ゆるい感じで。

「スレイヤーズ」のガウリナメインの二次創作ブログサイトです。原作者様、関係者様には一切関係ございません。

イベント開催おめでとうございます!

2022-10-30 23:00:38 | 落書き
というわけで絶賛開催中ですあと一時間ですゼルアメオンリー【収穫祭AtoZ】!
会場もめっちゃ素敵なのでまだ見に行かれてない方はぜひ…

というわけでもうすぐハロウィンですね。


仲良し四人組でハロウィン絵、描いてGIF作ったので貼っちゃいます。
ハッピーハロウィーン!

10月30日『収穫祭AtoZ』お品書き。

2022-10-27 23:43:20 | 日記・雑記
どもですあきらです~。

さて、来たる10月30日、ゼルアメオンリーイベント『収穫祭AtoZ』があと少しで開催されちゃいますね……!わたくし僭越ながらサークル参加させていただきます…!!

というわけで、お品書きが完成致しましたので、こちらにも掲載いたします。
新刊にコピー本(過去ゼルアメSSの再録まとめ本)、ついでに無配の折本(リクエストで頂いたお題のゼルアメ一作)をネットプリントで頒布予定です!
(※無配の折本については、当日ネットプリント番号をTwitterアカウント(@chaaaning)とピクスクで見られるお品書きに載せる予定です。)



新刊のサンプルはこちらからどうぞ!→サンプル

イベント会場はオンライン上ですので、ピクトスクエアからお入りくださいませ。⇒『収穫祭AtoZ』会場

新刊自体はBOOTH通販を利用しておりますので、こちらから直接ご注文いただく事も可能です。⇒姿月のBOOTH通販ページ
匿名配送のあんしんBOOTHパックを利用しておりますので、ちょっとだけ送料普通より高いですが、互いに宛先が分からないようになっております。


ではでは、当日楽しみにしておりまーす。よろしくお願い致しますノシ


リアリスト(ゼルアメ)

2022-10-14 01:18:34 | スレイヤーズ二次創作
というわけで本日もゼルアメ強化月間です。
リクエストお題「リカバリィ講座 」

原作アメリアのふと見せるドライさが好きです。

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 ――旅路の途中、鬱蒼と茂る森の中で。
 宵闇に沈む木々の中、パチパチと燃える火を囲む。
「……お嬢さん、ちょっとアンタに頼みがあるんだが」
 少し躊躇いはあったが、共に火の番を任された少女に声を掛けたのには理由があった。 
「アメリアでいいわ。……どうしたんです?」
 顔を上げた彼女の瞳に、燃える火の明かりが映り込んで。
「俺に回復魔法を教えて欲しい。簡単なもので構わない」
「あら」
 驚いたように目を瞬かせたアメリアに、俺は小さく咳ばらいをした。
「元々俺の身体は特別性だ。そうそう怪我などせんが……お前たちはそうもいかないだろうしな」
 ――リナの旅に同行すると決めた以上、治癒の呪文くらいは憶えておきたい。魔族だなんだと危ない橋を渡る事になりそうでもあるし。
「タダでとは言わん」
 アメリアは回復魔法に掛けてはリナの上を行くエキスパートだ。専門家から教えを乞うのに対価を払わぬつもりは無い。……が、彼女は俺の言葉を聞くなりひらひらと手を振ってみせた。
「対価なんていらないわ。お安い御用よ」
「……いいのか?」
「回復魔法なんて、使える人は多ければ多い程良いもの」
「……」
 何の含みもなく、心からそう返されて少しばかり面食らった。
 ――貴族や王族なんて奴らは皆鼻持ちならない傲慢な人間だと思っていたが……実際はそうでもないらしい。
「どうしたんです?」
「……いや、なんでも。それはありがたい」



 治癒の呪文、その『力ある言葉』の連なりと意味を教わる。それと、唱える時のコツも少々。
「アンタ、教えるのが上手いな」
「いやぁそれほどでもありますけどー」
 冗談めかして笑って、アメリアは小さく頭を掻いた。
 ――……。
 ある程度話を聞いて、後は自分で彼女の術を盗むつもりで覚えよう、なんて考えていたのだが。こうも丁寧にしっかりと教えらえてしまうとは。ますます、受講料を要求しないアメリアが信じられない。
 人が好いのも考え物ではないか? ……いや、これも持つ者ゆえの余裕から来ているのだろうか。持たざる者から見れば、とんだ傲慢かもしれない。そんな、意地の悪い考えが頭を過る。
 が。一息ついて小さく欠伸を漏らした黒髪の少女は、俺の邪推など気にも留めずに微笑んだ。
「本当は、『復活』の術も皆使えたらいいんですけどねー。……回復役が少ないんじゃ、そこが落とされたらオシマイだもの」
「……!」
 オシマイ。柔らかい言葉に替えてはいるが、つまりそれは『全滅』を意味する。
 ――そうだ。……自分だって、リスク分散のために彼女に教えを請うたんじゃないか。
 セイルーンのお姫様は、きちんと『自分が斃れた後』を勘定に入れている。それに気づいて、俺は小さく息を呑む。
「わたしが怪我したら、これでちゃーんと手当てしてくださいね」
「……そんな場面があれば、だがな」
 肩を竦めて見せた直後に、焚火の火はそんな俺を揶揄するようにパチリと音を立てて小さく爆ぜた。

