ゆるい感じで。

「スレイヤーズ」のガウリナメインの二次創作ブログサイトです。原作者様、関係者様には一切関係ございません。

消せない繋がり【1】(ガウリナ)

2013-05-30 20:24:37 | スレイヤーズ二次創作
ちょっとシリアス目指してみました。
時間軸としては二部後かな?

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不覚。
あたしは両手足をふん縛られ、猿ぐつわまで噛まされていた。
あたしとした事が...──盗賊いぢめ、失敗。


一時間前、あたしはいつものように宿をこっそり抜け出し(ついでにガウリイを眠らし)、近くの森をねぐらとする盗賊団を襲った。

攻撃呪文をぱかぱか撃って、誘き出した盗賊を大体しばき倒した後、あたしは悠々と宝がありそうな所を探していた...のだが。
「──おい」
背後から響く低い声にびくん、とする。
振り返れば、そこには一人の剣士が立っていた。
年の頃なら二十歳過ぎ。黒い髪を長く伸ばした、長身の男。全身髪と同じく黒ずくめ。軽めの装備は、ガウリイと同じくライト・ファイタータイプ。
でもたぶん、ガウリイよりは小さい。
彼はなかなかのハンサムで、その顔には怒りの色が浮かんでいた。

あたしは一つ深呼吸して、言った。
「あのぅ、あたし、道に迷っちゃったんですけどー。ここ、どこだかご存知ありません?」
意識的に高い声を出し、目を潤ませる。
──秘技、ぶりっ子!

が、彼には効かなかったらしい。
「悪いが嬢ちゃん、俺はあんたがさっき火炎球(ファイヤー・ボール)やら爆裂陣(メガ・ブランド)やらぶちかましてる所を見たんでな」
「うっ...」
彼は既に抜き身の剣を構えていた。
「俺はこの盗賊団の用心棒だ。悪いがこのままあんたを帰す訳にはいかねえ」
あたしも慌てて腰に差したショート・ソードを抜き放った。
あたしの勘では、手を抜ける相手ではない。

「光よ(ライティング)!」
「ぐあっ」
不意討ちで目潰しをしかける。が、彼はそのまま真っ直ぐ突っ込んできた。
──速いっ!

ガキンッ

彼の一撃をショートソードで受け止める。
が、あたしは押されていた。一撃が重いのだ。
──こりはヤバいかもしんない。


...実際、ヤバかった。
というわけで、魔道ではこれっぽっちも負けるつもりは無いが、力負けしたあたしはあっさりうち据えられ、気が付いたら捕まって身動きが取れない状態になっていた。
まさか奴がこんなに強いとは思わなかった。戦闘力ならガウリイには及ばずとも、あたしには完全に勝っている。
──くくぅっ、あたしのお宝さんがっ!
なんて言ってる場合ではない。命の危機である。

...が、何故あたしはこんな風に捕まっているのだろうか。それが疑問だった。
あたしはお宝を盗んではいない。盗賊たちを大半やっつけた事への復讐なら、あの場で殺してしまえばいい。

冷たい地面からなんとか起き上がり、辺りを見回すと、ここはどうやら蔵か何かのようだった。
防具やら荷物やら、良くわからないものがごろごろ積んである。

「目が覚めたか?」
声をかけられ、あたしは顔をあげた。
憎まれ口でも返したかったが、猿ぐつわがあるから「ふぬふぬ」としか返せなかった。
そこにいたのは、やはりさっきの用心棒。あまり盗賊らしくはない見た目なので、短期で金で雇われているのかもしれない。

「嬢ちゃん、もしかしてリナ=インバースって名前か?」
「......」
名前を知られている。怖いので、『イエス』とも『ノー』とも取られないように、ただ彼の目を見つめ返した。

「俺は...マルクという」
「ふぬ...」
返事がちょっとカッコ悪いのは勘弁願いたい。
「あんたがもし『盗賊殺し(ロバーズ・キラー)のリナ』なら、あんたの連れに男がいるはずだ。剣士、ガウリイ=ガブリエフ...」
「...!」
あたしは思わず目を見開いた。
まさかここでその名前が出るとは思わなかったのだ。
なにせ、自慢じゃないがあたしの名前は有名だ。それも悪い方に。
...だけど、ガウリイはそうではない。いつも名が出るのはあたしの方。

「俺は奴に復讐する。だから盗賊なんぞに雇われ時を待っていた」
「ふぬぬう...」
──我ながら気が抜ける返事である。

しかし、また『復讐』とは難儀な。ガウリイ君、一体何をやらかしたのだろうか...。きっと何か事件に巻き込まれて逆恨み──...とか?

