お久しぶりです!
過ぎちゃいましたが、バレンタインネタでガウリナでっす(`・ω・´)
某ドラマの影響受けまくりです(笑)
-------------------------------------------------
キッチンにとろりと甘い香りが漂う。光を受けてなめらかに広がるチョコレート。刻まれたアーモンドの芳ばしい匂い。
「ああ......」
あたしは感嘆のため息を漏らした。
正直、涎が出るほど美味しそう。食べたい。
「リナ」
あたしの熱視線に気付いたのか、ガウリイは苦笑して顔を上げた。
「そんなに見られてちゃ集中出来ないだろ」
そう言いつつ、製菓学校期待の星は、手慣れた様子で溶かしたチョコレートを型に流し込む。
「だってめちゃくちゃ美味しそうなんだもん、それ」
ハート型になったチョコレートには、刻みアーモンドがぱらぱらとまぶされて、まるで宝石みたいにきらりと光った。
「それ、お店に出すの?」
「いや、明日のバレンタイン用」
「そう......」
ガウリイはケーキ屋さんの一人息子だ。幼なじみのあたしはその恩恵を受けて、小さい頃から彼の手作りお菓子を食べ慣れている。
彼の手作りチョコレートなんて、絶対美味しいに決まってる。
──ん?
「バレンタイン用? ガウリイがチョコ渡すの?」
目をしばたいて聞くと、ガウリイはにこりと笑った。
「そう、今流行りの逆チョコとかいうやつ」
「へえ~...」
なんか、気になる。
──誰に渡すの? 好きな人?
聞きたいような、聞きたくないような。
一人でそわそわしていると、チョコレートを冷蔵庫に入れたガウリイがふふんと笑った。
「誰にチョコ渡すか聞かないのか?」
「えっ...」
思わず固まる。考えを読まれた? この万年鈍感くらげ男に?
あたしは冷静を装って、人差し指をぴこぴこ振った。
「あ、あたしには何でもお見通しなんだから! そのチョコレートで女の子落とすつもりなんでしょ。相手はシルフィール? ミリーナ?」
シルフィールは隣の綺麗なお姉さん。本人は隠してるみたいだけど、ガウリイに気があるのはバレバレ。ミリーナはガウリイの製菓学校の友達。クールだけどなかなか良い人。
......これくらいしか思いつかないや。
「半分正解かな」
「え、ほんとに?」
「このチョコレートで女の子落とすつもりってのは正解だ」
にやり、と人の悪い笑みを浮かべたガウリイに、あたしは目を丸くした。
意外過ぎる。
いっつもボケッとしてて、年下のあたしより頼りなくて、彼女なんか今まで出来た事も無かった......はず、なのに。
なんでそんな余裕の態度なわけ?
黙り込んだあたしの頭を、ガウリイは笑ってくしゃくしゃなでた。
──なんか悔しい。腹立たしい。......なんでよ?
「ほら、リナ」
気がつくと、目の前にチョコレートが一粒。さっきガウリイが作ってたのとは別のやつ。ココアのついた、まあるいトリュフ。
思わず口を開けると、そこにチョコを放り込まれた。
口の中にふんわり広がる甘い香り、とろける舌触り。
「......美味しい」
「そうか、良かった」
ふ、と微笑んだガウリイの笑顔がいつも以上に優しくて、あたしは思わず顔が赤くなる。
「明日、もっと美味いのやるから、楽しみにしてろよ」
そう言って、ガウリイは結っていた長髪を解いてからキッチンを出て行った。
──え。え、ええ?
「い、今のって......」
いわゆる一つの告白宣言!?
──そして。
「う、ううう......ガウリイの奴!」
あたしはひとしきり頭を抱えて呻くことになったのだった。
おしまい。
-------------------------------------------------
皆さんはっぴーばれんたいん!
過ぎちゃいましたが、バレンタインネタでガウリナでっす(`・ω・´)
某ドラマの影響受けまくりです(笑)
-------------------------------------------------
キッチンにとろりと甘い香りが漂う。光を受けてなめらかに広がるチョコレート。刻まれたアーモンドの芳ばしい匂い。
「ああ......」
あたしは感嘆のため息を漏らした。
正直、涎が出るほど美味しそう。食べたい。
「リナ」
あたしの熱視線に気付いたのか、ガウリイは苦笑して顔を上げた。
「そんなに見られてちゃ集中出来ないだろ」
そう言いつつ、製菓学校期待の星は、手慣れた様子で溶かしたチョコレートを型に流し込む。
「だってめちゃくちゃ美味しそうなんだもん、それ」
ハート型になったチョコレートには、刻みアーモンドがぱらぱらとまぶされて、まるで宝石みたいにきらりと光った。
「それ、お店に出すの?」
「いや、明日のバレンタイン用」
「そう......」
ガウリイはケーキ屋さんの一人息子だ。幼なじみのあたしはその恩恵を受けて、小さい頃から彼の手作りお菓子を食べ慣れている。
彼の手作りチョコレートなんて、絶対美味しいに決まってる。
──ん?
「バレンタイン用? ガウリイがチョコ渡すの?」
目をしばたいて聞くと、ガウリイはにこりと笑った。
「そう、今流行りの逆チョコとかいうやつ」
「へえ~...」
なんか、気になる。
──誰に渡すの? 好きな人?
聞きたいような、聞きたくないような。
一人でそわそわしていると、チョコレートを冷蔵庫に入れたガウリイがふふんと笑った。
「誰にチョコ渡すか聞かないのか?」
「えっ...」
思わず固まる。考えを読まれた? この万年鈍感くらげ男に?
あたしは冷静を装って、人差し指をぴこぴこ振った。
「あ、あたしには何でもお見通しなんだから! そのチョコレートで女の子落とすつもりなんでしょ。相手はシルフィール? ミリーナ?」
シルフィールは隣の綺麗なお姉さん。本人は隠してるみたいだけど、ガウリイに気があるのはバレバレ。ミリーナはガウリイの製菓学校の友達。クールだけどなかなか良い人。
......これくらいしか思いつかないや。
「半分正解かな」
「え、ほんとに?」
「このチョコレートで女の子落とすつもりってのは正解だ」
にやり、と人の悪い笑みを浮かべたガウリイに、あたしは目を丸くした。
意外過ぎる。
いっつもボケッとしてて、年下のあたしより頼りなくて、彼女なんか今まで出来た事も無かった......はず、なのに。
なんでそんな余裕の態度なわけ?
黙り込んだあたしの頭を、ガウリイは笑ってくしゃくしゃなでた。
──なんか悔しい。腹立たしい。......なんでよ?
「ほら、リナ」
気がつくと、目の前にチョコレートが一粒。さっきガウリイが作ってたのとは別のやつ。ココアのついた、まあるいトリュフ。
思わず口を開けると、そこにチョコを放り込まれた。
口の中にふんわり広がる甘い香り、とろける舌触り。
「......美味しい」
「そうか、良かった」
ふ、と微笑んだガウリイの笑顔がいつも以上に優しくて、あたしは思わず顔が赤くなる。
「明日、もっと美味いのやるから、楽しみにしてろよ」
そう言って、ガウリイは結っていた長髪を解いてからキッチンを出て行った。
──え。え、ええ?
「い、今のって......」
いわゆる一つの告白宣言!?
──そして。
「う、ううう......ガウリイの奴!」
あたしはひとしきり頭を抱えて呻くことになったのだった。
おしまい。
-------------------------------------------------
皆さんはっぴーばれんたいん!