ゆるい感じで。

「スレイヤーズ」のガウリナメインの二次創作ブログサイトです。原作者様、関係者様には一切関係ございません。

放課後物語16(後日談②)

2010-05-15 20:23:11 | 放課後物語(ガウリナ/完)

幕間以外全くゼルアメ要素が無いことに気が付いたので...(汗)
ガウリナ後日談の対の話です(´・ω・`)

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「ゼルガディスさぁ~んっ♪」
遠くの方から走って来る黒髪の少女を見つけて、ゼルガディスの顔が無意識に綻んだ。

「アメリアか。どうした?」
「いえ、ただちょっと話したかったので」
アメリアがにこりと笑う。
「そうか..」
ゼルガディスは少し赤くなった。
全く慣れない。こんな風に純粋に慕ってくれる存在など、今までいなかったのに...

「もしかして今から剣道で忙しかったですか?」
「いや、今日は練習は無いハズだ」
思わず嘘をついてしまった。実は練習があったりする。
「良かった」
アメリアが嬉しそうに笑うから..ゼルガディスは心の中で苦笑する。
彼女の存在が自分の中でこんなにも大きくなるとは...
「アメリア、今日は何処かにいかないか?その..この前の礼もしていないし」
「え...?」
「いや..その、少しぐらいならおごってやっても構わないし」
ゼルガディスは自分の口から出てきた言葉に驚いた。
「い..いやなら別に構わないが」
今更とても恥ずかしくなる。
「いえっ!とっても嬉しいです」
ゼルガディスには、アメリアの笑顔が眩しかった。


「ゼルガディスさん」
「なんだ?」
「コレ、可愛くないですか?」
ふらりと立ち寄った街の雑貨屋で、アメリアが指差したのはちょっと間抜けな顔をした、熊のぬいぐるみ。

「そうか?」
「可愛いですよ!」

ムキになるアメリアがかわいらしくて、ゼルガディスは思わず小さく笑った。
「なに笑ってるんですかゼルガディスさん!」
アメリアが少し拗ねた声を出す。
「いや、お前さんといるのは楽しいと思ってな」
途端にアメリアが顔を赤くした。
「わたしも楽しいです..」
「...またこうやって出かけたいと思った」
「わたしもそう思いました!」
二人は顔を見合わせて、そして照れながら笑い合った。

「ゼルガディスさん」
「..なんだ?」
「わたし今、凄く幸せな気持ちです」
「そうか..」


終わり

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なんかキャラ違うとか言わないで下さいっ(>_<)
一番はガウリナだけど、ゼルアメも可愛いなぁ...。


放課後物語15(後日談)

2010-05-15 20:21:26 | 放課後物語(ガウリナ/完)

放課後物語14の続きです。

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それから、ガウリイとゼルガディスの悪い噂は見事に消え、二人に平穏な毎日が戻って来たようである。

「なぁ、リナ」
「あによ、ガウリイ」
そしてリナとガウリイは学食で豪快な昼食を取っていた。
出会った日と同じように。

「オレさ、ずっと前から好きな子がいるって言ったろ?」
「う..うん」
リナは思わず料理を口に運ぶ手を止める。

「その子に告白しようと思うんだ」
「..そう」
リナは胸がキュンと痛くなるのを感じた。そして今更ながらに気付いた。

―――そうか、私、ガウリイの事好きなのか。
でも、ガウリイには幸せになって欲しい。彼を止める事はリナには出来ないだろう。それに、リナはガウリイと出会ったばかりだ。長年の彼の想い人には勝てないだろう。

「だからな、リナ...付き合ってくれないか?」
「...は?」
悪い冗談はよして欲しい。
「実はオレお前さんの事ずっと前から知ってたんだよ。声掛けたのは最近だけど」
「い..いつからよ?」
リナは思いっきり動揺していた。..というか、これで動揺しない方がおかしい。

「今年の春、リナたちが入学してすぐだよ。お前さんが不良に絡まれて張り倒してるの見て、ずっと気になってたんだ」
リナは今年の4月の事を思い出していた。
そう、その不良たちはか弱い女の子を連れ込んで悪さしようという最低な連中で、リナは即座に全員張り倒したのだ(ついでにポケットから少しばかり慰謝料も頂戴しておいた)。

「ホントは助太刀しようと思ったんだがな、不良相手に立ち回るお前さんに、ついみとれちまった」
「...っ!!」
ガウリイのさらりと言った言葉にリナは真っ赤になる。
「なんども声かけようと思ったんだがなぁ、どうにもタイミングが悪くてさ..」
「...」
リナは何も言えない。
「それで、実際話してみて、もっと好きになった。この前のオレの彼女のフリ..実は結構嬉しかったんだぞ」
ガウリイはちょっと照れたように笑った。

「..それで、リナの返事はどうだ?」

リナは一つ深い深呼吸をした。
そして...

