だった。

そんな単純なことに、今までずっと隣にいた自分は全然気付いていなかった。
そして、それに気づいたのはあの男だったのだ。だから、あのボンクラ男が彼女の隣で笑っていた。
──情けなくて涙が出そうだ。
肩を竦めて皮肉に笑ってみても、自分の格好悪さは変わらない。

一方的に八つ当たりして、結局ハーマイオニーとケンカしてしまったし。......自分の子供っぽさが頭に来る。
つまり、ロンは自分自身に猛烈に腹が立っているのだった。

談話室のふかふかのソファに沈み込んで、はあ、と小さくため息を漏らす。すると、そのため息がふわふわ浮かんで雲になった。
「ん?何だこりゃ」
驚いてそれを見ていると、後ろから声を掛けられた。
「ああ、ロン!あなた私の『溜め息モクモクキャンディ』を食べちゃったのね」
「ハーマイオニー!?」
慌てて振り返ると、いつものように大量の本を背負ったハーマイオニーが立っていた。髪もボサボサしているし、パーティーの日とは大違いだ。
──でも、これが僕の知ってるハーマイオニーなんだよな。

「ああ、ごめん。なんか机にあったから勝手に舐めちゃったよ」
「もう、ロンったら!それ、マグル学の教授から貰ったのに。小テスト満点のご褒美にって」
「こんな飴が、テストのご褒美?」
ロンが吐き出したため息は、小さな雲となって二人の目の前にぷかぷか浮かんでいた。心なしかさっきと色が変わった気がする。
「面白いでしょ?落ち込んでても、これを見てるとちょっと心が和むのよ」
「ふぅーん......」
「......」

普通に会話してから、ハーマイオニーとケンカしてからあまり時間が経っていない事に気がついた。
──うわぁ、これ、この後どうすればいいんだ!?

「......ねぇロン」
「な、なんだい?」
内心汗をかきながら返事を返すと、ハーマイオニーは心なしか落ち着かない様子で自分の髪を弄んでいる。
「ハリーとあなたは、あの夜、その、パチル姉妹とダンスパーティーに出たのよね?」
「......そうだけど」
──なんで、今その話を?

訝しげに首を傾げるロンに、ハーマイオニーは視線を逸らして呟いた。
「......あなた、私の事ミーハーだって言ったけど、ロンだって結局顔が可愛い子を選んだんじゃない」
「は?」
「お互い様ってことよ!ロン、あなたいつも私を責めるけど、あなただって可愛いパドマと楽しいダンスパーティーをしたのでしょう?だったら、私の事をあれこれ言う筋合いなんてないでしょう」
言葉の端々に棘が混じる。ハーマイオニーは頑固に視線をこちらに向けなかった。
「な、そんな事......!」
──そんなことはなかった。ダンスパーティーは最悪で、パドマなんていつの間にかいなくなっていた。
......でも、それを正直にハーマイオニーに告げる事は出来なかった。これはちっぽけで大切なプライドの問題なのだ。
結局、ロンは黙り込んで下を向いた。

──本当は、君の事ばかり考えていて、気が気じゃなくて。......頭がおかしくなりそうな夜だったのに!

「......だから、私もあの日の事は何も言わないから、ロンも何も言わないで」
「──ああ、分かったよ」
ぼそり、と返事を返すと、ハーマイオニーがやっとロンと視線を合わす。その目が少し悲しげで、ロンは急に胸が苦しくなった。

「あなたって、ずるいわ。ロン」
言って、走って談話室を出て行くハーマイオニーを黙って見送ってから、ロンは小さく呟いた。
「......君こそずるいよ、ハーマイオニー」
──あんな顔をされたら、もう責められない。まるで、僕が彼女を裏切ったみたいじゃないか......。

はあ、とついた新しい溜め息は、小さな雲となってさっきの雲と並んで浮いた。


終わり

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ほのぼのにするつもりだったのに......!!
というわけで、思いっきりすれ違ってる両片思いロンハー。お互い素直じゃないので拗れまくります。やっぱり彼らの側にはハリーが必要だ!


禁煙(ハボアイ)

2013-09-13 02:09:33 | その他版権小説
その他版権小説です!『鋼の錬金術師』、通称『ハガレン』のハボアイです(`・ω・´)どマイナーとは知りつつも!だって好きなんだもの。
強い女性と犬系男子。萌え。完全私得。
■書いてから、設定がすげー適当なことに気がつきました。色々間違ってたらほんとすみません。
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「ハボック少尉、禁煙よ」
「え、あ......はあ!?」
いつもの東方司令部。いつもの俺の机。なのに、いつものくわえ煙草は美人な上司によってすげなく却下された。

「中尉ー!それまだ火ぃ付けたばっか...!」
彼女によって取り上げられた吸いかけの煙草は、ジュッと音を立てて灰皿に捨てられる。
「ひどいっすよお」
俺の抗議にも、ホークアイ中尉は相変わらずのクールな表情。
「最近東方司令部でも煙草に関する苦情が増えてるの。なので今日から一週間、このフロアが試用期間として全面禁煙になりました。皆さん協力して下さい」
最後の言葉は俺にではなく、周りの皆に向けられていた。