考えていると、マルクは小さく笑った。
「その様子じゃあ、あんたが奴の連れで間違いねえようだな。...それにしてもあんたみたいな嬢ちゃんが『盗賊殺し』ねえ...」
「......」
近付いてくるマルクにあたしはずりずりと後ずさる。手足が使えない上に猿ぐつわ。厄介だ。
睨むあたしに、マルクは囁いた。

「あんたは知っててあいつと一緒にいるんだろうな?...あいつは人殺しだ。奴は、俺の大事な人を殺した。...だから、俺は奴の前であんたを殺そう」
「...!」
憎悪に満ちた瞳を目前に、あたしはどうすることも出来なかった。


続く

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続いちゃいました。


いまさらTRY

2013-05-30 19:49:22 | 日記・雑記
就活中になにやってんだと思われそうですが(笑)

ようやくTRY観てます!なんとなく色々不評でしたし一度3話くらいまで観て挫折したので今まで敬遠してたんですが、思い立って、今14話くらいまで視聴しましたー!!

いや、今までごめんなさい。
TRYも面白いじゃないか!!!

意外とTRYもガウリナしてて、今までちゃんと観ていなかった自分を殴りたくなりました。
うおおおガウリイがちゃんと保護者してるううう!
・・・・・・でもやっぱり結構やられるシーン多いけど(泣)あとお馬鹿度あがってるうう(涙)

いや、でも面白いです。続きが気になります。
みんなかわいい。レボエボも楽しかったですが、やっぱり「面白い!!」と思うのはTRYまでかなあ・・・うむむ。
いやいやいや、またアニメ化やってくれることを期待しますよ。第6期!
ゼルアメ出して良いから原作2部アニメ化してくれないかなー。
それか一部から全部原作を忠実に再現してアニメ化・・・なんて、それはちょっと無理あるかもですが。

おたくの願望は尽きることがありませぬな。
ではでは!


ぱんぱかぱーん

2013-05-29 01:33:57 | 日記・雑記
どもですー^^

最近なんだか創作意欲が上がって(というか現実逃避?)ちょこちょこ小説を更新出来ていて嬉しいあきらです。
とは言ってもまたすぐ更新止まるかもですが(汗)

そんなこんなでスレイヤーズ二次創作カテゴリがめでたく100になりました!やったね!
塵も積もればなんとやらですね^^

記念になんかやりたいなー。
と、思いつつ考え中です。
もしリクエスト頂けたらたぶん喜んで書きます。
なくてもなんか勝手に書きます(笑)

時間あるうちにTRY観て燃料にしようかしら。とか、考えてるあきらでした。(未だ未視聴)
ではではまた次回!



いつかきっと(ガウリナ)

2013-05-29 01:27:03 | スレイヤーズ二次創作
ガウリナの未来に乾杯!

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あたしたちは街道を歩いていた。
明るい日差し、爽やかな風。絶好のお散歩日和である。
「...さて、もうすぐゼフィーリア王国領に入るわよ、ガウリイ」
隣を歩くガウリイに声をかけると、彼は朗らかに笑った。
「楽しみだなあ。ゼフィーリアに行くのは初めてだ」
「ぶどうの季節は過ぎちゃったけどね...」

ルークとの死闘の後、あたしたちはゼフィーリアを目指して旅をしていた。一度故郷に帰るために。
しかし、旅の途中でなんだかんだ色々な事件に首を突っ込んでいるうちに、いつの間にかゼフィーリアへの旅を始めてからかなりの日にちが経っていた。
──それに。このゼフィーリアへの旅を提案したのはガウリイだ。あたしの故郷を見てみたいという。だけど、あたしはいまいち彼の真意が掴めていなかった。

「じゃあ今は何が旬なんだ?」
「んー...何かしらねえ。苺とかかしら」
「おお!オレは苺も好きだぞ」
ゼフィーリアの話をするときのガウリイは始終楽しそうだ。勿論、あたしだって楽しみなのだけど。
なんだか、変に照れてしまう。

「──なんか、妙に嬉しそうよね」
「まーな。リナの実家とか、見てみたいし。楽しそうだよな」
何気なく言われた『実家』という単語にどきりとした。

「あたしの実家行って...どうするつもりなのよ?」

今まで聞きたくて聞けなかったことだ。心持ち真面目な声色で、ガウリイの目を見ながら聞いてみる。
「どうするって?」
きょとんとした顔で返される。
「...まぁまさかとは思うんだけど!──お嬢さんを下さい、とかやっちゃうつもりだったり...しないわよね?」
だんだん気恥ずかしくなって、あたしは視線を逸らした。最後はちょっと声が小さくなった気がする。

