これもぷらいべったーより転載です。
診断メーカーお題『甘くて蕩けてしまいそう』
めちゃくちゃ甘ったるいです注意。思いが通じたばかりの二人。
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「リナ」
囁かれる名前が甘ったるくてむずむずする。至近距離であたしを見詰める、アイスブルーの瞳が蕩けている。そんな彼の瞳に映る、あたしの顔を見ていられない。
「……待って」
「待たない」
有無を言わさぬ言葉。恥ずかしさが頂点に達して、あたしは彼を押し退けようと両腕を伸ばした。その手を摑まえられて、彼の手のひらの温度を直接感じてしまう。
――嗚呼、なんたる墓穴。
「逃げないでくれよ、リナ」
どこか困ったような、まるで縋るみたいに言われて、なんだか胸がぎゅっとした。
あたしはガウリイを好きで、彼もあたしが好きで。
そんな事はなんとなく前から分かっていたのに、それがはっきりと通じてしまったら、どうにもその事実がとてつもなく気恥ずかしくて、あたしはずっと困惑しっぱなしであった。
おんぶされたことだって、抱きしめたことだって、何度だってあるはずなのに。それでも今、そっと掴まれた手のひらの温度が熱くて堪らなくて、それだけで心臓の音がうるさくて胸が痛い。
「リナ」
もう一度呼ばれる。今度は顔を背けずに、あたしは意を決して目を閉じた。
息を呑む声が聞こえる。
「ガウリイ、はやく」
「なっ、お前さんなあ……」
びっくりしたような声に、あたしは思わず目を閉じたまま顔を左右にぶんぶん振った。
「攻撃呪文唱えださないうちに、早くって言ってんのよっ!」
この恥ずかしさに耐えられるのは、もってあと数十秒だ。そんな良く分からない自信があった。
「……わかった」
「ひゃっ、んむ……」
触れた唇が熱い。かさついた感触。何度も触れては離れるそれに、そっと目を開けると目の前にブルーの瞳があった。きゅっと握られた指先に熱が籠る。
「あっ、ちょっと、やっぱりタンマ……っ」
「待たないって」
裏返った声の静止は、聞いたこともない低く熱い吐息交じりの声に跳ね返されて。
「ひあっ……、んっ、ふっ……ぁ」
合わせた唇から入ってきたナニカに、あたしはなすすべもなく身体の芯を抜かれてしまうのだった。
オシマイ!
診断メーカーお題『甘くて蕩けてしまいそう』
めちゃくちゃ甘ったるいです注意。思いが通じたばかりの二人。
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「リナ」
囁かれる名前が甘ったるくてむずむずする。至近距離であたしを見詰める、アイスブルーの瞳が蕩けている。そんな彼の瞳に映る、あたしの顔を見ていられない。
「……待って」
「待たない」
有無を言わさぬ言葉。恥ずかしさが頂点に達して、あたしは彼を押し退けようと両腕を伸ばした。その手を摑まえられて、彼の手のひらの温度を直接感じてしまう。
――嗚呼、なんたる墓穴。
「逃げないでくれよ、リナ」
どこか困ったような、まるで縋るみたいに言われて、なんだか胸がぎゅっとした。
あたしはガウリイを好きで、彼もあたしが好きで。
そんな事はなんとなく前から分かっていたのに、それがはっきりと通じてしまったら、どうにもその事実がとてつもなく気恥ずかしくて、あたしはずっと困惑しっぱなしであった。
おんぶされたことだって、抱きしめたことだって、何度だってあるはずなのに。それでも今、そっと掴まれた手のひらの温度が熱くて堪らなくて、それだけで心臓の音がうるさくて胸が痛い。
「リナ」
もう一度呼ばれる。今度は顔を背けずに、あたしは意を決して目を閉じた。
息を呑む声が聞こえる。
「ガウリイ、はやく」
「なっ、お前さんなあ……」
びっくりしたような声に、あたしは思わず目を閉じたまま顔を左右にぶんぶん振った。
「攻撃呪文唱えださないうちに、早くって言ってんのよっ!」
この恥ずかしさに耐えられるのは、もってあと数十秒だ。そんな良く分からない自信があった。
「……わかった」
「ひゃっ、んむ……」
触れた唇が熱い。かさついた感触。何度も触れては離れるそれに、そっと目を開けると目の前にブルーの瞳があった。きゅっと握られた指先に熱が籠る。
「あっ、ちょっと、やっぱりタンマ……っ」
「待たないって」
裏返った声の静止は、聞いたこともない低く熱い吐息交じりの声に跳ね返されて。
「ひあっ……、んっ、ふっ……ぁ」
合わせた唇から入ってきたナニカに、あたしはなすすべもなく身体の芯を抜かれてしまうのだった。
オシマイ!