スパァァァンっ!!

「いってぇ!」
「アンタね!そーゆー話はもっと場所考えてしなさいよ!!ってゆうか紛らわしいのよ!ずっと前から好きな女の子がいるなんて言うからちょっと落ち込んでた私がバカみたいじゃないの!!」
「リ..リナ?」
思わず大声を出したリナに学食中の学生が振り向いた。

「....あ」
「リナ、今の発言は...」
「ちょ、ちょっと待って!!今のナシ、今のナシ!!」
「おいおい..ってゆうか、さっきのスリッパは何処から出した?」
「うるさいわね、乙女のたしなみよ!」
「どこがだよ..」
ガウリイは一つため息をつく。

「じゃあ、さっきのはナシで良いから、もう一度聞くよ。オレの事..好き?キライ?」
答えが分かってるからそんな風に聞くのだろう。
リナはちょっと悔しかったが、思いっきり身を乗り出して、ガウリイの耳元に唇を寄せた。

「――スキよ..私も」

ガウリイはとろけそうな笑みで「ありがとう」と言って、リナは「どういたしまして」と笑って。
二人は食べかけのポテトを口に入れたのであった。


終わり

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ここまで読んでくれた皆様、とんでも長くなってすいません(汗)
しかも最後がポテトって..(笑)
こんなダメ小説でも、面白がってくれる人がいたら幸いです(´ω`)


放課後物語14

2010-05-15 20:19:50 | 放課後物語(ガウリナ/完)

放課後物語13の続きです。

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「ガウリイっ!」
「...っ!?」

振り返るとガウリイが優しい目でリナを見つめていた。
問題の彼女はというと、驚愕のあまり呆然としている。..しかし、すぐに何かに気付いたように視線を鋭くした。

「ハメたわね!?」
「ええ、ハメさせて頂きましたよ。文学部2年のマリア=テレグラムさん」
「!?」

いきなり現れた白衣の教授に、彼女はさらに驚いたようだ。

「ここが何処だか分かります?」
ゼロスは一見優しく見える冷たい笑顔で言った。
「...学内放送室前の廊下」
「ぴんぽーん♪正解です。そして実は、ここの扉、うっすら開けてたんですよ」
事情が飲み込めて来たのか、彼女はだんだん青ざめて来た。
「...まさかっ」
「そうです、ここの扉の隙間にミニマイクを仕込んで、リナさんと貴方の会話を録音させて頂きました♪」
「...!!!」
「し・か・も♪」
ゼロスは物凄く楽しそうである。

「今までの会話は全部生でキャンパス中に放送されてました!!あなたの悪行もここまでよ!!!」
いきなり放送室のドアを開けて廊下に飛び出て来たアメリアは、満足気にそう宣言した。

「あああ、恥ずかしかった。ガウリイの彼女のフリだなんて..」
リナは額に手を当ててため息をついた。
「でも、なかなかの作戦だったでしょう?」
「まあね..」
軽口を叩くゼロスとリナ。

「あああああ!!」
マリア=テレグラムはその瞬間にがっくりと膝をついた。

「これに懲りて、これからは大人しくしているんだな」
アメリアに続いて放送室から出てきたゼルガディスは、ゆっくりと言った。

そして...
「テレグラムさん、悪いがあんたと付き合う気は全くないから、他を当たってくれ。それから、もうオレたちに迷惑を掛けないでくれ」
ガウリイの一言で、全ての決着が着いたのである。


後日談に続く。

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ようやく問題解決です。...ってゆうかマリアさん悪女にしすぎた(苦笑)


放課後物語13

2010-05-15 20:17:29 | 放課後物語(ガウリナ/完)

放課後物語12の続きです。
修羅場!修羅場!(笑)

