どもです。あきらです。
2月のイベントで無配(ネットプリント)したガウリナ現パロSSを公開致します~。そのうち…とか思ってたんですけどすっかり忘れてました(てへぺろ)
一人暮らしな大学生ガウリイとリナ、のあまあまバレンタインネタでございます。
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「ガウリイ、ハッピーバレンタイン」
じゃじゃーん、と口で言いながら彼の掌に載せたチョコレート。ラッピングのリボンはピンクと白のギンガムチェック。……ちょっと可愛すぎたかな?
「おおーっ! リナ、ありがとうな。……もしかしてこれ、手作りか?」
満面の笑みを浮かべたガウリイに、あたしは得意げに胸を張る。
「ふふん、もしかしなくても手作りよ。自信作なんだから心して食べてよね」
「おう。……嬉しいなあ」
なんだかフワフワした空気を漂わせながら。本当に嬉しそうにそう言うものだから、あたしは嬉しいのと同時に少しくすぐったい気持ちになって。
「ん。でもあなた今年も沢山貰ったみたいだし、今年はしょっぱい系のお菓子にすれば良かったかしら」
相変わらず、ガウリイはモテる。あたしというコイビトが居ながら、彼が大学の先輩後輩同級生、ついでに学食のおばちゃん達から貰ったらしいチョコの山は、学生寮の部屋の隅で、紙袋いっぱいに詰まってその存在感を放っている。
バレンタインデー。勝手知ったる彼の部屋に、遊びに来るのはもう何度目か。――だからまあ、嫉妬なんてしてはいないけど。……本当だってば。
「いやいやいや、お前さんのは特別だから。まあ、チョコでも煎餅でも、リナから貰えるならなんでも嬉しいけどな」
彼はそう言ってニッと笑って。――……。
「さらっとこういう事言うのよね、この自称保護者……」
「ん?」
この天然たらし。
「んーん、なんでも。……あ、あたしも自分用にお高いチョコ買ったのよね~。お茶淹れて一緒に食べましょ」
気恥ずかしい気持ちを誤魔化すように、あたしは自分用のとっておきを取り出して見せる。先日の休みに並んで買った、話題の高級チョコである。一粒一粒が宝石みたいにきらきらして可愛くて、流石に良い値段がしただけはある。これは味も期待できそうだ。
「おー、そっちのも旨そうだなあ。オレにも一口くれよ」
コタツの中、つん、と足の裏を足先でつつかれる。
「ええー、駄目よ駄目。これはあたしがあたしに買った奴なんだから」
――それにあなたには、あたしがあげた奴があるでしょーが。
んべ、と舌を出して見せて。あたしはお茶を淹れる前に、見せ付けるように一粒お先にその宝石を口に放り込んだ。
途端に、口の中にふわりと広がるカカオとナッツの香り。
「ん~。美味しい……ちょっとビターで、でも蕩ける甘さ……」
あたしはうっとりしながら、舌の上でじわじわ溶けていくチョコレートを楽しんで。
それを眺めるガウリイの、すっと細められた目に、あたしはその時気付けなかった。
「――リナ」
低い声。呼ばれた名前に振り返る。
「ん? ……って、ちょ」
不意に掴まれた腕。
気付いた時には至近距離、重なる吐息。
「ガウリイ、」
ぶつかり合う視線と、かさついた唇の感触にあたしは思わず目を閉じた。
「……んんっ、……んう…」
「ん、……」
するりと滑り込んできた彼の舌に、心臓の音が跳ねる。掴まれた腕に、彼の掌の熱が伝わって。――あたしの方が、溶けそう……って、何考えてんだあたしは!?
口の中、絡んだ舌と溶けだしたチョコレート。甘くて、熱くて、堪らなくてくらくらする。
「……ぷは」
暫く経って、ようやく離れた唇。ほっと息をついたあたしに笑って、彼はそっとあたしの唇を舐めた。
「っ、」
「口の回りまで甘くなっちまったなあ」
のほほんと、そんな事を言う彼の口元もまた、溶けたチョコで汚れている。――コノヤロウ。
「……あんまり調子に乗ってると、あげたチョコ取り上げるんだから」
じとりと睨んで、その緩んだ頬を抓ってやった。
「いでででっ……すまんリナ! それだけは勘弁してくれっ」
途端に慌てた顔で平謝りするガウリイに、思わずあたしは笑いだす。
――あーあ、本当に、もう。……そのしょぼんとした頭に垂れた犬の耳が見えるあたしは、もしかしたらビョーキかもしれない。あまつさえ『可愛い』なんて、そんな事を思ってしまっているなんて。
「お返し、とびっきり美味しいお菓子じゃないと許してやんない」
「……お、おうっ! 任せろっ」
ぱっと笑顔になった彼の後ろで、フリフリ動く尻尾が見える。
「それと」
「――ん? あ、……っ」
ぐいと引き寄せた彼の顔。チョコで汚れた彼の口元を、あたしはちろりと舐める。――やっぱり甘い。
「チョコ、ついてたわよ」
あたしからの不意打ちは予想外だったのか、固まってしまったガウリイが愉快で、あたしはニッと笑って見せた。
じゃじゃーん、と口で言いながら彼の掌に載せたチョコレート。ラッピングのリボンはピンクと白のギンガムチェック。……ちょっと可愛すぎたかな?