ただ、会いたい。(ゼルアメ)

2022-10-10 19:12:37 | スレイヤーズ二次創作
どもです。あきらです。
またまたお題でゼルアメSSです。今ゼルアメ強化月間なんで……(今月末のゼルアメオンリー参加のためです。もう少ししたらイベント参加の告知ここでもしますね!コピー本出す予定です~)
お題「人の体に戻ったゼルがアメリアに会いに行く 」

――――――――――――――――――――――――

「成功……成功です! 見てください、人間の身体よ……!」
「おお、本当に凄い……君、体調はどうか? あ、鏡を見たいか? 誰か、鏡を、鏡を……!」
「これは学会に発表すべきかもしれん」
「待ってください。これはエルフの技術と黄金竜の英知によって得られた結果よ。ヒトが軽々しく世界に発表することは許されない」
「――ともかく、彼の命に別状がないか検査を……あれ、彼は? あの男は何処へ行った?」

   *
 
 赤法師レゾによって、邪妖精と岩人形を合成された身体。とある魔族には「ミックスジュースを元の材料に戻すようなものだ」と、暗に元の身体に戻る可能性を否定された身体。クレアバイブルの英知すら求めて彷徨い歩き、例えこの丈夫で強い身体を失うのだとしてでも、元の『人間のそれ』に戻りたいと、渇望した身体。
 俺はじっと掌を見下ろす。握ったり閉じたりを繰り返す、その掌は人間の肌色をしている。切り付ければ簡単に血を噴き出すような、薄く弱い皮膚の色。
「……戻れたのか、俺は」
 とある森にて、変わり者のエルフと黄金竜の二人組と出逢ったのは偶然だった。来たる魔族との争いに備え、様々な魔道の研究を行う彼らは、人間とも手を組もうとする革新的な者たちだったのだ。人間の魔道研究者との繋ぎを付ける事、実験に協力する事を条件に、俺は元の身体に戻る手立てを探す足掛かりを得た。
 ――結果。
 何年も時間を要するであろうと覚悟していた成果を、今俺は手にしている。
 成果は得られた。報酬は『人体実験への参加』という前払いで既に支払っている。……ならば、もう此処に用は無い。研究所を抜け出した俺は、一人あてどなく歩き出す。
 渡された手鏡に映る顔は、どこか青白い顔をした一般的な青年の顔だった。髪を掻き上げれば、それはさらりと掌から零れて落ちる。金属質な音が鳴る事は無い。
「……、」
 どこか現実みが無い。あんなにも渇望したものを得られたと言うのに。――まるで夢のようじゃないか。
 俺はそっと指先で自分の頬を摘まんで、その力で頬の皮膚が伸びる事に妙に感動してしまった。

 ――さて何処へ行こうか。
 もう、旅の目的は達成されてしまった。既に俺には、家族も仲間も存在しない。……ほんの一時期、旅を共にした仲間も居たが。
 その顔触れを一人一人思い浮かべた所で、不意に、俺の脳裏に一人の顔が焼き付いた。それはとある黒髪の少女の顔。黒目がちな大きな瞳で、俺を見上げる彼女の顔。
「アメリア、か……」
 どうしているだろうか。時折手紙を送ってはいるものの、最後に顔を見たのはもう何年も前になる。セイルーンの王女として、彼女はもうあの頃のようには奔放に振舞うことは難しい立場だろう。一国の王女に面会を願うには、あまりに自分は後ろ暗い過去を抱え過ぎている。――だが。
 会いたいと、思ってしまった自分の気持ちを、否定する事が俺にはどうしてもできなかった。

   *

 白魔術都市、聖王都セイルーン。六芒星の形をした街並みは、整然として、なお活気に溢れている。
「来てしまった、な……」
 もし彼女と会えたとして、彼女は今の姿の自分を『ゼルガディス』だと認識するのだろうか。元に戻れたのだと報告して、それで? 何を話せば良い。これからの事? それは一体どのような?
 ――何も分からない。それなのに、のこのこと場違いな場所へとまた足を踏み入れてしまった俺は愚かだろうか。だが……。
 ぐるぐると考えながら、しかし足はセイルーンの城へと向いていた。彼女の顔さえ見られれば良い。願わくば、何か少しでも言葉を交わせれば。
 と。不意に、近くから叫び声が聞こえる。立ち止まって耳を澄ます。
 ――なんだ……?