「......」
「あああやっぱり今のなしッ!まさかよねー。ははは」
耐えきれなくなって自分で発言を撤回する。
顔から火が出そうである。

「......」
未だ無言のガウリイ君。これ以上黙っているようなら攻撃呪文を一発かましてやろうかと見上げてみると、彼はちょっとだけ赤くなっていた。
「...あー、バレちまってたかあ」
苦笑しながらあたしの頭をくしゃり、とやる。
「お嬢さんを下さいっていうより、お嬢さん貰いますって、かっさらうつもりだったんだけどな」
「ちょっ...」
あっさりトンでもない事を言うガウリイである。
「リナも一緒にびっくりさせてやろうかと...」
「そ、それは誘拐っつーのよ!あたしの意思が無いじゃないっ」
赤面しつつ抗議する。
あんまりにもあんまりだと思ふ。
「リナ嫌かあ?」
「あったり前じゃ...うう」

あっけらかんと聞いてくるガウリイに、あたしは返事に窮した。『嫌』というのは、何に対しての質問なのか。
ガウリイは、なんだか余裕の笑みであたしを待っていた。
──このくらげ頭っ!

ただ、あたしも簡単にかっさらわれるつもりはない。
「嫌よ。今のままなら」
腕を組んで、相手をひたりと見据えた。
「順序ってもんがあるでしょガウリイ。あなた、あたしをどうしたいの?」
言ってやると、ガウリイは笑ってその場でひざまづき、あたしの手を取った。
姫にかしずく騎士のように。

「リナ、好きだ。お前さんと、これからもずっと一緒にいたい。保護者としてじゃなく...恋人として。家族として」
──それがずっと聞きたかった。ずっと。

「リナの家族に会って、挨拶したい。リナと出会えた事を感謝したい。...駄目か?」
ひざまづいたガウリイを、珍しく上から見下ろす。
いつも見慣れた優しい青い瞳は、今はいつになく真剣で、日の光を受けてきらきらしていた。

「...許してあげる」
小さく頷くと、ガウリイは破顔した。

ぴゅー。
どこからともなく指笛の音。そしてパラパラと拍手が聞こえる。
慌てて辺りを見回すと、なんと5、6人の見物人があたしたちがあたしたちを囃し立てていた。

「あ、あ...ああああ!」
あまりの恥ずかしさに真っ赤になって頭を抱える。
そうだ、今いる場所を忘れていた。あたしたちは街道のど真ん中で今のこっぱずかしいやり取りをしていたのだ。
「...や、やめろよリナ。呪文は駄目だ」
あたしに危険なオーラを感じたガウリイがあたしに釘を指す。...が、あたしはもう呪文を唱えていた。

「『翔封界(レイ・ウィング)』!!」
ガウリイの腕を捕まえて、その場からとにかく逃げる。
「のわあああっ」
情けない悲鳴をあげるガウリイに、あたしは内心舌を出した。
──まったく、このあたしを長いこと振り回してくれちゃって!
...さっきのガウリイの台詞が、頭の中をリフレインしている。顔が赤らみ、鼓動が早くなるのを自分でもはっきり感じていた。

...それにもうひとつ、悩みが出来てしまった。
あたしもガウリイを好きだ、と。いつ告げるべきか。
タイミングを逸してしまった。

実家に着くまでには必ず、と決心しながら、あたしは必死で術を制御するのだった。


終わり

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原作二部後は妄想が膨らむばかりですね(^p^)


「君」が好き(ゼルアメ)

2013-05-27 22:42:59 | スレイヤーズ二次創作
アニメ風?原作風?ゼルアメはちょっと配分が難しいですね。

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夢を見た。
悪夢だった。今までに何回も見た夢だ。
レゾの研究室に連れていかれる。その後自分がどうなるか分かっているのに、拒否出来ない。得体の知れない実験器具、緑色の液体に浮かぶ実験動物たち...。
いつの間にか、俺はもう《合成》されていて、鏡に映る自分の姿におののく。
──嗚呼、ゼルガディス。強くなりたかったのでしょう?どうです、今の姿は...
とても軽い口調でそう問われて、俺は絶叫した。
──おやおや、これは《失敗》かもしれませんね。


「......!」
はっとして目を開けると、視界いっぱいに天井が広がった。
ここは宿屋だ。そう認識するまでにしばらくかかった。
薄暗いが、どうやら夜明けは近いらしい。
窓から見える空は白み始めていた。

大きく頭を振ってため息をつくと、隣で小さな頭がもぞもぞ動いた。
「...ゼルガディスさん?」
「すまない、起こしたか?」

アメリアと宿の部屋を共にするようになって久しい。
今夜彼女は俺と同じベッドで寝ていた。...つまりそういう事だ。説明は省く。

アメリアは小さく欠伸をして目を擦り、俺を一瞥するとあっと声をあげた。
「ゼルガディスさん、汗びっしょりじゃないですか。顔色も悪い...」
よれたパジャマを直しつつ、アメリアが俺の額に手を置いた。
「熱は無いですね...」
「ああ、悪い。ちょっと嫌な夢を見たもんでな」