「おおーっ! リナ、ありがとうな。……もしかしてこれ、手作りか?」
満面の笑みを浮かべたガウリイに、あたしは得意げに胸を張る。
「ふふん、もしかしなくても手作りよ。自信作なんだから心して食べてよね」
「おう。……嬉しいなあ」
なんだかフワフワした空気を漂わせながら。本当に嬉しそうにそう言うものだから、あたしは嬉しいのと同時に少しくすぐったい気持ちになって。
「ん。でもあなた今年も沢山貰ったみたいだし、今年はしょっぱい系のお菓子にすれば良かったかしら」
相変わらず、ガウリイはモテる。あたしというコイビトが居ながら、彼が大学の先輩後輩同級生、ついでに学食のおばちゃん達から貰ったらしいチョコの山は、学生寮の部屋の隅で、紙袋いっぱいに詰まってその存在感を放っている。
バレンタインデー。勝手知ったる彼の部屋に、遊びに来るのはもう何度目か。――だからまあ、嫉妬なんてしてはいないけど。……本当だってば。
「いやいやいや、お前さんのは特別だから。まあ、チョコでも煎餅でも、リナから貰えるならなんでも嬉しいけどな」
彼はそう言ってニッと笑って。――……。
「さらっとこういう事言うのよね、この自称保護者……」
「ん?」
この天然たらし。
「んーん、なんでも。……あ、あたしも自分用にお高いチョコ買ったのよね~。お茶淹れて一緒に食べましょ」
気恥ずかしい気持ちを誤魔化すように、あたしは自分用のとっておきを取り出して見せる。先日の休みに並んで買った、話題の高級チョコである。一粒一粒が宝石みたいにきらきらして可愛くて、流石に良い値段がしただけはある。これは味も期待できそうだ。
「おー、そっちのも旨そうだなあ。オレにも一口くれよ」
コタツの中、つん、と足の裏を足先でつつかれる。
「ええー、駄目よ駄目。これはあたしがあたしに買った奴なんだから」
――それにあなたには、あたしがあげた奴があるでしょーが。
んべ、と舌を出して見せて。あたしはお茶を淹れる前に、見せ付けるように一粒お先にその宝石を口に放り込んだ。
途端に、口の中にふわりと広がるカカオとナッツの香り。
「ん~。美味しい……ちょっとビターで、でも蕩ける甘さ……」
あたしはうっとりしながら、舌の上でじわじわ溶けていくチョコレートを楽しんで。
それを眺めるガウリイの、すっと細められた目に、あたしはその時気付けなかった。
「――リナ」
低い声。呼ばれた名前に振り返る。
「ん? ……って、ちょ」
不意に掴まれた腕。
気付いた時には至近距離、重なる吐息。
「ガウリイ、」
ぶつかり合う視線と、かさついた唇の感触にあたしは思わず目を閉じた。
「……んんっ、……んう…」
「ん、……」
するりと滑り込んできた彼の舌に、心臓の音が跳ねる。掴まれた腕に、彼の掌の熱が伝わって。――あたしの方が、溶けそう……って、何考えてんだあたしは!?
口の中、絡んだ舌と溶けだしたチョコレート。甘くて、熱くて、堪らなくてくらくらする。
「……ぷは」
暫く経って、ようやく離れた唇。ほっと息をついたあたしに笑って、彼はそっとあたしの唇を舐めた。
「っ、」
「口の回りまで甘くなっちまったなあ」
のほほんと、そんな事を言う彼の口元もまた、溶けたチョコで汚れている。――コノヤロウ。
「……あんまり調子に乗ってると、あげたチョコ取り上げるんだから」
じとりと睨んで、その緩んだ頬を抓ってやった。
「いでででっ……すまんリナ! それだけは勘弁してくれっ」
途端に慌てた顔で平謝りするガウリイに、思わずあたしは笑いだす。
――あーあ、本当に、もう。……そのしょぼんとした頭に垂れた犬の耳が見えるあたしは、もしかしたらビョーキかもしれない。あまつさえ『可愛い』なんて、そんな事を思ってしまっているなんて。
「お返し、とびっきり美味しいお菓子じゃないと許してやんない」
「……お、おうっ! 任せろっ」
ぱっと笑顔になった彼の後ろで、フリフリ動く尻尾が見える。
「それと」
「――ん? あ、……っ」
ぐいと引き寄せた彼の顔。チョコで汚れた彼の口元を、あたしはちろりと舐める。――やっぱり甘い。
「チョコ、ついてたわよ」
あたしからの不意打ちは予想外だったのか、固まってしまったガウリイが愉快で、あたしはニッと笑って見せた。