ゆるい感じで。

「スレイヤーズ」のガウリナメインの二次創作ブログサイトです。原作者様、関係者様には一切関係ございません。

語って頂きました。(ガウリナ)

2016-09-20 16:39:31 | スレイヤーズ二次創作
ぷらいべったーより。
ワンライ参加作品です。謎の雑誌対談風。
お題「占い」

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◆人気コーナー『噂の二人のゆるゆるトーク』第3回。今回のテーマは「占い」です。昨今の占いブームに関して、噂の二人は何を思うのか。

――それでは、短い間ですがよろしくお願い致します。
ガウリイ=ガブリエフさん(以下:ガウリイ)「どうも」
リナ=インバースさん(以下:リナ)「よろしく」

――今回のトークテーマですが、「占い」について。お二人は占いは信じる方ですか?
リナ「あたしはそういうのはあんまり……でも、まあ良い事言われたら信じるようにしてるわ。おみくじみたいな運だめしとかも嫌いじゃないし」
ガウリイ「そうだなあ。オレも、ゲン担ぎとかは結構する方だぞ」
リナ「へえー。例えば何してるわけ?」
ガウリイ「ここんところずっと同じ剣帯使ってるなあ。切れたら同じタイプの探してきて……剣の収まりが良い気がするんだよな」
リナ「それ、ただ気に入って同じの使ってるだけじゃない」
――(笑) では、リナさんは?
リナ「あたしは、そうねえ……ゲン担ぎっていうか、最近では寝る時もずっと同じブレスレット付けてて、御守りみたいな感じかしら。付けてると安心するのよね……って、なんかテーマからだいぶ話逸れてない?」
ガウリイ「確かに(笑)」

   〈画像:リナさんのブレスレット。緑色が綺麗! どうやらガウリイさんとお揃いとか…?〉

――では、お二人はあまり「占い」には振りまわされない方?
リナ「そうね。でも一回まさしく振りまわされた事があって」
ガウリイ「そんな事あったか?」
リナ「まだガウリイと旅する前の話よ。占い師のばあちゃんに『赤い色』に気をつけろって言われて、その日一日中赤い色見る度にびくびくしちゃって」
ガウリイ「へええ」
リナ「でもさ、結局何も起きなくて。赤い服着てる人見る度に警戒してたら、なんだか相手の気を悪くさせちゃって。買い物の値切り交渉失敗しちゃった。でもこれって占い師に何も言われなければ起きなかった事よね?」
――そうですね。
リナ「もーそれから、嫌な事言われても信じない事にしたわけ」
ガウリイ「お前さんでもそういう事気にする過去があったんだなあ」
リナ「変にしみじみした顔するのやめてくんない?」
――(笑) では、ガウリイさんは。
ガウリイ「オレはそういうのは無いなあ」
リナ「というより何も気にしないタイプよね」
ガウリイ「ひどいな(笑) でも、占いとか信心って、それで気が晴れたり先が楽しくなったりするだろ? 面白がって楽しむぐらいがちょうどいいと思うんだよな」
リナ「それはそうね。あたしもそう思うわ。振りまわされるのはどうかと思うけど、全く信じないって拒絶するのもつまらないわよね」

――100パーセント当たる占いが存在したら……
リナ「そういうのはパス」
ガウリイ「オレも」
リナ「未来が分かっちゃったらつまらないじゃない。嫌な事言われたら気になるし」
ガウリイ「気にしないんじゃなかったのか?」
リナ「気にしないようにしてたって、そんなの気になるに決まってるでしょーが」
――そうですよね。でも、確実に当たるとすれば、何か聞きたい事はありますか?
リナ「そうねえ……」
 ここでちらりと隣を見るリナさん。もしかして……? しかし我々の期待も虚しく……
リナ「いつになったらガウリイがお金の計算まともに出来るようになるかーとか」
ガウリイ「いやいやいや、それくらいさすがに出来るって(笑)!」


◆仲良しっぷりを見せつけてくださったお二人、どうもありがとうございました☆
次回トークテーマ「治癒魔法」をお楽しみに!