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「...で、私に何の用かしらインバースさん」
「ええ..」

次の日の朝、リナは問題の彼女を大学内のある場所に呼び出したのであった。

「端的に言うと、ガウリイの悪い噂を広めるの止めてくれないかしら」
「...貴方は彼の何なの?」
「恋人よ」

勿論嘘である。
しかし、問題の彼女は明らかに動揺した。

「う、嘘よ!彼には彼女はいないハズだもの!!」
「誰にもバレないように付き合ってたのよ。だから彼があなたをもて遊ぶような人じゃないって、良く分かってるわ」
リナは出来るだけ冷静な態度を取った。なるべく相手を追い詰めるように。

「どうして『もて遊ばれた』なんて言うのよ。彼はあなたに何もしてないハズよ」
「....何もしてないからムカつくのよ!」

釣れた!
リナは内心大きくガッツポーズを取った。

「私は好きな男を落とせなかった事なんて一度も無いわ!なのにあの人は、全く見向きもしてくれない..あなたが彼女?笑わせないで!!私の方がずっと魅力あるわ!あなたみたいにペチャパイじゃないしね」

ぷちり。

リナは自分の一部の何処かが切れた音を聞いた。

「大体彼、あんな遊んでそうな見た目してるから、誰も噂を怪しまないのよ。..あのグレイワーズとか言う人も、あんな明るい銀髪じゃねぇ」
「..ゼルガディスは生まれつき肌が弱くて髪の色素が薄いのよ」
「へえ...でもそんな事どうでも良いわ。私はガウリイ=ガブリエフをモノにしたい。その為に誰がどうなろうが知ったこっちゃないわ!」

リナはいい加減に彼女を殴りつけたくなって来た。しかし、彼女の言葉は続く。

「ねぇ、あなた彼の恋人なんでしょ?別れて私に彼を譲ってくれたら、噂止めて上げても良いわよ」
にっこりと、彼女は邪気のない顔で言った。

「私が何も言わない限り、噂は止まらないわよ。皆、こうゆう噂はか弱い女の子の方を信じるに決まってるんだから」

ここまで分かりやすく悪い女がいるだろうか。リナは呆れて物も言えなかった。
...が、ここで何もしないリナではない。

「インバース・ロイヤルクラッシュ!!!」

めきょっ

リナの拳が彼女のボディに炸裂する。
「な、何するのよ!!」

「うるさいわね!!黙って聞いてりゃ自分勝手な事ばっかり言っちゃって!アンタどーゆー神経してんのよ!!...ってゆうかペチャパイって言うな!!!」
リナにとって胸の話は禁句である。

「それにガウリイもゼルも遊び人なんかじゃないわよ!!イイヤツよ!」

リナのいきなりの剣幕に彼女はすっかり腰を抜かしているようだ。

「それに、それに..ガウリイには、ずっと好きな女の子が..」
リナは思わず熱くなって、言葉に詰まる。

その時、突然誰かに肩を叩かれた。

「もういいよ、リナ。ありがとう」


続く。

放課後物語12

2010-05-15 20:16:21 | 放課後物語(ガウリナ/完)

放課後物語11の続きです。
当初思ってた以上に話が長くなってます(苦笑)

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「では皆さん、お二人の汚名を晴らすために、どういった考えをお持ちですか?」
「...」
実は何にも考えていなかったりする。
しかし、リナはそれをゼロスに言うのが大いに癪だった。

「いや~、何にも考えてないぞ」

のほほんと言ってのけた問題の張本人に、リナは無言で肘鉄を喰らわせた。
「なんだよリナ、痛いじゃないか」
「アンタね、何でそうバカ正直なのよ。気が抜けるじゃないの!」
「?」
「そこは何か考えがある様な態度取っとく場面でしょーが!!」
「リナよ..嘘は良くないぞ」
「...もう良いわ」
リナは大きくため息をついた。

「リナ..夫婦漫才してる場合じゃないわ」
「全くだ..」
「な、だ、誰が夫婦よ!!...ってゆうか、ゼロスには何か考えあるわけ!?」
アメリアとゼルガディスのジト目に焦りつつ、リナは話題を戻した。

「ええ、まあ、簡単な話なんですがね」

ゼロスは事も無げにとんでもない説明を始めたのだった。