禁煙。俺にとってはほとんど死刑宣告である。
「ハボ、成仏しろよ」
休憩中、声をかけてきたブレダの言葉は、腹立たしい程今の気分に合っていた。
「勝手に殺すんじゃねーよ」
言いつつ、頭を掻く。
さっきから苛々してしょうがない。注意力も散漫だ。こりゃあほんとに煙草が無いとその内死んじまうかも。
「あー。吸いてぇ」
「昼食ったら吸いに外出ようぜ?」
ありがたくて涙が出そうな言葉だ。だが。
「そりゃあ駄目だ。中尉に残りの煙草も取り上げられちまった」
「そりゃまたキツイな」
「俺は誰よりも吸ってるから、たまには吸わない日を作れってさ。出来たらやってるよ」
髪をぐしゃぐしゃかきむしるが、まったく気分は晴れなかった。
俺を見る同僚の目は、皆同情の色をしている。
──くそう、中尉め。大佐が逃げ出して困れば良い。
「んじゃ、後で飴でも恵んでやるよ」
「そりゃあどうも」


「ハボック少尉!」
仕事終わり、特にする事もないので帰ろうとする俺に声をかけたのは、やっぱり中尉だった。
俺から取り上げた煙草を差し出す彼女。
「...いいんすか?」
「ええ。プライベートは自由ですもの」
「そりゃどうも」
喜んで煙草を出そうとする俺に、しかし彼女はストップをかけた。
「今は駄目。もう少し我慢なさい。例えば家に帰るまでとか」
学校の先生みたいなお言葉だ。
「今日一日散々我慢しましたよ」
「もう少し。出来るでしょ?」
「......へーい」
残念ながら俺はこの女上司に頭が上がらない。

「私は大佐にもう少し仕事して貰ってから帰ります」
──そりゃあまた大佐、ご愁傷様。

返して貰った煙草の礼を言ってから、俺はようやく東方司令部を後にした。


「家につくまで我慢、か。おりゃ犬か!」
夜の道を歩きながら文句を垂れる。
まあ、確かに軍の狗ではあるわけだが。
家まであと少し。
しかし。
──我慢の限界。
俺はおもむろに煙草の箱を開けて一本取り出した。それから口にくわえてライターで火を...
「...ん?」
口にくわえた煙草は、なぜか甘い味がする。
──んん?
箱はきちんと俺の愛飲銘柄のもの。

「......シガレットチョコ?」


自宅に帰ると、一人暮らしの家にはなぜか明かりが付いていた。
「お帰りなさい、ジャン」
「...あれ、リザさん? 仕事は?」
なぜか、先ほど別れたはずの上司兼恋人がいる。
彼女は既に髪を下ろして私服姿だった。
──一体いつの間に。

驚く俺に、彼女は何も言わずにキスをした。
...そしてすぐに顔をしかめた。
「やっぱり、煙草吸おうとしたのね」
「......チョコの味、しました?」
どうやら俺は嵌められたらしい。

「あなた、その内肺ガンになっちゃうわよ」
「ベッドの上で死ねるなら幸せじゃないっすか」
「...呆れた」
リザさんは俺と別れた後、電光石火で着替えて俺が帰宅する前に先回りしたらしい。
俺としてはその行動力の方が呆れてしまう。
「そんなに俺に煙草止めさせたいすか?」
「そこまでじゃないけど...ただ」
「ただ?」
重ねて聞くと、彼女は少し頬を赤らめた。
「あなたが飽きもせず毎日吸ってる煙草が、ちょっと憎らしくなっただけよ」

くらり。

相当な殺し文句に、俺は簡単にノックアウトされた。
仕事場では絶対に見せない表情で、そんな甘い言葉を。

「...今日一日くらい、我慢してみせますよ」
あなたが隣に居てくれるなら。
「あら、頼もしいわね」
彼女の柔らかい笑顔に、俺はきっとヤニ下がった顔をしているに違いなかった。


終わり

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さり気なく付き合ってる二人。仕事場では階級呼びで、プライベートでは「ジャン」「リザさん」って呼び合ってるといいよ。萌えるよ。
......という訳で自分なりに頑張って大人っぽい恋愛を書いてみますた。書けてないな。うん。


皮肉屋といじっぱり(ロンハー)

2013-09-12 19:39:47 | その他版権小説
どもども!急にこのブログの「その他版権小説」カテゴリを増やしたくなりまして、書きました(*´∀`)笑

ハリポタのロンハーです。大好きなんです。私のノマカプの原点かもしれない。

アズカバン映画ネタ。みじかめ。
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ハグリッドの最初の授業、マルフォイのせいでめちゃくちゃになるまでは、悪くない授業だったと思う。
ただ、バックビークはちょっと怖かった。
...だから、びっくりした拍子にロンの手なんか握ってしまったのだ。

