ゆるい感じで。

「スレイヤーズ」のガウリナメインの二次創作ブログサイトです。原作者様、関係者様には一切関係ございません。

寒いときは(ガウリナ)

2012-02-10 00:05:49 | スレイヤーズ二次創作
子世代小説は途中ですが、今回は久しぶりにガウリナSSをアップします!
あまりにも久しぶりでちょっとキャラが変かも...?汗

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冷たい空気、窓からちらりと見える真っ青な空。
「寒い...」
宿のベッドに丸くなりながら、あたしは呻いた。
冬は寒いものだけど、今朝はいつも以上に冷える気がする。

着替えて宿の食堂に降りると、すでに旅の連れガウリイ君は朝食を食べていた。
「おうリナ、遅かったな」
「おはよ...」
あくびをしつつ、ガウリイの向かいの席に腰掛ける。
朝からハンバーグ定食を平らげるガウリイを眺めつつ、あたしもヌードルセットを二人前注文した(いつもより控えめ)。

「今朝は良い天気だなぁ」
にこやかに言うガウリイは、寒さなどどこ吹く風な様子である。
「そーね。...だけど寒くて死にそうだわ」
上着の前をぎゅっと寄り合わせて、ため息混じりに返す。
「リナは寒がりだからなぁ」
「ガウリイは寒くないわけ?」
ガウリイの服装はシンプルなもので、長袖な以外は夏とほとんど変わらない。
...寒そうったらありゃしない。
「まぁ、寒くないと言ったら嘘になるが」
「え、そーなの?」
「当たり前だろー」
「いやぁ、てっきり寒さ感じてないのかと...」
「うぉいっ!」
がくっと肩を落とすガウリイ。
あたしはぽりぽり頬を掻いた。
──だって、いっつも薄着だし、ねぇ。

「あのな、剣士がモコモコに厚着して動きが鈍ったら困るだろ」
「あ、そっか...」
あたしの相棒は、思ったより脳ミソくらげじゃなかったらしい。
──でもなぁ、やっぱり寒そう。上着くらい着ても良いのに。

注文したヌードルセットが運ばれてきて、あたしはとりあえず会話を中断した。
──ああ、温かいスープが冷えた身体にありがたい。

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白い息が口からもわもわと漏れて行く。
あたしたちは宿を出て街道を歩いていた。

寒くて死にそう。
でも、あたしは前を歩くガウリイが気になって仕方なかった。今朝の会話のせいだ。

「ガウリイ」
「なんだ?」
「....なんでもない」
「なんだぁそりゃ」
ガウリイが目をきょとんとさせて、あたしを振り返る。

「......っ」
あたしは意を決して...彼に飛び付いた。
「ぎゃっ!何すんだリナ!反乱かっ!?」
「何の反乱よ!」
慌てるガウリイに、ぴたっと引っ付いて返すあたし。

「...寒いときは、人にくっつくのが一番なの」
ガウリイを見ずにぼそっと呟くと、頭の上で彼が笑うのが分かった。
「そっか、確かにあったかいな。ありがとなリナ」
頭をくしゃりと撫でられて、思わずちょっと赤くなる。
「あ、あたしが寒いからくっついただけよ!あんた湯タンポみたいに体温高いから」
「そぉかあ?」
「そうよ!」
二人でくっつきながら、寒い街道を行く。
たいして寒さは変わらないけど、気持ちだけでも。

「...こういうのも、悪くは無いかもな」
呟いたガウリイに、あたしはちっちっちっ、と指を振る。
「明日隣街に着いたら、ガウリイのコート買いに行くからね!」
「えー」
「えーじゃないっ」
つまらなそうなガウリイに、あたしはにっと笑って、彼の腕を掴む手に力を入れたのだった。


おわり

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やっと新しくガウリナ書けました!
もうこんなカメみたいな更新スピードで見てる方いらっしゃるのかって感じですが(^_^;)
とにかく、またいつになるか分かりませんが、更新頑張ります!
ではでは(^-^)/