※続きません。


何よりも君が欲しい。(ガウリナ)

2016-09-20 16:37:58 | スレイヤーズ二次創作
ぷらいべったーより再掲
診断メーカーお題「何よりも君が欲しい」

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「ガウリイ、欲しいものってある?」
 ふと、思い出したようにそう問われて、オレは面食らった。そんな事を聞かれたのは、今まで一緒にリナと旅をして来て、たぶん初めてだった。
「どうしたんだ急に」
 尋ねれば、隣を歩くリナは特に表情を変えずに口を開く。
「この前の仕事、結構良い報酬出たじゃない? それであたしは装備とか新調したけど、ガウリイはまだだったからさ。ガウリイ、絶対買い物下手だから、あたしが代わりに欲しいもの買ったげる」
 いっそ得意気に、断定口調でそう言われてオレはちょっとだけむっとした。
「買い物下手って、」
「あなた絶対ぼったくりとか、掴まされるタイプじゃない」
 ぴこぴこと、人差し指をオレに突きつけて、リナはにやりと笑う。変なツボとか買わされそうよねー、とかなんとか、勝手な事を言っている。
「うっ……そ、そんな事は」
 ない、はずである。たぶん。覚えてないけど。
「絶対嘘。あたしのが値切るのとか上手いんだから、いいじゃない」
 だから路銀を半分あたしに預けなさい。と、リナはオレを見上げてそう言った。その自信満々の笑顔に、オレの中で小さく疑惑が芽生えた。

「……ほんとーにそれだけか?」
 じとり、と半眼で彼女を睨むと、リナは一瞬ひるんだ顔をする。
「へ?」
 きょとんとした顔が、逆に怪しい。
「お前さん、オレの為とか言って、こっそり自分の買い物もするつもりだろ。前にまだマジックアイテムが足りない~とかなんとか言ってたし」
「ぎくっ」
「どうせオレなら、ちょっとくらい自分の分の路銀が減っても気付かない、とか思ってんだろう」
 オレの指摘に、リナはあからさまに慌てた顔をした。……ほらやっぱり。
「ぎくぎくぎくっ……ま、まあまあまあ、良いから。ほら、何か欲しい物教えなさいよっ! そんなに怪しむなら一緒にお店に付いてくれば良いじゃない」
 そういうリナの言葉に、オレは肩を竦めた。でも本当に、リナの長い長い値切り交渉は、見ているオレにはツライものがあるんだよなあ……。
 とはいえ。
 リナがオレに欲しい物を(買って)くれる、というのは、悪くない提案だ。

「……うーん、それじゃあ」
「うんうん。何が欲しいわけ? リナちゃんにどーんと言ってみなさい」
 えへん、と胸を張ってそんな事を言うリナに、オレは小さく笑った。オレが今本当に欲しい物を、今ここで言ってもいいのか? なんて。
「……」
「?」
 不埒な事を考えて一瞬黙ったオレに、リナは不思議そうに小首を傾げる。その表情は間違いなく純粋そのもので、オレは苦笑した。
「……いや、なんでもない。それじゃあ、仕込み用に、小ぶりのナイフが一本欲しいんだが――」
 本当に欲しい物なんて、口に出来る日は遠そうなのだった。

おしまい

あつくるしい。(ガウリナ)

2016-09-20 16:36:28 | スレイヤーズ二次創作
ぷらいべったーより再掲。
ワンライ参加作品です。お題「ぬくもり」

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 ――ぬくもりが足りない。
 そう、一言だけ言い置いて。ガウリイが宿のあたしの部屋に入ってきたのは、ほんの数時間前の出来事だった。
「……ねえ」
「んー、どうした?」
 あたしの低い呟き声に、ガウリイはなんだか緩んだ声で返事を返す。そんな自称保護者は、今あたしを背中から抱きしめていた。……まるで、ぬいぐるみかなんかを抱えるみたいにして。
 膝を抱えるあたしの前で手を組んで、ガウリイはあたしの背中に頭をぐりぐりと押し付ける。逃げ出そうにも、彼はそれを許してくれなくて。なんだかずっと、ベッドの上であたしはゆるく囚われ続けていた。
「ちょっと、暑苦しいんですけど」
「……すまん」
 ――……。
 一応、罪悪感はあるらしい。でも、やめる気もないらしい。彼の手があたしを放すことはなかった。……まあ、あたしも別に、元々逃げ出す気もないんだけれど。
「何かあったわけ?」
「ん? いや、そんな事はないぞ」
 あっけらかんとした返事にあたしは少しだけほっとする。
 じゃあ、どうして。そう聞いた所で、返事は返って来なかった。きっと、「ぬくもりが足りない」ってのが、ほんとの所なんだろう。今のあたしには、良く分かんないけど。

