お久しぶりです。
ガウリナで糖分補給を(笑)
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愛だの恋だの、あたしには無関係だと思っていた。
──しかしどうにも、人生とは不思議なものだ。
「ガウリイ!」
あたしの声に相棒が振り返り、優しく笑う。
「なんだ?」
それだけで、胸がきゅう、と締め付けられる気がした。
「...」
なんだか悔しい。
「リナ?」
不思議そうな顔のガウリイに顔を覗き込まれて、あたしは思想の世界から現実に引っ張り出された。
「あー、ゴメン。あのさ、そろそろ路銀が尽きてきたから、次の街では仕事探すわよ」
「おー。でも、街着いてから言えば良いのに」
「なんでよ?」
「どーせすぐ忘れるし。二度手間だぞ?」
ニコニコ笑う相棒に、あたしは懐からスリッパを引っ張り出したのだった。
「偉そうに言うなっ!」
すぱぁーん!
のんきなガウリイは、きっとあたしの気持ちに気付いていない。
あたしばっかりガウリイの言動に一喜一憂するのは、なんだか不公平だ。これが俗に言う惚れたもん負けなのだろうか。
目的地の宿に着いて、あたしは自分の部屋に荷物を置き、備え付けのベッドにダイブした。
隣の部屋はガウリイで、どさり、という音がしたから、今荷物を置いた所だろう。
ベッドに仰向けになりながら、ふぅ、とため息をつく。
「疲れたぁ...」
特に変わったこともしていないが。
──いや、だからこそかもしれない。盗賊いぢめはストレス発散に最適だもんね。
...よし、今夜は盗賊いぢめに行こう!そんで明日から仕事探せばいいや。
急に楽しみが出来て、あたしは満足げに昼寝にいそしむのだった。
夜。
隣の部屋にスリーピングの呪文をかけて、いそいそと準備を始める。
あたしはマントの下に村娘風の格好で、そおっと窓から飛び降りた。
しゅたっ
あたしの部屋は二回なので、浮遊の術は必要ない。
宿の庭らしき場所に着地して、マントに武器の類いをくるんだ。
早速歩き出そうとした所で、今一番聞きたくない声が頭から降ってきた。
「リナ」
あたしが上を向くと、そこに居たのは窓から身を乗り出してあたしを見下ろすガウリイ君。
──なんで!?
「あ、ぇえっと、あたしはソフィアよ?」
「リナ...」
「...」
なんで寝てないんだ、とかこのパターンは前にもあったとか、色々思うところはあるが、あたしはとりあえず笑って手を振った。
「じゃ、そーゆーことで!」
「おいこらっ、流そうとするなっ!」
ガウリイが窓から軽やかに飛び降りる。その姿はパジャマ。
あたしの隣に着地して、自称保護者はあたしの頭をコツンと叩いた。
「トイレから戻ったら隣の部屋から物音、だ。お前さんまぁた盗賊いぢめに行く気だったな?」
「くくぅ...最近は行ってないわよ!」
「危ないからやめろとあれほどだな...」
長い長い説教が始まりそうなので、どうやって気をそらそうかと考えといると、ガウリイがあたしの姿をしげしげと見つめていた。
「....何?」
「いや、珍しい格好しとるなと思って」
夜の盗賊いぢめの時は、敵の目を欺くために村娘の格好をするのは常套手段だ。
...でも、確かにガウリイに見せたことはあまりないかもしんない。
「どうよ。似合う?」
ぶりっ子ポーズを取ってみせると、ガウリイがジト目でぽりぽり頬を掻いた。
「お前さんなぁ...」
「あはは...」
あたしは肩を竦めて、浮遊の術の呪文を唱え始めた。こうなったらさっさと部屋に戻るが吉だ。
...と、術を使おうとした所でやおらガウリイに抱き上げられる。
「!?」
「おお、暴れるなよリナ」
「なななにすんのよガウリイ!」
突然のことに暴れるあたしをものともせず、あたしを抱えたままさっさと歩き出すガウリイ。
──おいこらちょっと!
恥ずかしいやらなんやらで、顔に血が上った。
「せっかく可愛い格好してるんだから、今日はオレが部屋に運んでやるよ、お嬢さん」
「あ....うぅ」
なんだか恥ずかしい台詞を言いはなったガウリイに、あたしは何も言い返せなくなってしまった。
ドキドキと心臓が鳴っているのを悟られたくなくて、あたしは不平を口にした。
「...こ、子供扱いはやめてよね」
ガウリイは足を止めないで、笑う。
「何言ってんだリナ。これはレディ・ファーストだ」
「脳みそヨーグルトのくせに...」
「あ、それはひどいぞリナー」
いつもの会話は出来るけど、赤くなった顔は隠せない。...周りが暗くて良かった。
「ガウリイ」
「ん?」
「...いや、なんでもない。また今度」
あたしの言葉に、ガウリイは少し残念そうな顔をした。
「そうかー...」
──もしかして、気付いてる...?
