「交錯恋愛31」の続きです(´ω`)
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「ああリナさん、奇遇ですね」
「....」
にこにこ顔で近寄ってくる男に、あたしは内心舌打ちした。
「サークルの帰りですか?」
「..そーよ」
「じゃ、途中まで一緒に帰ってもかまいませんよね?」
あたしの表情を見てか、ゼロスは苦笑した。
「やですねぇ、そんな仏頂面しないで下さいよ」
ひらひらと手を振ってみせる彼は、相変わらずの黒髪のおかっぱ頭だ。...おかっぱ頭が似合う男なんて、世界で彼一人じゃないだろうか。
「あんたと一緒に居て良いことがあった試しがないのよ」
しょーがないので一緒に歩き出す。
額に手をあてるあたしに、彼はきょとんとしてみせた。
...白々しい。
「僕なんかしましたっけ?」
「あんたがべたべた引っ付いてくるから、あらぬ誤解を招くっつってんのよ!」
ゼルとの二股疑惑を掛けられるのはしょっちゅうである。...まぁ、そんな疑惑を信じるのはあたしのことを知らない輩ばっかりだけど。
「...それに、あんた人の不幸見て喜んでる節があるでしょ」
「まぁ、それは否定しませんけど~」
「否定しなさいよっ!」
我ながらなかなか酷い台詞を吐いたつもりでいたが、相手は全く動じていないようである。
「...と、とにかくあたしは敬語でにこやかな奴って信用しないようにしてんの!」
「ヒネた人生送って来たんですねー」
「うっさい...」
なんだかんだ言いながら二人で並んで歩く。
──誰かに見られてないと良いんだけど...。
いや、まぁ見られててもそこまで問題ないんだけど...
「りーなーさんっ」
ちゅっ
「!!」
鼻の頭に感じた感触に、あたしは思わず飛び退いた。
「何考え事してるんですかぁー。隙だらけでしたよ?」
「~~~っ..!!」
全身の血が頭に登っていくのが自分でも分かる。
「何してくれちゃってんのよ!!」
「鼻にちゅーしたんですよ」
あっけらかんと言われて目眩がする。
こ、こひつ...!
「ほんとは唇が良かったんですけど..」
「唇だったら今ここで殺してるわよ」
思い切り睨んで言うと、ゼロスは目をきらりと光らせた。
「ああ、そんな目で見ないで下さいよ。...たまらないじゃないですか」
──なんでコイツ、こんな嬉しそうなの?
「こんの変態サド男ぉぉ!」
あたしは取り敢えず、叫んでこの場を逃げ出す事を選択したのだった。
続く
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え、ゼロリナ?違いますよ~。
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「ああリナさん、奇遇ですね」
「....」
にこにこ顔で近寄ってくる男に、あたしは内心舌打ちした。
「サークルの帰りですか?」
「..そーよ」
「じゃ、途中まで一緒に帰ってもかまいませんよね?」
あたしの表情を見てか、ゼロスは苦笑した。
「やですねぇ、そんな仏頂面しないで下さいよ」
ひらひらと手を振ってみせる彼は、相変わらずの黒髪のおかっぱ頭だ。...おかっぱ頭が似合う男なんて、世界で彼一人じゃないだろうか。
「あんたと一緒に居て良いことがあった試しがないのよ」
しょーがないので一緒に歩き出す。
額に手をあてるあたしに、彼はきょとんとしてみせた。
...白々しい。
「僕なんかしましたっけ?」
「あんたがべたべた引っ付いてくるから、あらぬ誤解を招くっつってんのよ!」
ゼルとの二股疑惑を掛けられるのはしょっちゅうである。...まぁ、そんな疑惑を信じるのはあたしのことを知らない輩ばっかりだけど。
「...それに、あんた人の不幸見て喜んでる節があるでしょ」
「まぁ、それは否定しませんけど~」
「否定しなさいよっ!」
我ながらなかなか酷い台詞を吐いたつもりでいたが、相手は全く動じていないようである。
「...と、とにかくあたしは敬語でにこやかな奴って信用しないようにしてんの!」
「ヒネた人生送って来たんですねー」
「うっさい...」
なんだかんだ言いながら二人で並んで歩く。
──誰かに見られてないと良いんだけど...。
いや、まぁ見られててもそこまで問題ないんだけど...
「りーなーさんっ」
ちゅっ
「!!」
鼻の頭に感じた感触に、あたしは思わず飛び退いた。
「何考え事してるんですかぁー。隙だらけでしたよ?」
「~~~っ..!!」
全身の血が頭に登っていくのが自分でも分かる。
「何してくれちゃってんのよ!!」
「鼻にちゅーしたんですよ」
あっけらかんと言われて目眩がする。
こ、こひつ...!
「ほんとは唇が良かったんですけど..」
「唇だったら今ここで殺してるわよ」
思い切り睨んで言うと、ゼロスは目をきらりと光らせた。
「ああ、そんな目で見ないで下さいよ。...たまらないじゃないですか」
──なんでコイツ、こんな嬉しそうなの?
「こんの変態サド男ぉぉ!」
あたしは取り敢えず、叫んでこの場を逃げ出す事を選択したのだった。
続く
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え、ゼロリナ?違いますよ~。