 ぬくもりという名の、二人分の体温が。あたしにはちょっと温度が高くて、汗をかいてしまいそう。だけど、このゆるい囲いから出ていく気には、あたしにはどうしてもなれなかった。
 ――ぬくもり。あたしも欲しかったのかもしれない。
「リナ」
「……なに?」
「ありがとな」
「……あしたのごはん」
 奢ってよね。とまで言わなくても、たぶんガウリイには伝わったのだろう。後ろでガウリイがくすくす笑う声が耳をくすぐる。
「ね、ぬくもり。足りた?」
「……まだ、あと少し」
 あと少し。きっと、その少しは長いんだろうなあ。そう思ったら、なんだか嬉しくなってしまって。あたしも静かにくすくす笑うのだった。

終わり

幸せの瞬間。(ガウリナ)

2016-09-20 16:35:01 | スレイヤーズ二次創作
ぷらいべったーより再掲。
twitterでお世話になっているANNAさんのお誕生日に寄せて。

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 ひとつ、息を吸いこんで。吐き出して、また吸いこんで。
「……あのさっ」
 口を開いたら、声が裏返った。思わず咳払いをしてごまかそうとする。けど、もう遅い。呼びかけた相棒は、ちょうどいま振り返ってしまった。
「……リナ?」
 どうした? と目を瞬かせたガウリイの声と表情は優しくて、それで少しあたしはほっとする。――そうだ、大丈夫。この人なら、大丈夫。怖くなんてない。
 彼の、晴れた空をそのまま映したみたいな青を見つめながら、あたしはとうとう告白した。

「あのさ。……赤ちゃん、出来たみたい」

 たっぷり十五秒。ガウリイはその場に固まった。もしかしたらもっと短かったかもしれないけど、あたしにはそれくらいの体感時間。
 見開いた目が、じっとあたしを見つめている。瞬きせずに見つめ返していたら、じわりと目が痛くなった。心臓がどきどきと痛いほど鳴る。
「えと、じょーだんじゃなくて、ほんとの話、なんだけど……」
 なんだかいたたまれなくなって、おずおずとそう続けたら、彼の硬直がじわじわと溶け出した。見開いていた目がみるみる優しく細くなっていって、口元が緩んで、それからくしゃくしゃに縮む。今にも泣きだしそうなのに、笑いが止まらないみたいな、そんな顔。
 幸せそのものが笑っているみたいだ。そう思ったら、なんだか胸が苦しくなって、あたしの視界は歪んでしまった。
 不安とか、緊張とか、そういうものが涙と一緒に溶けて流れだす。今のあたしにはもう、不要な感情なのだった。

「リナ……!」
 気が付いたらあたしはいつの間にか抱きしめられていて。ガウリイの匂いと、体温と、視界いっぱいに広がる金色の髪に安心する。
「凄いな、リナ。嬉しい! ……ありがとうな」
 なんだかいつにもまして、ガウリイは言葉が足りていない。でも、耳に入る心底嬉しそうな声から、喜びの感情が胸一杯に伝わってくる。それがあたしも嬉しい。
「へへ、どういたしまして……」
 なんだか照れくさくって、あたしはちらりと笑った。不覚にも泣いてしまったせいで鼻の奥がツンとする。目も熱い。でも、そんな事はどうでもよくって、あたしはめいっぱい今のガウリイを五感で感じる。たぶんこれが「しあわせ」という感覚なのだろう。きっとそう。

「どうしよう。オレ、なんて言って良いか全然分かんなくなっちまった。でも、ほんとに嬉しいんだ。リナ、ありがとう。――大好きだ」
 言葉に詰まりながら、ガウリイはあたしにそう笑いかける。よく見れば、ガウリイの空色の瞳もなんだか潤んでいた。
「オレ達の子供、幸せにしよう。オレ達も一緒に、幸せになろう」
 幸せにする、じゃなくて。一緒に幸せになろうって。そう言ってくれる彼が、あたしは好きだ。だって、あたしとガウリイは『相棒』同士なんだから。
 ――対等なのだ。あたしたちは。ガウリイがあたしを幸せにするなら、あたしだってガウリイを幸せにしてみせる。勿論、お腹の赤ちゃんだって。
「あったりまえでしょ、そんなの! だって、あたしとアンタの子なんだからね?」
 ふふん、と胸を反らして見せたら、ガウリイはいつもみたいに笑って。
「……ああ、そうだな。忘れてた」
 彼はいつもとおんなじことを言うのだった。

おしまい。