ゆるい感じで。

「スレイヤーズ」のガウリナメインの二次創作ブログサイトです。原作者様、関係者様には一切関係ございません。

だから傍に置いて。(ガウリナ)

2020-01-17 23:30:54 | スレイヤーズ二次創作
Twitterでお世話になっているフォロワーさん、イロハさんの素敵イラストに勝手にSSを書かせて頂きました…と言う事で文章だけ此処に載せちゃいます。
イラストはぜひイロハさんのアカウントを探して見つけてみてくださいませ…(宝探し的な)
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「あたしはさ、やっぱり一人旅が向いてんのよ。ほんとの所は」
 やけに明るい声でそう言うリナは、その顔に困ったような笑みを浮かべていた。

 オレ達の旅には事件やハプニングが付き物で。獣や盗賊どころか、いつの間にやら魔族や魔王と戦っていた事もあった。主にその原因にリナがあるというのは、まあ、オレにも彼女にも否定は出来ないだろう。――けれど、そんな事はいつもの事で。たいして気にしているわけでもなかったわけで。
 ――それが。どうやら、今回ばかりは彼女も堪えているらしい。……ああ、しくじったなあ。何でこんな怪我なんてしたんだ、オレは。 
「いやーほら、ね。気を付けてるつもりだったんだけどさ。……ほんと、ごめんねガウリイ」
 そう言いながら、彼女はくるくるとオレの腕に包帯を巻き、腹に軟膏を塗りつける。ナントカ言う治癒の呪文は、今回はあまり役に立たないらしい。
 魔族との戦い。不意を突くようなリナへの攻撃を、咄嗟に庇って受けたのは良かったものの、捌き切れなかった相手の術をオレはまともに食らってしまったのだった。我ながら不甲斐ない。
「まあ気にすんなって」
 軽く笑いかけてみても、彼女の作った笑顔は奇妙に歪んだままで。その表情には『無理』が見えた。――オレに気を遣わせないための、「自分は気にしていない」と見せかけるためのポーズ。……どう見たって気にしているのが丸わかりである。
 まあ、それも無理はないかもしれない。魔族の術には程度は低いものの毒のような効果があったらしく、傷口はじわじわと熱を帯びて身体が怠い。リナから見たら、オレの思う以上に顔色が悪いのだろう。……毒は簡単に人の命を奪うから。
「――ガウリイは黙ってて。しんどかったら寝ても良いから」
「平気だ」
 だからそんな顔をするなって。そう言ってやりたくて、でも言葉にならずに手を伸ばして彼女の髪を撫でる。その瞬間、リナは一瞬だけ唇を噛んだ。 
「……っ、あたし、なんでか変な事件に巻き込まれやすいっていうかさ。一応考えて動いてるつもりだけど、そんなんだから魔族にも目を付けられちゃったりさ」
「リナ」
「ほんと、なんでこうなっちゃうかな~。今回だってあたしが首突っこんだから問題がややこしくなっちゃって。貴方だけだったらきっとあんな事には……」
「――リナ」
 もう何も言わなくていい。無理して明るく振る舞おうなんてしなくてもいい。
 抱き寄せて目を閉じる。きちんと心臓の音は二つ聞こえている。オレも、リナだって生きている。ならば何も問題なんて無い。
「……ごめん」
 絞りだしたような声に目を開ければ、彼女はやっと無理したような笑みを消して、代わりにぎゅっと眉間に皺を寄せていた。
「らしくないぞ、リナ。いつもは当たり前にオレを巻き込む癖に」
「あたしだって、一応考える事くらいあります~」
 ふい、と視線を逸らしたリナにオレは思わず小さく笑う。
「良いから。……オレがお前さんと一緒に居るのは、オレがそうしたいからだから」
 だから、一人の方が向いてるなんて。そんな。
「――そんな寂しい事言うなよ」
「だって」
「お前さんの背中を守ってやれるヤツは世界中探してもオレだけだろうさ。……今回はちょっと失敗しちまったが。挽回させてくれるだろ?」
 ――だから、傍に置いてくれ。
 一人でもきっと強く生きられる彼女が、それでも寂しい思いをしなくても済むように。

引っ越しました。

2020-01-07 01:27:06 | 落書き
2020年あけましておめでとうございます。
姿月あきらでございます。

ヤプログより引っ越してまいりました。こちらでの記事更新は初めてですね…なんだかどきどき。ということで、せっかくなので描いたばかりのガウリナお年賀絵でも載せようと思います。我ながら可愛く描けたな……!

1月まではヤプログの方のブログも残しておりますが、2月からは本格的にこちらでブログを更新していきたいと思います~。
どうぞよろしくお願いします。

姿月あきら