考えながら、ハーマイオニーは髪の毛をぐしゃぐしゃにした。
せっかく図書館で勉強しているというのに、マグル学の宿題が全然進まない。ハーマイオニーの羊皮紙は珍しいことにまだ半分しか埋まっていなかった。

──ロンだって、私と同じタイミングで私の手を握った。
あれは、ロンもバックビークが怖かったからに違いない。
だから、あれは全然たいした出来事じゃなかったし、むしろ二人してバックビークに怖じ気づいて、ちょっと情けない話なのだ(対してハリーは凄く勇敢だった!)。

......なのに。
──どうしてあの時の事を何度も何度も考えてしまうのかしら。

ロンの手は私のより少し大きくて、本ばっかり読む私の手よりたくましかった。男の子の手。
「......私ってば、どうしたの?」
気がつくと、羽ペンが勝手に羊皮紙に落書きをしていた。慌てて呪文で修正して、ほっと息をつく。

──ハリーやロンと握手する事くらい沢山あるじゃない。
「駄目だわ、集中出来ない」
ハーマイオニーは本をばったり閉じて、グリフィンドールの談話室に向かった。


「やあ、ハーマイオニー」
談話室に入った瞬間、一人でスキャバーズの世話をしていたロンと鉢合わせした。
なんてタイミングなのかしら。

「浮かない顔してどうしたの?あの化け猫がバカでかい毛玉でも吐いたのかい?」
いつも通りのロンの皮肉。今朝の授業の事なんか、きっと忘れているに違いない。
「クルックシャンクスの事を化け猫って言わないで!」
さっきのもやもやした気分なんか吹っ飛んで、ハーマイオニーはつんつんして歩き出した。

──ロンの事を考えてドキドキしたなんて、きっと何かの間違いだわ!
「馬鹿げてるわよ!」
思わず声に出していた心の声に、後ろにいたロンが飛び上がった。
「な、なんだよハーマイオニー」
目を丸くするロンにちょっぴり赤くなる。
「...別に!ちょっと考え事してただけ。独り言よ」
「ハーマイオニー、君は独り言をもっと小さくする訓練をする必要があるね」
「ほっといてちょうだい」
結局いつもと変わらない会話になって、ハーマイオニーは苦笑した。
なんだか安心しちゃったみたい。今なら宿題も捗りそう。

嫌がるロンをよそに、ハーマイオニーはロンの隣で嬉々として宿題を
始めたのだった。


終わり

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素直になれない両片想い。それが私的ロンハーのキーワードです(`・ω・´)b


温かい手(ロンハー)

2010-05-15 01:40:27 | その他版権小説
過去作品より。
初のハリポタ世界のロンハー小説書いちゃいました(*´ω`)
需要が無くても供給!!(笑)

読みたい人は追記から♪

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いつもの事だった。談話室でのロンとハーマイオニーの喧嘩など、日常茶飯事と言って過言ではない。始まりはいつもロンの不用意な発言で、それにハーマイオニーが怒り出すのだ。


「ハーマイオニー、君はその融通の効かない性格をなんとかすべきだよ!」
「なによロン!あなたこそもうちょっと真面目になるべきだわ!」
ハーマイオニーはイライラして大声を上げた。ロンの発言はいつも筋が通っていないと思うのだ。それなのに痛い所を時たま突いてくるのが悔しい。

「それぐらいにしておいたらどうだい?」
『ハリーは黙ってて!!』
二人の剣幕に、ハリーはやれやれという顔をして薬草学のレポートを書き始めた。

「いいかい?ハーマイオニー、君は...ってうわっ」
ロンが突然奇妙な声を上げて倒れかかって来た。

「きゃっ..」
「うわっと、ゴメンハーマイオニー、僕何かにつまづいたみたい...」
「もう、ロンたら、気をつけて..」

そこでハーマイオニーは突然声が出せなくなった。
ロンの顔が近い。

そして..
ロンの手が自分の手に重なりあっている感触と温かさを感じてしまったから。

『......』
ロンも急に黙り込んで、だんだん赤くなった。
たぶん自分も赤くなっているに違いない。

「二人ともどうしたんだい?」
急に静かになった二人を不思議に思ったのか、ハリーがレポートから目を離して二人を見た。

「い..いや、なんでもないよ!!」
ハリーの声に我に帰って、ロンがバッと自分から離れる。
「そ、そうよ!私ちょっとこれから図書館に行って来るわ」
ハーマイオニーは急いで立ち上がり、鞄に何冊かの本を突っ込んで談話室を飛び出した。

「..私ったらどうしてこんなに動揺してるのかしら」
ハーマイオニーは訳の分からない感情と動悸に戸惑いながら、ロンの手が触れた左手を見つめるのだった。

終わり

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なんとゆう乙女な..!!

設定としては13歳な二人。かなり初々しいです(*´ω`)