どもですあきらです!
早速いくつかリクエスト頂きまして、ありがとうございます^^*
というわけで早速消化!
twitterでお世話になっているANNAさんから、ガウリナSSで、テーマに『唇で感じることのできる互いのぬくもり』という素敵なリクエストを頂きました~。ありがとうございます!
そんなこんなで、以下なんとか妄想して出来たSSがこちらです。↓↓
------------------------------------------------
ガウリイはキス魔だった。
これを知ったのはごくごく最近の事で、なにしろ彼が「旅の連れ」から「恋人」という存在に変わったのがつい最近なのだ。
彼はずっと前から大切な「相棒」だったけれど、それ以上の関係になることは、なんとなく以前から予感していた。たぶんそれはガウリイもそうだったと思う。
――そして、それはしばらく経ってから現実になった。
二人きりで居ると甘い空気がふわりと漂う。以前ならわしゃわしゃと撫でられていた髪を、今の彼は優しく手で梳いてくれる。今までに見たことの無かった表情を、ちらりと見せられてどきりとすることが増えた。
……そこまでは良いのだ。そこまでは。
ちゅっという軽い音と、掠めるようなくすぐったい感触。思考の海を漂っていたあたしは、それによって現実に引き戻された。
「リナ、考え事かー?」
のんびりとした声でそう尋ねてきたガウリイは、にこりと笑って、口づけていたあたしの手首から手を離した。
「……もー、それくすぐったいからやめてよ」
「えー?」
勝手に脱がされていた片方の手袋を、これまた勝手に嵌められて、あたしはその手で彼の額にでこぴんをおみまいした。鈍くて小さい音は宿の部屋には響かない。
ガウリイはキス魔だった。
しかも、口と口だけじゃなくて。額とか瞼とか、腕とか背中とか、首筋とか、頭とか、よく分からない所にまで唇を落とす。時には服の上から。その度に、あたしはどう反応して良いのか分からなくて、少し居た堪れない気分になるのだ。
それも、夜そーゆー雰囲気の時にすると言うならまだしも、昼間に何の気なしにしてくるから困るのだ。
まるで、挨拶の延長線上みたいな顔をして。
――下心が、あるのか無いのか。そういうの、悟らせないのがこんなに上手かったなんて。
……あたしはこの相棒を少し甘く見ていたかもしれない。
「ねえ、それ癖なの?」
「何がだ?」
「……その、変なとこにキスしてくるやつ……」
内容が内容なだけに、恥ずかしくなって少し口ごもりながら言うと、ガウリイは照れたようにはにかんで頭を掻いた。
「あー……すまん。なんというか、つい」
「ついって何よ、ついって!」
その、『つい』のせいでこっちがどれだけどぎまぎさせられているか!
「――なんか、安心するんだよな」
「安心……?」
よく意味がわからなくて、首を傾げた。そんなあたしに笑いかけて、彼はぐいと引き寄せたあたしの、今度は後頭部に唇を押しつけた。
――ほら、また。
頭のてっぺんに、ガウリイの唇の温度を感じる。その唇の少しかさついた感触。
「ちょ、ちょっとガウリイっ」
「あはは。悪い悪い」
抗議の声を上げると、ガウリイは笑ってあたしを離した。真っ赤になって頭を両手で押さえるしか出来ないあたし。――慣れてないんだから仕方ないでしょっ!
「……手で触れるより、ずっと分かる気がするんだ」
「何が?」
「んー……ぬくもりって奴か?」
言って、彼は自分の言葉に恥ずかしくなったように、視線を逸らす。その気恥ずかしさは、あたしにも思いきり伝染した。
「な、なにそれもー意味わかんないっ!」
「オレもよくわからんっ!」
「開き直るなっ!!」
ぱしん、と懐から取り出したスリッパで彼の頭をはたくと、自称保護者はその勢いのままに宿のベッドに仰向けに倒れ込んだ。
「……あたしは、普通の……の方が良い」
しばらくして。ぼそり、と小さく呟いたあたしに、ガウリイはむくりと起き上がり、きょとんとした顔であたしの顔を窺う。
「ん、リナ。今何て言ったんだ?」
黙って顔を背けたあたしは、でも彼の視線に耐えられなくなって、両手で顔を覆う。
「……~~っ! あたしは、普通のキスの方が良いって言ってんの!!」
やけくそ気味にそう叫んだ。あたしの声が、宿の小さな部屋に響く。叫んでしまってから、宿の部屋の壁の薄さが気になった。
気恥ずかしさで頭が沸騰しそうである。顔が熱い。さっきよりも赤くなってしまっているかもしれない。
そんなあたしを眺めながら、彼は本当に嬉しそうににこにこと笑った。
「……そっか」
にっこり。にこにこ。……にまり。
そんな効果音が聞こえて来そうな笑顔に、あたしは内心はっとする。
――まさか。まさか……。
もしかして、あたしがそう言いだすの、待ってた……?
「じゃ、そうしようか」
優しく言ったガウリイがあたしの頬に手を添えて。
「……あ、ちょっと待って」
「待たない」
ゆっくりと、でも確実に近づいてくるガウリイの笑顔を見て。
あたしは敗北を確信したのだった。
おわり!
