注意!こちらはゼロス×シルフィールのカップリング小説です。妄想とねつ造に溢れていますので、苦手な方はお戻りください。
めちゃくちゃ更新遅くなりました<(_ _)>すみませんんん......!
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「僕と不死の契約をしませんか?」
まるで市場でリンゴを買いませんかとでも言うように、彼はさらりとそれを口にした。
「は......?」
「不死の契約ですよ。そしたら、この街にもう手は出しません。どうです?」
──不死の契約。
契約の石を媒介として魔族と命の契約をすることで、限りなく不死に近付く事が出来る方法。
不老不死を求めた魔道士と力ある人間を見いだした魔族との、禍々しい契約。
──なぜその契約を私と?
彼の表情からは何も窺いしれない。
「......そんな契約、あなたには何の得も無いでしょう」
そもそも私と取り引きする必要などこの男には無いのだ。私を今ここで殺してしまえば良いのだから。
魔族の力は人間には圧倒的過ぎる。
注意深くそう答えると、彼はくすりと笑った。
「......僕、結構あなたの事気に入ってるんですよ」
──ふざけているんだろうか。
でも、何のために?
「それじゃ、明日の夜までに考えておいて下さいね!」
彼はそう言って手を振ると、瞬時にその場から消えた。
「あっ......!」
残された静寂に、私はただ立ち尽くしたのだった。
翌朝。
私はフラグーンの鉢植えを持ってサリマンさんの家を訪ねた。昨夜起きた事を誰にも話さない訳にはいかなかった。
私が彼との「契約」の事以外を全て話すと、サリマンさんはがっくりと椅子に座り込んだ。
「あの男が......そうじゃったか。しかし、シルフィール殿。この事は他の皆には今は黙っておいてくれまいか」
「勿論ですわ。きっとパニックになります」
皆がショックを受けて打ちのめされる様子が目に浮かぶ。
どうしようもなく哀しい気持ちになるのを、なんとか抑え込む。私にはまだ考えるべき事がある。
「せっかくエルフ族の村にまで赴いてもらったのになあ......」
申し訳なさそうに言うサリマンさんに、私も頭を下げた。
「私が彼を止められていたら...」
「いや、わしら全員が騙されていた上に、相手は魔族じゃ。シルフィール殿が生きているだけ良かった」
「そう、ですわね...」
ため息が口から漏れる。そして、はっとした。
エルフ族。そう、私はエルフの占い師から警告を受けたのだ。
──近いうちにあなたは魔に魅入られる。魔はあなたの心の隙を狙い、揺さぶるだろう......立ち向かいなさい、人間の娘よ。
立ち向かいなさい。彼女はそう言った。私は今まさしく魔族、ゼロスに揺さぶられている。
──でも。
私が彼と契約しなければ、再びサイラーグは壊滅するかもしれない。街の人々を巻き添えにして。
......そんな事は耐えられない。
彼は、そんな私の負の感情を喰らうためにあんな取り引きを提案したのかもしれない。
「どう立ち向かえば良いのかしら......」
思わずつぶやいた私に、サリマンさんは気遣わしげな視線をくれたのだった。
続く
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次回に続く!!
また更新遅くなりそうです(>_<)
めちゃくちゃ更新遅くなりました<(_ _)>すみませんんん......!
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「僕と不死の契約をしませんか?」
まるで市場でリンゴを買いませんかとでも言うように、彼はさらりとそれを口にした。
「は......?」
「不死の契約ですよ。そしたら、この街にもう手は出しません。どうです?」
──不死の契約。
契約の石を媒介として魔族と命の契約をすることで、限りなく不死に近付く事が出来る方法。
不老不死を求めた魔道士と力ある人間を見いだした魔族との、禍々しい契約。
──なぜその契約を私と?
彼の表情からは何も窺いしれない。
「......そんな契約、あなたには何の得も無いでしょう」
そもそも私と取り引きする必要などこの男には無いのだ。私を今ここで殺してしまえば良いのだから。
魔族の力は人間には圧倒的過ぎる。
注意深くそう答えると、彼はくすりと笑った。
「......僕、結構あなたの事気に入ってるんですよ」
──ふざけているんだろうか。
でも、何のために?
「それじゃ、明日の夜までに考えておいて下さいね!」
彼はそう言って手を振ると、瞬時にその場から消えた。
「あっ......!」
残された静寂に、私はただ立ち尽くしたのだった。
翌朝。
私はフラグーンの鉢植えを持ってサリマンさんの家を訪ねた。昨夜起きた事を誰にも話さない訳にはいかなかった。
私が彼との「契約」の事以外を全て話すと、サリマンさんはがっくりと椅子に座り込んだ。
「あの男が......そうじゃったか。しかし、シルフィール殿。この事は他の皆には今は黙っておいてくれまいか」
「勿論ですわ。きっとパニックになります」
皆がショックを受けて打ちのめされる様子が目に浮かぶ。
どうしようもなく哀しい気持ちになるのを、なんとか抑え込む。私にはまだ考えるべき事がある。
「せっかくエルフ族の村にまで赴いてもらったのになあ......」
申し訳なさそうに言うサリマンさんに、私も頭を下げた。
「私が彼を止められていたら...」
「いや、わしら全員が騙されていた上に、相手は魔族じゃ。シルフィール殿が生きているだけ良かった」
「そう、ですわね...」
ため息が口から漏れる。そして、はっとした。
エルフ族。そう、私はエルフの占い師から警告を受けたのだ。
──近いうちにあなたは魔に魅入られる。魔はあなたの心の隙を狙い、揺さぶるだろう......立ち向かいなさい、人間の娘よ。
立ち向かいなさい。彼女はそう言った。私は今まさしく魔族、ゼロスに揺さぶられている。
──でも。
私が彼と契約しなければ、再びサイラーグは壊滅するかもしれない。街の人々を巻き添えにして。
......そんな事は耐えられない。
彼は、そんな私の負の感情を喰らうためにあんな取り引きを提案したのかもしれない。
「どう立ち向かえば良いのかしら......」
思わずつぶやいた私に、サリマンさんは気遣わしげな視線をくれたのだった。
続く
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次回に続く!!
また更新遅くなりそうです(>_<)