「罪なき人から財布を奪うとは、なんて悪! 貴方たち、そこに直りなさい! このわたしが正義の拳をお見舞いしてあげるわっ!」
「ひっ、姫様! ここは憲兵にお任せを……」
「いいえ! ここはセイルーンよ。民の危機に目を背けるなど王家の恥っ!」

 ――……。
 聞き覚えのあり過ぎる声。正義の怒りに燃える、あの少女の声だ。
 俺はその声に、ふつふつと湧き上がる笑いを堪えきれずに再び歩き出す。彼女の元へ。

「……アメリア。久しぶりだな」
 俺の声に、彼女は振り向いた。陽の光を受けて煌めくアクセサリーに、淡いピンク色の豪奢なドレスの王女様が、まん丸に目を見開いて。まるで幼い少女のように。
「ゼルガディスさん……っ!?」
 一瞬で俺を俺だと気づいた彼女は、まん丸に見開いた目をすぐにくしゃくしゃにして。
「ああ、ゼルガディスさん……」
 ぐいと腕で顔を拭って、彼女は勢いよく俺に向かって駆け出して。そして俺の目の前で急ブレーキを掛けてストップした。
「……なんだ、抱き着いて歓待はしてくれないのか?」
 思わず漏れた揶揄の台詞に、彼女はくすりと笑って見せる。
「ふふ、わたしにも立場ってものがあるんですよ」
 彼女は俺に手を伸ばす。握手の手。――それに、俺は躊躇わずに応える。柔らかい皮膚と皮膚の接触。……そうか、彼女の掌はこんなにも熱を帯びていたのか。岩の肌では感じきれていなかった。

「……あんたは全然変わらないな。アメリア」
「…………貴方はとびっきり変わりましたね、ゼルガディスさん」
 未来の話をしよう。これからの話をしよう。希望が溢れる。会う前に抱いていた不安など、軽やかに溶け去ってしまっているのに気づいて、俺は内心苦笑するのだった。

恐れを知る(ゼルアメ)

2022-10-10 17:01:26 | スレイヤーズ二次創作
どもですあきらです。
お題を貰って書くゼルアメ、第二弾です。
今回のお題は「フィブリゾ戦で一度命を落としたアメリアとトラウマが生まれたゼル 」
というわけで、アニメNEXT準拠なお話です。

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 ――俺は夢を見ていた。
 夢と分かるのは、目の前に映る場面を俺は確かに知っているから。その後どうなるのかも、己がどう動くのかも、……何を出来ないのかも、全て。
 仲間とともに相対する冥王フィブリゾ。その少女のような少年の掌で、弄ばれる金の珠。それは人の命を司る物だ。……俺は知っている。その珠が誰の命の塊なのかを。
 その邪悪で美しい少年は、リナ=インバースの目の前で仲間たちを一人一人殺して見せると嘲笑って。彼はその指先に挟んだ金色の珠に力を籠める。――やめろ! 『俺』の叫びは、しかし誰にも届かない。夢の中の俺は、その場から動く事すら出来ないでいる。
 ぱきり、と軽く音が響いて。砕け散る金色。その瞬間に、目の前で少女が悲鳴を上げて崩れ落ちた。
 ――アメリア……っ!
「あぁあああぁあああぁぁぁああああああっ!!!」
 耳を塞ぎたくなるほどの恐ろしい悲鳴。苦痛にのたうち回る彼女の身体を、夢の中、俺は抱き留める。
「アメリア! アメリアっ!」
「大丈夫、です……だいじょう、ぶ」
 何故。何故そんな事を言うのだ。……まったく大丈夫なんかではないのに。まるで、俺の事を気遣うみたいに。
「……っ!」
 苦痛に歪む顔。その身体から徐々に力が抜けていく。――嫌だ。嫌だ、やめてくれ。どうか逝かないでくれ。
 俺の必死の願いを嘲笑うように、死神は容赦なくその大鎌を振り上げた。……徐々に失われていく体温。俺の腕の中で、一人の少女の命が失われていく。アメリアの命が。
「――……アメリアっ!」