とんでもなく嫌な夢だ。
アメリアは頷いて、ベッドから降りた。
「お水、貰って来ますね」
「...悪いな」
薄いローブを羽織って部屋を出ていくアメリアの背中を見つめながら、俺はじとりとした不安が頭の中を占拠していくのを感じていた。

──アメリアは俺を好いていると言った。
だが、「俺」とは一体何を指すのだろう。
この忌々しい身体も今の俺だ。レゾを許す事が出来ず、未だに悪夢を見る自分も。
目的の為なら手段を選ばない。それはずっと変わらない。
だが、アメリアを愛しいと思う自分も、また俺なのだ。
何より、もし自分が元の姿に戻る事が出来た時、その俺は今の「俺」と同じなのだろうか...。

ひどい汗を掻いていた。
俺は手近にあったタオルで身体を拭く。思えば、岩の身体なのに汗を掻く、というのも不思議だ。

「お待たせしました」
ぱたん、と扉を閉めてアメリアが水を差し出す。
俺は有り難くそれを受け取り、一気にあおった。
冷たい水が身体に染み渡り、少し楽になる。

「...アメリア」
「はい?」
彼女は俺の隣に腰掛ける。
「......」
何も言わない俺に、アメリアは優しく微笑んだ。
それは遠い昔を思い起こさせる笑顔だった。熱を出した俺を看病する母さんのような...

「アメリア」
「なんですか?ゼルガディスさん」
「お前は...俺のどこが好きなんだ」
我ながら恥ずかしい事を聞いてしまった。
アメリアは目を丸くした。
「そ、それは所謂ぴろーとーくというアレですか!?」
「ち、違うッ!」
なんだか妙に目をキラキラさせるアメリアに俺は頭を横に振った。
「そんな事を聞くなんて珍しいですね」
「...やっぱり良い、何も言うな」
「いえ。せっかくですからから...」
アメリアは意味ありげに一度こほんと咳をして、俺の手を握った。

「わたしは、ゼルガディスさんのこの硬くても優しい手とか、グレーがかった目とか、それから頑丈でかっこいい身体とか、あと、クールだけどなんだかお茶目なところとか...そんなところが好きです」
自信満々に言われて、俺はちょっと反応に困った。
頭を掻くと、ザラリと硬質な音がする。

「...じゃあ、人間の姿に戻ったら、どうだ?」
重ねた質問に、アメリアは首を傾げた。
「戻ったら?...それも、ゼルガディスさんには変わりないじゃないですか」
「そうか?戻ったら、俺はもうお前の言う頑丈な身体じゃなくなる。今の俺は石人形(ゴーレム)と邪妖精(ブロウ・デーモン)が混ざっている。もしかしたら性格だって、影響を受けているかもしれない」

言ってから、俺はもやもやした不安の原因を突き止めた。
そうだ。俺が人間に戻ったら、俺はもうアメリアが好きな俺ではないかもしれない。
しかし、それでも俺は元の姿に戻るまで、旅を止めるつもりはない。我ながら矛盾している。

俺は思わずアメリアを抱き寄せていた。安心を求めて。...情けない。
「ゼルガディスさんは、姿形が変わっても、ちょっとくらい性格が変わろうが、ゼルガディスさんですよ」
「...なぜ」
呟いた質問に、アメリアは笑った。
「だって、そうとしか言えませんよ。本人が自分のことを『俺はゼルガディスだ!』って思ってて、わたしも『ゼルガディスさんだっ!』って思ってるなら、何も問題ないでしょう?貴方がそう主張するなら...わたしは信じます」
言ってる事は極端だが、その目は真剣だ。
「...暴論だな」
「良いんです。本人が納得すれば、それが正論で、正義です」
アメリアは俺の腕の中から、手を伸ばして俺の頭に手を乗せた。
針金のような髪が指に刺さらないように、優しく慎重に撫でられる。
「...不安、少しは軽くなりました?」
「......」
アメリアには俺の不安が何か分かっているのだろうか。
彼女の表情からは判断が付かないが、とにかく俺は冷たい不安が和らぐのを感じていた。

「...ああ、ありがとう。アメリア」
「どう致しまして。...今度は良い夢を」
彼女を抱き締めたまま瞼を閉じれば、次には幸せな夢が見られる気がした。


終わり

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ゼルガディスさんの心を奮い起たせるのはリナさん、癒すのはアメリアさん、な気がするあきらです。
あと気がおけないのはガウリイさん?
ちょっと中途半端な終わりなのはご容赦ください><