あり得ない可能性を考えて、少しどきりとする。
嗚呼、あたしとした事がこんなくらげに振り回されるなんて。
やっぱり、あたしは...「恋」しちゃってるのだ。
終わり
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なんだか微妙に長い上に分かりづらくなってしまいました(>_<)
ガウリナで糖分補給を(笑)
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愛だの恋だの、あたしには無関係だと思っていた。
──しかしどうにも、人生とは不思議なものだ。
「ガウリイ!」
あたしの声に相棒が振り返り、優しく笑う。
「なんだ?」
それだけで、胸がきゅう、と締め付けられる気がした。
「...」
なんだか悔しい。
「リナ?」
不思議そうな顔のガウリイに顔を覗き込まれて、あたしは思想の世界から現実に引っ張り出された。
「あー、ゴメン。あのさ、そろそろ路銀が尽きてきたから、次の街では仕事探すわよ」
「おー。でも、街着いてから言えば良いのに」
「なんでよ?」
「どーせすぐ忘れるし。二度手間だぞ?」
ニコニコ笑う相棒に、あたしは懐からスリッパを引っ張り出したのだった。
「偉そうに言うなっ!」
すぱぁーん!
のんきなガウリイは、きっとあたしの気持ちに気付いていない。
あたしばっかりガウリイの言動に一喜一憂するのは、なんだか不公平だ。これが俗に言う惚れたもん負けなのだろうか。
目的地の宿に着いて、あたしは自分の部屋に荷物を置き、備え付けのベッドにダイブした。
隣の部屋はガウリイで、どさり、という音がしたから、今荷物を置いた所だろう。
ベッドに仰向けになりながら、ふぅ、とため息をつく。
「疲れたぁ...」
特に変わったこともしていないが。
──いや、だからこそかもしれない。盗賊いぢめはストレス発散に最適だもんね。
...よし、今夜は盗賊いぢめに行こう!そんで明日から仕事探せばいいや。
急に楽しみが出来て、あたしは満足げに昼寝にいそしむのだった。
夜。
隣の部屋にスリーピングの呪文をかけて、いそいそと準備を始める。
あたしはマントの下に村娘風の格好で、そおっと窓から飛び降りた。
しゅたっ
あたしの部屋は二回なので、浮遊の術は必要ない。
宿の庭らしき場所に着地して、マントに武器の類いをくるんだ。
早速歩き出そうとした所で、今一番聞きたくない声が頭から降ってきた。
「リナ」
あたしが上を向くと、そこに居たのは窓から身を乗り出してあたしを見下ろすガウリイ君。
──なんで!?
「あ、ぇえっと、あたしはソフィアよ?」
「リナ...」
「...」
なんで寝てないんだ、とかこのパターンは前にもあったとか、色々思うところはあるが、あたしはとりあえず笑って手を振った。
「じゃ、そーゆーことで!」
「おいこらっ、流そうとするなっ!」
ガウリイが窓から軽やかに飛び降りる。その姿はパジャマ。
あたしの隣に着地して、自称保護者はあたしの頭をコツンと叩いた。
「トイレから戻ったら隣の部屋から物音、だ。お前さんまぁた盗賊いぢめに行く気だったな?」
「くくぅ...最近は行ってないわよ!」
「危ないからやめろとあれほどだな...」
長い長い説教が始まりそうなので、どうやって気をそらそうかと考えといると、ガウリイがあたしの姿をしげしげと見つめていた。
「....何?」
「いや、珍しい格好しとるなと思って」
夜の盗賊いぢめの時は、敵の目を欺くために村娘の格好をするのは常套手段だ。
...でも、確かにガウリイに見せたことはあまりないかもしんない。
「どうよ。似合う?」
ぶりっ子ポーズを取ってみせると、ガウリイがジト目でぽりぽり頬を掻いた。
「お前さんなぁ...」
「あはは...」
あたしは肩を竦めて、浮遊の術の呪文を唱え始めた。こうなったらさっさと部屋に戻るが吉だ。
...と、術を使おうとした所でやおらガウリイに抱き上げられる。
「!?」
「おお、暴れるなよリナ」
「なななにすんのよガウリイ!」
突然のことに暴れるあたしをものともせず、あたしを抱えたままさっさと歩き出すガウリイ。
──おいこらちょっと!
恥ずかしいやらなんやらで、顔に血が上った。
「せっかく可愛い格好してるんだから、今日はオレが部屋に運んでやるよ、お嬢さん」
「あ....うぅ」
なんだか恥ずかしい台詞を言いはなったガウリイに、あたしは何も言い返せなくなってしまった。
ドキドキと心臓が鳴っているのを悟られたくなくて、あたしは不平を口にした。
「...こ、子供扱いはやめてよね」
ガウリイは足を止めないで、笑う。
「何言ってんだリナ。これはレディ・ファーストだ」
「脳みそヨーグルトのくせに...」
「あ、それはひどいぞリナー」
いつもの会話は出来るけど、赤くなった顔は隠せない。...周りが暗くて良かった。
「ガウリイ」
「ん?」
「...いや、なんでもない。また今度」
あたしの言葉に、ガウリイは少し残念そうな顔をした。
「そうかー...」
──もしかして、気付いてる...?
あり得ない可能性を考えて、少しどきりとする。
嗚呼、あたしとした事がこんなくらげに振り回されるなんて。
やっぱり、あたしは...「恋」しちゃってるのだ。
終わり
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なんだか微妙に長い上に分かりづらくなってしまいました(>_<)