 ハッとして、俺は目を覚ました。
「……、」
 暗い部屋は、宿屋の一室。窓から見える空もまだ薄暗いが、徐々に白んでいるようにも見えるから、夜明けが近い時間なのだろう。
 ゆっくりとその場に身を起こした俺は、自分が恐ろしく汗をかいている事に気が付いた。寝巻のシャツが湿って肌に張り付いてしまっているし、ベッドシーツも少々濡れている。
 ――酷い夢だった。
 悪夢。だが、あの悪夢は確かに自分が経験した『実体験』でもあった。目の前で、腕の中失われていく命。その後自分もまた、フィブリゾによって一時的にとはいえ命を奪われたのだ。
 ……あの後、仲間たち全員が生き残る事が出来たのは、まさに奇跡としか言いようがない。どんな理由で、どのような方法でかも分からないまま、俺たちは気付いたら奪われた命を取り戻していた。


「俺も、あいつも、生きている……」
 俺はじっとりと汗に塗れた己の手を見下ろした。その硬い岩の肌を持って、レゾの狂戦士として俺の手が奪った命は数えきれない。盗賊や獣、魔族……この世界では、生きて行くには誰かの命を犠牲にする事は避けられない。そんな事は分かっている。
 ――だと言うのに、今になってこんなにも『死』を恐ろしいと思うだなんて。
 思わず自嘲の笑みが零れた。自分は既に失う物など何も無いと思っていたが……まだ、失う事を恐れるものがあったということか。


 朝にはまだ早すぎるが、そのまま寝直す気にもなれない。顔でも洗うかと部屋を出て、そして俺は扉を開けた瞬間にその場で固まった。
「……ゼルガディスさん!? なんでこんな時間に……」
 驚いた様子のアメリアが、寝巻姿にマントだけ羽織って宿の廊下に立っている。
「それはこっちの台詞だ」
「あ、わたしはちょっと……なんだか目が覚めてしまって、顔でも洗いに行こうかと。ゼルガディスさんも?」
 気恥ずかしそうに小さく微笑んだアメリアの、前髪が少し跳ねている。
「……ああ、そうだな」
「ふふっ、なんだか奇遇ですね。リナさんもガウリイさんも、まだきっと夢の中ですよ。――じゃ、井戸でお水汲みに行きましょうか」 
 そう言って、くるりと俺から背を向け歩き出した彼女の、その腕を俺は無意識に掴んでいた。
「――ゼルガディスさん?」
「……」
 きょとんとした顔で俺を見上げてくる彼女に、俺は何も言えない。――正確には、言葉が何も出てこない。
 ……生きている。アメリアは今、確かに生きている。
「ゼ、ゼルガディス、さん……?」
 彼女の驚きの声を、身体越しに聞く。気が付けば夢の中と同じように、俺は彼女の事を抱きしめていた。
「……すまない。すまない、アメリア」
 まるで母親を求める幼い子供のように、縋るように抱きしめた彼女の身体。その身体から、確かに温かな体温を感じる。規則正しく刻まれる鼓動の音を感じる。
「少しで良い。……少しだけ、このままで居てくれないか」
 我ながら情けない事に、絞り出した声は震えていた。――……恥ずかしい。守れなかったものに縋る自分が、情けなくて悔しくて。
 だが、それ以上に。
 アメリアが今、こうして生きている事が、嬉しい。
「ゼルガディスさん、……もしかして、怖い夢でも見ちゃったんですか? なーんて……」
 冗談めかして笑う彼女に、俺は小さく頷いた。
「ああ、そうだ」
「えっ」
「笑ってくれ。……本当に、本当に恐ろしい夢だった」
 次は絶対に守るから。自分の腕の中で失わせるなんてことは、二度と無いと誓うから。それを言葉に出来ない自分の情けなさに唇を噛みながら、俺は彼女を抱きしめる腕に力を込める。――すると。俺の背中に、そっと温かな物が触れた。……アメリアの掌。
 彼女の手が、ぽんぽんと俺の背中を軽く叩く。
「大丈夫。……大丈夫ですよ、ゼルガディスさん」
 ――大丈夫。何の根拠もない、その言葉。……なのに、その声が心地良く胸に響く。
「だって、ヒーローのわたしがついてますからね」
 ふふん、と得意げな声で。それでいて、優しい声で。


「……フッ、それは心強いな」
 思わず漏れた笑みは、自嘲の笑みでも強がりのそれでもなく。俺は、彼女の強さに確かに救われている事を知るのだった。