早速いくつかリクエスト頂きまして、ありがとうございます^^*
というわけで早速消化!
twitterでお世話になっているANNAさんから、ガウリナSSで、テーマに『唇で感じることのできる互いのぬくもり』という素敵なリクエストを頂きました~。ありがとうございます!
そんなこんなで、以下なんとか妄想して出来たSSがこちらです。↓↓
------------------------------------------------
ガウリイはキス魔だった。
これを知ったのはごくごく最近の事で、なにしろ彼が「旅の連れ」から「恋人」という存在に変わったのがつい最近なのだ。
彼はずっと前から大切な「相棒」だったけれど、それ以上の関係になることは、なんとなく以前から予感していた。たぶんそれはガウリイもそうだったと思う。
――そして、それはしばらく経ってから現実になった。
二人きりで居ると甘い空気がふわりと漂う。以前ならわしゃわしゃと撫でられていた髪を、今の彼は優しく手で梳いてくれる。今までに見たことの無かった表情を、ちらりと見せられてどきりとすることが増えた。
……そこまでは良いのだ。そこまでは。
ちゅっという軽い音と、掠めるようなくすぐったい感触。思考の海を漂っていたあたしは、それによって現実に引き戻された。
「リナ、考え事かー?」
のんびりとした声でそう尋ねてきたガウリイは、にこりと笑って、口づけていたあたしの手首から手を離した。
「……もー、それくすぐったいからやめてよ」
「えー?」
勝手に脱がされていた片方の手袋を、これまた勝手に嵌められて、あたしはその手で彼の額にでこぴんをおみまいした。鈍くて小さい音は宿の部屋には響かない。
ガウリイはキス魔だった。
しかも、口と口だけじゃなくて。額とか瞼とか、腕とか背中とか、首筋とか、頭とか、よく分からない所にまで唇を落とす。時には服の上から。その度に、あたしはどう反応して良いのか分からなくて、少し居た堪れない気分になるのだ。
それも、夜そーゆー雰囲気の時にすると言うならまだしも、昼間に何の気なしにしてくるから困るのだ。
まるで、挨拶の延長線上みたいな顔をして。
――下心が、あるのか無いのか。そういうの、悟らせないのがこんなに上手かったなんて。
……あたしはこの相棒を少し甘く見ていたかもしれない。
「ねえ、それ癖なの?」
「何がだ?」
「……その、変なとこにキスしてくるやつ……」
内容が内容なだけに、恥ずかしくなって少し口ごもりながら言うと、ガウリイは照れたようにはにかんで頭を掻いた。
「あー……すまん。なんというか、つい」
「ついって何よ、ついって!」
その、『つい』のせいでこっちがどれだけどぎまぎさせられているか!
「――なんか、安心するんだよな」
「安心……?」
よく意味がわからなくて、首を傾げた。そんなあたしに笑いかけて、彼はぐいと引き寄せたあたしの、今度は後頭部に唇を押しつけた。
――ほら、また。
頭のてっぺんに、ガウリイの唇の温度を感じる。その唇の少しかさついた感触。
「ちょ、ちょっとガウリイっ」
「あはは。悪い悪い」
抗議の声を上げると、ガウリイは笑ってあたしを離した。真っ赤になって頭を両手で押さえるしか出来ないあたし。――慣れてないんだから仕方ないでしょっ!
「……手で触れるより、ずっと分かる気がするんだ」
「何が?」
「んー……ぬくもりって奴か?」
言って、彼は自分の言葉に恥ずかしくなったように、視線を逸らす。その気恥ずかしさは、あたしにも思いきり伝染した。
「な、なにそれもー意味わかんないっ!」
「オレもよくわからんっ!」
「開き直るなっ!!」
ぱしん、と懐から取り出したスリッパで彼の頭をはたくと、自称保護者はその勢いのままに宿のベッドに仰向けに倒れ込んだ。
「……あたしは、普通の……の方が良い」
しばらくして。ぼそり、と小さく呟いたあたしに、ガウリイはむくりと起き上がり、きょとんとした顔であたしの顔を窺う。
「ん、リナ。今何て言ったんだ?」
黙って顔を背けたあたしは、でも彼の視線に耐えられなくなって、両手で顔を覆う。
「……~~っ! あたしは、普通のキスの方が良いって言ってんの!!」
やけくそ気味にそう叫んだ。あたしの声が、宿の小さな部屋に響く。叫んでしまってから、宿の部屋の壁の薄さが気になった。
気恥ずかしさで頭が沸騰しそうである。顔が熱い。さっきよりも赤くなってしまっているかもしれない。
そんなあたしを眺めながら、彼は本当に嬉しそうににこにこと笑った。
「……そっか」
にっこり。にこにこ。……にまり。
そんな効果音が聞こえて来そうな笑顔に、あたしは内心はっとする。
――まさか。まさか……。
もしかして、あたしがそう言いだすの、待ってた……?
「じゃ、そうしようか」
優しく言ったガウリイがあたしの頬に手を添えて。
「……あ、ちょっと待って」
「待たない」
ゆっくりと、でも確実に近づいてくるガウリイの笑顔を見て。
あたしは敗北を確信したのだった。
おわり!